環境と体にやさしい生き方

環境の悪化は生物系全体に大きな影響を与えています。環境と体にやさしい健康的な生活を考えるための新鮮な情報を紹介します。

エネルギーの高騰は石炭にも!

2008年03月31日 | エネルギー・食料・資源
石油資源についてはいろいろと話題に上がりますが、石炭についてマスコミ等で取り上げられることはあまりありません。このため、日本は石炭の最大輸入国だと認識している人は、少ないのではないかと思います。
この石炭の価格が、2007年以降、急騰しています。


日本では、一般に、無煙炭、瀝青炭(れきせいたん)、亜瀝青炭、褐炭を総称して石炭と呼んでいます。また、用途別では、原料炭(主に製鉄の原料)と一般炭(主に発電用)に分類しています。
石炭は石油や天然ガスと比べて世界的に広く存在し、可採年数が長いのが特徴です。2004年末の可採埋蔵量を2004年の生産量で割った可採年数は164年(BP統計2005年版)といわれています。

【世界の石炭生産量と消費量】
2004年の世界の石炭生産量は前年対比7.5%増の55億800万トンで、このうち84%の46.29億トンが褐炭以外の石炭です。主な生産国は、①中国(19.56億トン)、②米国(10.08億トン)、③インド(4.03億トン)、④豪州(3.55億トン)、⑤ロシア(2.80億トン)、⑥南アフリカ(2.38億トン)となっています。(エネルギー白書2006版)

一方、消費量は55億3,500万トンで、このうち84%の46.46億トンが褐炭以外の石炭です。主な消費国は、①中国(18.88億トン)、②米国(10.06億トン)、③インド(4.03億トン)、④ドイツ(2.50億トン)、⑤ロシア(2.37億トン)、⑥日本(1.83億トン)、⑦南アフリカ(1.73億トン)となっています。(エネルギー白書2006版より計算)
なお、日本で消費する石炭はほとんどすべて褐炭以外のものであり、褐炭を除く石炭の消費量では、日本はインドに続き世界第4位です。

また、世界の電力用燃料として使われているものの4割は石炭です。

【世界の石炭の貿易量】
世界の石炭生産量と消費量の比較からもわかるように、主な生産国はそのほとんどを国内で消費するため、2004年の石炭の輸出量(褐炭を除く)は、生産量の16%(約7.55億トンに)すぎません。このうち、主な輸出国は、①豪州(世界の輸出量の28.9%)、②インドネシア(同14.2%)、③中国(同11.5%)、④南アフリカ、⑤ロシア、⑥コロンビア、⑦アメリカで、これら7カ国で輸出量の約85%を占めています。

一方、最大の輸入国は日本であり、世界の石炭貿易量(褐炭を除く)の約4分の1を輸入しています。日本が輸入している主な国は、豪州(57%)、中国(16%)、インドネシア(14%)です。(2004年実績)
また、日本国内における石炭の生産量は、北海道の釧路コールマイン株式会社が釧路炭鉱で採掘している年間70万トン程度のみです。
そして、日本では一次エネルギーの約21%(2004年実績)を石炭に依存しているのです。

【石炭需給の現状と見通し】
IEA(国際エネルギー機関)では、石炭の需要は今後、アジア地域、とりわけ中国とインドの伸びが大きいと見ています。
「THE WALL STREET JOURNAL」によると、2007年の中国の石炭消費量は、世界の消費量の4分の1を占め、すでに、2007年上半期に石炭の輸入量が輸出量を上回っています。

また、石炭需給のひっ迫には、次のような要因もあります。


・石炭の品質の良さで知られるオーストラリアで、本年(2008年)1月の豪雨による主要鉱山の冠水で輸出が激減

・南アフリカ共和国で石炭需要が拡大し、輸出量が減少。

・日本では、昨年(2007年)の中越沖地震で東京電力柏崎刈羽原子力発電所が停止して、火力発電用の石炭需要が増加。

・インドの石炭輸入量の増加。石炭火力発電所の大規模計画に着手。

・インドネシアで輸出から国内向けに大幅に転換

・米国でも多くの石炭火力発電所を建設中。


これらの要因の相乗・相加作用で、アジアの一般炭の基準相場は、2007年はじめの1トン当り50ドル程度が、2008年2月11日には、125ドルまで倍以上に上昇しています。(注:価格は、オーストラリア・ニューカッスル港積みの一般炭)

