環境と体にやさしい生き方

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早くも遺伝子組み換え作物耐性の害虫が発生

2013年08月02日 | 食生活等
過去に、何回か「遺伝子組み換え作物」や「遺伝子組み換え食品」についての記事を書いていますが、8月1日(2013年)付の朝日新聞で、「遺伝子組み換え効かぬ害虫」という記事が掲載されましたので紹介します。

この記事によると、2011年の夏から、害虫に耐性を持つように遺伝子組み換えされたトウモロコシ(Btコーン)の根を食べてしまうハムシの幼虫(ネキリムシ)が発生しています。

(Btコーンについては、過去ブログ「遺伝子組み換え食品の安全性と対策」で、その安全性について触れています。)

Btコーンには、バチルス・チューリンゲンシス(Bt)という土壌中にいる細菌がつくる殺虫作用を持ったタンパク質遺伝子が組み込まれています。しかし、この殺虫作用に耐性のあるネキリムシが発生したために、殺虫剤の使用が増えています。

アメリカ中西部の主要なトウモロコシ生産地帯でも、この耐性ネキリムシが発生しています。コーンベルトの一角にあるイリノイ州では、すでにトウモロコシの9割がBtコーンとなっていますので、今後、耐性ネキリムシの発生が常態化していくと、殺虫剤の使用増加が危惧されます。

遺伝子組み換え作物についてはさまざまな危険性が指摘されてきましたが、その最大で唯一のメリットである「害虫に対する耐性」の効果がなくなるという事態に直面しているのです。

この影響は、近い将来、トウモロコシ由来の飼料や加工食品の生産量減少、価格の高騰、安全上の問題などを引き起こす可能性があり、トウモロコシの輸入の多くをアメリカに頼っている日本にとっても極めて深刻な事態を招く恐れがあります。