環境と体にやさしい生き方

環境の悪化は生物系全体に大きな影響を与えています。環境と体にやさしい健康的な生活を考えるための新鮮な情報を紹介します。

鳥インフルエンザ 新興国の経済発展が感染症蔓延の引き金に!!

2013年04月04日 | 環境問題
中国で、H7N9型の鳥インフルエンザに感染した人が相次いで確認されています。

4月3日(2013年)には、浙江省でも新たに2人の感染者が確認されました(このうち1人は死亡)。
これで感染者は計9名、死者は3名となりました。

人への感染経路はまだ特定されておらず、今後も感染が拡大する恐れがあります。
海を挟んだ隣国日本も十分注意する必要があります。

以下は、2010年のブログで書いたものの再掲です。
他にも何回か書いています。
下記を参照して下さい。

過去の鳥インフルエンザに関する記事


【過去記事の再掲】

新興国の経済発展は、世界中に感染症を拡大させ、多くの死者を発生させる危険をはらんでいます。

新興国では、経済発展によって食生活に変化が生じ、肉食が増えてきています。
この肉を生産するためには多くの穀物飼料を必要とし、肉1kgを生産するには、牛肉で10kg、豚肉で7kg、鶏肉で4kgの穀物が必要です。

このような穀物需要の急増の他に、今、家畜(特に豚)の増加が人間の感染症リスクを増大させています。

最近インドネシアで、高病原性鳥インフルエンザH5N1)が豚に感染し、これらのウイルスの一部が人間の鼻や喉の細胞に感染しやすいものに変異したことが確認されました。
これまで、高病原性鳥インフルエンザに感染した人のうち、2人に1人は死んでいます。(致死率約6割)

特に問題なのは、仮に豚が高病原性鳥インフルエンザウイルスに感染しても、その豚自身には症状が現れにくいために、人への感染が急速に拡大する危険性が高いということです。

新興国の経済発展で、世界的に鶏の羽数が急増すれば、これらの鶏が高病原性鳥インフルエンザに感染するリスクは高まり、さらにこれらのウイルスが、急増した豚に感染するリスクを高めます。そして、変異したウイルスが人間に感染して死者の急増を招くのです。

ウイルス対策も重要ですが、経済発展に伴う肉食の増加を改めない限り、危険なウイルスによる感染リスクから逃れることは難しいでしょう。


参考:「豚介し新・鳥インフル?」朝日新聞2010.9.1

 覇権大国中国が小日本を消す日―汚染された日本海と日本国土を廃棄せよ!

中国で増えるガンの村

2013年04月02日 | 環境問題
過去に出版した自著(下記)で、中国の「ガンの村」について書きました。

覇権大国中国が小日本を消す日―汚染された日本海と日本国土を廃棄せよ!

この中で、中国広東省汕頭市にあるグイユ村で、世界から集められた電化製品由来のゴミ(電子ゴミ)のリサイクルに伴う環境汚染と住民の健康被害について触れました。
また、この環境汚染には日本も間接的に加担し、その影響を被っていることも指摘しました。

それから3年近くが経ちましたが、3月31日(2013年)のテレビ番組「バンキシャ」で中国の深刻な水質汚染についての報道がありました。
今回は、この報道内容を紹介します。


中国中南部の湖北省にある宜昌(ギショウ)の川は、ピンクや赤、緑に染まっています。また、川にはさまざまなゴミが散乱し、豚の死骸さえも浮かんでいます。

川をピンクや赤に染めているのは、工場から意図的に、あるいは誤って排出された化学薬品によるものです。また、緑に染めているのは、工場廃水によって増えた植物プランクトンによるものです。
その汚染された川では、釣りをする人や漬物用の桔梗の根を洗う住民がいます。