今後、石炭の生産量は増えていくと思われますが、需要増加が著しいため価格は高止まりすると推測されます。また、石炭火力発電は、地球温暖化に起因する二酸化炭素の排出量が最も多い発電方法であり、環境面からの問題も深刻になると考えられます。

【主な参考文献】
資源エネルギー庁 エネルギー白書2007年版、2006年版
・日経ビジネス 2008年3月3日号 世界鳥瞰
 THE WALL STREET JOURNAL 中国が火をつけた石炭高騰



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バランスのいい食事とは?

2008年03月24日 | 食生活等
バランスのいい食事バランスのいい食生活とは、いったいどのようなものでしょうか?穀物、野菜、肉、魚介類を均等に食べることでしょうか?
そうではありません!!
多くの人が、食生活について誤った知識を持っているのではないかと思います。

管理栄養士の幕内秀夫氏は、著書『なぜ「粗食」が体にいいのか』のなかで、現代の食生活は「五無の食生活」だと書いています。幕内氏は、「五無」とは、「無国籍」、「無地方」、「無季節」、「無家庭」、「無安全」の意味で、生活に国籍がなくなり、地方の味がなくなり、季節がなくなり、家庭の味がなくなり、安全性がなくなっているといいます。
そして、「粗食」すなわち「日本の豊かな風土から生まれた豊かな食生活」を提唱しています。
(注:紹介の本は、帯津三敬病院名誉院長 帯津良一氏との共著)


なぜ「粗食」が体にいいのか―「食生活」ここだけは変えなさい! (知的生きかた文庫)
帯津 良一,幕内 秀夫
三笠書房

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幕内氏は、この本の中で、無理なくできる食生活について書いており、内容的にまさに我が意を得たりの感があります。詳しくは是非、本を読んでいただきたいと思いますが、その一部を紹介しながら書いていきたいと思います。


健康に関心があり、食生活について真剣に考えて多くの情報を収集すればするほど、何が本当に体にいいのかわからなくなります。なぜなら、ある本では体にいいといって取り上げられているものが、別の本では体に悪いと書かれてあったりするからです。

幕内氏は、「栄養素を考えていると何を食べていいかわからなくなる。」、「栄養素を考えて食事をすることが科学的で正しいというのは錯覚だ。」といいます。これは、「病気にならない生き方」の著者である新谷弘実氏が、「食べ物をある側面からしか見ていないことが問題」という意味のことを書いているのと、共通した考え方だと思います。
病気にならない生き方 -ミラクル・エンザイムが寿命を決める-
幕内氏の言葉を借りれば、「私たちは、その食べ物の良い部分も悪い部分もまとめて食べている。」のです。


それでは、現代の食生活における問題点は何でしょうか?
幕内氏は、次の5つの問題すべてが問題であり、これらを総合的に考えていくべきだといいます。

1.食べすぎ(摂取熱量に比べ消費熱量が少なくなった。)
2.食生活の欧米化(パン、肉、食肉加工品、牛乳、乳製品、油脂類の急激な増加)
3.ビタミン・ミネラル類、微量栄養素の減少(精製食品の増加)
4.食物繊維の極端な減少
5.化学物質の急増(農薬、食品添加物の増加)



また、理想的な食生活であっても、長続きさせるには家族と2割以上違う食事をしないことが重要で、食生活の改善では、大切なことほど簡単でお金もかからないといいます。
そして、また、「粗食」のすすめとして、大まかに次のようなことを書いています。


・カタカナ食(パン、ラーメン、スパゲッティなど)をやめて、ご飯、味噌汁、漬物、納豆などのひらがな食にする。これで、添加物や農薬がかなり減らせる。

・カロリーのあるジュースなどの飲み物を減らし、番茶や水にする。

・米は未精製のもの、ミネラル分の多い雑穀を入れたものを食べる。

・白砂糖や異性化糖(ブドウ糖果糖液糖)の入った食品を食べない。
(ジュース、ケーキ、クッキーなど)

・副食は季節の野菜を中心にして、動物性の食品は肉を控えて魚介類(特に、イワシやサバ、サンマなどの青魚)を中心にする。

・揚げ物を控える。

・味噌、しょうゆ、油、砂糖、塩は高くても良質のものを選ぶ。
(私は、味噌、しょうゆ、油、塩は、自然食の店で購入し、砂糖はほとんど使いません。)

・水は浄水器を通したものを使う。
(姉妹ブログ「健康とからだにやさしい生活-健康は安全な水から」をご覧ください。)

・ゆっくりと噛んで楽しみながら食事をする。

などです。


幕内氏の本のなかで興味深かったのは、民間食療法の指導者の多くが自らの病気を持っていて、自ら考えた食事療法で治しているということです。彼らは、自分で体験しているだけに、その効果についてすごい自信を持っていますが、それがそのまま他のすべての人に通用するかは疑問です。また、その多くが偏食であるため長く続けると害の方が大きくなります。


興味のある方は、是非、この本を読まれることをおすすめします。
安価で読みやすい本です。
なぜ「粗食」が体にいいのか―「食生活」ここだけは変えなさい! (知的生きかた文庫)
帯津 良一,幕内 秀夫
三笠書房

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【参考・引用文献】
・なぜ「粗食」が体にいいのか 帯津良一、幕内秀夫著 三笠書房
 

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弱者食いものの時代

2008年03月17日 | 暮らし全般
【生活弱者向けビジネスの横行】
最近、裕福な人向けよりも、むしろ生活的に苦しい、いわゆる「生活弱者」をターゲットとしたビジネスが横行しています。

[ワーキングプアとネットカフェ]
企業は、経済のグローバル化による競争激化に対応するため、従来固定費として考えられていた人件費を変動費に変えて、非正規雇用の社員(パート、アルバイト、契約社員、派遣社員等)の採用を増やしています。このため、いくら働いても生活が向上するどころか、支出が収入を上回って貧しくなるいわゆる「ワーキングプア」の状態にある世帯が増えてきています。

このようなワーキングプア層には、ワンコールワーカーといって、人材派遣会社からの携帯電話への連絡で、日雇い労働派遣によって生活している人も多いようです。そして、彼らの中には日常的にネットカフェを利用する人も少なくありません。
そもそもネットカフェは、まんが喫茶などが、パソコンやネット接続料金の低価格に伴って変化したもので、宿泊を主目的としたものではないと思われます。しかし、居住性の向上や低価格の宿泊パックなどにより、日雇い労働者などの利用が増えており、地域によってはこれらの人たちの利用が売上げに貢献しているのが現状です。

(定住する家をもたずネットカフェを主な宿泊の場所にしている人を称して、『ネットカフェ難民』という造語が使用されていますが、日本複合カフェ協会(JCCA)では、お客様を『難民』と呼ばれることに対して危惧を表明しています。)

[弱みにつけこんだあくどい業者の横行]
この他、お年寄りなどをターゲットに、家の修理、布団や健康器具の販売など、騙しや脅しによって法外な金額を請求するケースが後を絶ちません。また、学生や主婦、休職中や定年後の人などに副業の話を持ちかけ金を出させるといったことも、ますます手口が巧妙化しながら増加しています。


【米国の実態】
海外に目を転じると、弱者を利用した商品のひとつに、米国の「サブプライムローン」があげられます。サブプライムローンとは、言うまでも無く、米国で信用度の低い人向けのローン(狭義的には住宅融資)です。通常のローンに比べ金利が高く設定されていますが、当初の数年間は金利が低く、徐々に高くなる仕組みになっています。購入した住宅の値上がりによる含み益が見込めるという条件のもとで、はじめて成り立つものです。周知のとおり、不動産価格の伸びの鈍化や、年数経過による金利の上昇などによって、返済不能におちいっる人が急増しています。

堤 未果氏は著書「ルポ 貧困大国アメリカ」で、米国ではものすごく儲かっている富裕層と貧困層の二極構造になってきているといいます。そして、教育や医療などさまざまな面で民営化が進められたことにより、経済格差が拡大しているといいます。