湖北省政府は、本年(2013年)1月に2つの工場の排水設備などを改善するよう指導したようですが、汚水は変わらずにそのまま河川に廃棄されています。

新華社通信は、この地区で井戸水を飲んでいた住民のうち50代以下の60人あまりが、ここ数年で肝臓ガンなどで亡くなったと報道しているようです。ガンに至らずとも、重い肝炎に苦しむ住民もいます。

また、約3000人が住む湖南省の董灘村(トウタンムラ)では、工場が立ち並ぶ経済開発区から廃棄される汚水で井戸水が汚染され、異様な臭いがします。水道水は2時間ほど置いておくと黄色く濁り、服を洗濯すると黄色く変色します。住民は、この服を着ると体がかゆくなると言います。

川が汚染されているため、この水を利用していた養殖場ではすべての魚が死滅して使用不能になってしまいました。
住民は、化学肥料工場の廃水や煙が地下水や川を汚染していると言っています。

これに対して地方政府は本気で環境問題を解決する気はなく、逆に住民に立ち退きの文書を送っています。
工場を挟んで董灘村と隣接する人口約1800人の青年村では、すでに立ち退きが進んで、新たな工場を建設するために住居が取り壊されています。

中国政府は、今年(2013年)2月に「化学品環境危険予防一二五計画」を公表しました。
この中には、「癌症村」の記述が出てきて、水や大気の汚染がガンの発症につながっており、いわゆる「ガンの村」が存在していることを政府として認めています。

政府は、深刻な水質汚染や土壌汚染に対して強い危機感を抱いており、李克強首相は問題点を明確にして状況改善に向けて解決に当たる必要があると発言しています。

各地の住民が環境問題に不満を持ち、抗議の行動をとるようになり、それを支援するNGO(非政府組織)も動き出しました。
北京にあるNGO自然大学は、中国南東部・浙江省の住民の依頼に応じて、製紙工場からの廃水が放流される川の泥を採取し成分分析を行っています。この汚泥を簡易分析したところガンなどを引き起こす恐れのあるヒ素が検出されています。

NGO自然大学に調査を依頼した陳余千氏は、次の世代のために最後まで戦うと言っています。インターネット上には、関連の映像も掲載しているようです。

中国の環境汚染を調査している公衆環境研究センターの馬軍主任は、限られた水源は汚染によって破壊されており、これが続けば産業に大きな影響が出るといっています。 

以上がテレビ報道の主な内容です。

紹介したように中国の水質汚染は深刻で、その問題点も明らかですが、経済発展優先の政策が大きく変わらない限り解決は容易ではないでしょう。
前述の報道では、「ガンの村」は200箇所以上に広がっているとしていますが、実際はもっと多いと思われます。

環境汚染の被害者が増えていくことは、国民の政府に対する不満を増幅するとともに、政府としてもその対策費用に多くを捻出せざるを得なくなり、国力の低下につながるでしょう。
また、ただでさえ水不足が深刻な中国で、水質汚染によって農業や工業に使用できる水が不足すれば、経済は壊滅的な影響を受けるでしょう。

中国が海外への進出を加速しているのは、化石燃料や鉱物資源の獲得だけでなくもっと深い意味があるのかもしれません。
また、環境問題への国民の不満を逸らすため、尖閣諸島をはじめとした領土問題に異常なまでのこだわりを見せているようにも見えます。

なお、中国の環境問題についてはこれまでも多くの本が出ています。

過去に私が読んだ本を下記に列記します。

「複合汚染国家」中国 (ワックBUNKO)

中国は猛毒を撒きちらして自滅する―全世界バブル崩壊の引き金を引くのも中国

中国の環境問題 今なにが起きているのか (DOJIN選書 12)

中国環境報告―苦悩する大地は甦るか

中国汚染――「公害大陸」の環境報告 (ソフトバンク新書)

中国環境ハンドブック 2009ー2010年版



・ホームページ「環境と体にやさしい生き方」

※健康参考:首こり、肩こりのサイト
 よくわかる首こり、肩こり解消法