ルポ貧困大国アメリカ (岩波新書 新赤版 1112)
堤 未果
岩波書店

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堤氏は、著書の中で、貧困層に肥満が多いことに触れ、これは貧困家庭の子弟の多くが「無料-割引給食プログラム」に基づいて、フードスタンプによって手に入れた食品が、「コスト削減によるジャンクフードであふれていることにあると書いています。

また、米国では、日本の国民皆保険のような医療保険制度がないために、病気になるとたちまち貧困層に転落する人や、出産してもすぐに退院を余儀なくされる人が多いといいます。
そして、「今のアメリカは日本の5年後の姿」であると強調しています。


「【私たちはどうすべきか?】
経済性や効率だけを重視する社会は、各所でひずみを起こしていずれ破綻します。現在の自民党政治について不満を持っている人が多いのは、これらのことに気がつき始めた人が増えてきていることの証だとも思います。私たちは一人の有権者として、「政治を変えるための賢い選択が必要とされています。

また、「生活弱者をターゲットとした企業活動にも注意が必要です。
物価の高騰によって食品価格の高騰が続いていますが、業者の中には他社との競争上、値上がり分を価格に転嫁できないところも少なくありません。その場合、「利益部分を圧縮する。」、「安価な原料に変える」、「製法を変える」などの方法しかありません。

過去ブログ「砂糖と油脂が健康を阻害!!」にも書いたように、製造原価を抑え、口当たりのいい食品を作るため、鮮度の落ちた食材を、油脂と砂糖をふんだんに使った食品が横行する可能性も否定できません。


さらに今後、トウモロコシや大豆などの穀物の『食糧』と『エネルギー』の競合、新興国のBRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)やこれに続くVISTA(ベトナム、インドネシア、南アフリカ、トルコ、アルゼンチン)などの生活レベルの向上によって、食料価格の値上げが続くと思われます。

このような環境にあっては、たとえば『物価高の時代に安価な商品を提供して生活をバックアップします。』などのキャッチフレーズのもと、安い擬い物(まがいもの)が出回ることが予想されます。不自然に安い食品は、「何故安いのか?」をじっくり考えることが大切です。

そして、生活者の弱みを巧みに利用した宣伝広告に惑わされない注意が必要です。



【主な参考文献】
・フリー百科事典『Wikipedia』ネットカフェ難民
日本複合カフェ協会 ホームページ 
・フリー百科事典『Wikipedia』ワーキングプア
・ルポ 貧困大国アメリカ 堤 未果著 岩波新書
 

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他人事ではないポリ容器の大量漂着の危険性

2008年03月10日 | 環境問題
2008年1月15日に、長崎県平戸市の海岸で廃ポリタンク(以下「ポリ容器」)約700個の漂着が確認されて以来、3月3日までに沖縄県石垣島から北海道にわたる19道府県の海岸で約4万個が確認されています。

海上保安庁によると、日本海沿岸への大量のポリ容器(容量約20リットル)の漂着は、平成12年頃から毎年冬場を中心に確認されています。

〔毎年の日本海沿岸への漂着数(海上保安庁調べ)〕
 ・平成12年度 : 約38,000個
 ・平成13年度 : 約11,000個
 ・平成14年度 : 約13,000個
 ・平成15年度 : 約29,000個
 ・平成16年度 : 約14,000個
 ・平成17年度 : 約 9,300個
 ・平成18年度 : 未確認


今年(2008年)、19道府県で3月3日(道府県により報告日が異なり2月27日から3月3日のいずれかの日)までに確認された漂着ポリ容器39,941個のうち、表記文字が確認されたものは約42%で、その大半(約96%)はハングル文字表記です。これらのポリ容器には、H2O2(過酸化水素)、CH3COOH(酢酸)、HNO3(硝酸)などの表記があるものや、H2O2表記のポリ容器から塩酸が検出されたものもあります。

過酸化水素は、弱酸性で酸化剤や殺菌剤、漂白剤として使用され、強い腐食性を持ち、高濃度のものが皮膚に付着すると痛みをともなう白斑が生じます。酢酸は、常温で無色の液体で、刺激臭、酸味があり、防腐剤として、バクテリアやカビの増殖を抑えるために用いられることがあります。硝酸は、強酸性の液体で、金属と反応して硝酸塩(水に可溶)を作り、触れると皮膚が黄変します。また、塩酸は強酸性の液体で、人体に有毒で、腐食性があるので、皮膚に触れると化学熱傷の原因となります。

漂着したポリ容器の多くは、韓国の海苔(ノリ)の養殖業者が、収穫時にノリの「あかぐされ病」の殺菌のために使用している過酸化水素や硫酸、塩酸などを使用したあとに海に投棄したものと考えられています。
専門家によると、塩酸は以前、ノリ養殖等の網を殺菌するために使用されていたが、現在は当該用途による使用は禁止されているとのことです。


過去には、平成15年に海上保安庁が、『日本海沿岸に漂着したポリ容器は韓国のノリ養殖業者が、殺菌(病害防止用)のために使用した過酸化水素水が入っていたもの』と考えられたため、韓国海洋水産部と協議(※)しています。この協議の結果、当時、韓国国内では海洋水産部を中心にその対策を講じたようですが、以後の状況を見る限り、実態は野放し状態にあったようです。

「日本海沿岸大量ポリ容器漂着に係る韓国海洋水産部との協議結果」は、下記で確認できます。
 「日本海沿岸大量ポリ容器漂着に係る韓国海洋水産部との協議結果について」
 http://www.kaiho.mlit.go.jp/08kanku/kouhou/kouhou15/15.6.27pori.pdf


胡麻油と味塩で焼いた韓国の海苔は、結構おいしくて、現地購入品をよくお土産としてもらっていましたが、食の安全・安心の点からは控える必要がありそうです。これまで中国製の食品に対する問題がクローズアップされ、韓国の食品についてはあまり話題となることはありませんでしたが、他の韓国製の食品についても注意が必要でしょう。

また、廃棄物の海洋投棄による汚染の防止を目的として、1972年にロンドン条約が採択され、日本、韓国を含む81カ国が批准していますが、韓国では陸上によるゴミの埋立地の不足等で、海洋投棄が増えています。廃棄物の海洋投棄量は、88年に55万トンだったものが、2005年には993万トン、07年には745万トンと増えています。海洋投棄されているものは、下水汚泥、畜産排水、生ゴミから出た液体、魚介類の食べかすなど多岐にわたっています。特に下水汚泥の70%は海洋投棄されているようです。さらに、この他に統計に表れない不法投棄が、毎年90~180万トンに達するとの話もあります。(朝鮮日報 chosun Online 「韓国のゴミ海洋投棄の実態」参考

海洋投棄による汚染は、漂着物の流れ着いた国だけの被害にとどまりません。
海洋国家日本としては、個々の事件への対応だけでなく、もっと、大量の漂着物による海洋汚染の現実を世界に訴えるべきではないでしょうか?




【主な参考文献】
・環境省報道発表資料「日本海沿岸地域等への廃ポリタンクの大量漂着について(第3報)」(平成20年3月5日)
・海上保安庁 「日本海沿岸大量ポリ容器漂着に係る韓国海洋水産部との協議結果について」(平成15年6月27日)
・フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』過酸化水素酢酸硝酸塩酸
・朝鮮日報 chosun Online 韓国のゴミ海洋投棄の実態
 

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黄砂による有害化学物質に注意

2008年03月04日 | 環境問題
3月3日(2008年)、気象庁は今年初の黄砂を確認したと発表しました。
気象庁によると、3日に黄砂が確認された地域は九州、中国地方の全域の他、東海、北陸、東北地方の一部地域まで及んでいます。黄砂は今後、東日本や東北地方まで広がる恐れがでてきています。

黄砂情報(予測図)は、気象庁の下記のサイトから確認できます。
気象庁 黄砂予測図(地表付近の黄砂の濃度)
 http://www.jma.go.jp/jp/kosafcst/


【黄砂現象とは】
黄砂現象とは、東アジアの砂漠地帯(ゴビ砂漠やタクラマカン砂漠)や黄土地帯(黄河流域)の黄砂粒子が強風で上空に舞い上がり、風によって拡散・移動し、降下する現象です。特に、国境を越えて日本に飛来する黄砂は、粒径が数μm(1μmは、1000分の1mm)以下の小さな粒子です。
日本では黄砂現象は、例年3月から5月にかけて観測されますが、近年のアジア大陸の砂漠化進行は、黄砂発生量の増加に拍車をかけています。

【黄砂による健康被害】
黄砂現象は直接的には、視界が悪くなるとか、洗濯物に付着するなどの影響を与えますが、その他にも大きな問題があります。

日本に飛来する黄砂は、経済発展が著しい中国や韓国の上空を経由してきますが、その際に、さまざまな大気汚染物質を吸着します。黄砂に吸着される物質は、移動中の大気に含まれる成分によって異なりますが、窒素酸化物(NOx)や硫黄酸化物(SOx)の他、二酸化窒素(NO2)や一酸化炭素(CO)など多岐にわたります。またこれらの物質が化学反応によりあらたな有害物質を生成しているという説もあります。

黄砂の粒子は極めて微細なうえに、上記のようにさまざまな種類の化学物質を含んでいるために、皮膚や目、呼吸器官(鼻、のど、肺)、循環器、さらには内臓にも影響を与えます。

黄砂による健康被害を防止するために、
・外出を控える。
・戸外での活動時間を制限する。
・うがいを励行する。
・マスクを利用する。

などの対策が必要です。



【主な参考資料】
気象庁 黄砂に関する基礎知識
 http://www.data.kishou.go.jp/obs-env/kosahp/4-4kosa.html
フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』黄砂

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新型インフルエンザ パンデミックの対策

2008年03月02日 | 暮らし全般

【追記 2009.4.28】ブログ内の関連記事の紹介
警戒レベル4、個人の新型インフルエンザ対策を!(2009.4.28)」
新型インフルエンザ 事前対策の不確実性(2008.4.22)」
---ここまで---

鳥インフルエンザや新型インフルエンザについては新聞やテレビでよく報道され、インターネットで検索しても多くの情報が掲載されています。しかし、世界保健機関(WHO)が、『新型インフルエンザの世界的大流行(パンデミック)はいつ発生してもおかしくない』と警告していることや、パンデミックに至るまでのステップと現状について具体的に知っている人は少ないと思います。


鳥インフルエンザ新型インフルエンザについては新聞やテレビでよく報道され、インターネットで検索しても多くの情報が掲載されています。しかし、世界保健機関(WHO)が、『新型インフルエンザの世界的大流行(パンデミック)はいつ発生してもおかしくない』と警告していることや、パンデミックに至るまでのステップと現状について具体的に知っている人は少ないと思います。

また、私たち生活者が新型インフルエンザの発生に備えて個人でできる対策について、厚生労働省から参考となる情報が発信されていますが、これらの情報を知って対策をしている人はほとんどいないと思われます。

そこで、鳥インフルエンザや新型インフルエンザの概要及び個人でできる対策についてわかりやすく紹介します。

【新型インフルエンザとは】
インフルエンザは、インフルエンザウイルスの感染によっておこる病気で、発病すると、普通の風邪の症状に加え、38℃以上の発熱や頭痛、関節炎、筋肉痛などの全身の症状が強くあらわれます。 また、気管支炎、肺炎、中耳炎、熱性けいれんなどを併発することもあります。

インフルエンザウイルスには、A型、B型、C型がありますが、ヒトに感染するのはA型及びB型で、パンデミックを引き起こす危険性があるのはA型です。A型ウイルスは、ヒトを含むほ乳類や鳥類に広く分布しています。

A型ウイルスの表面にはたんぱく質の2種類の抗原帯すなわち、「赤血球凝集素(H:hemoagglutinin)」「ノイラミニターゼ(N:neuraminidase)」があり、それぞれH1~H16、N1~N9に分類されます。
カモやアヒルなどの水鳥を中心とした鳥類がこのA型インフルエンザウイルスに感染しても、感染している鳥類の多くは症状がなく、他の鳥類に感染して症状が出た場合に鳥インフルエンザとして扱われます。鳥インフルエンザのなかでも、感染した鳥類が死亡にいたるような重篤な症状をきたすものを高病原性鳥インフルエンザといいます。これまで判明している高病原性鳥インフルエンザウイルスは、すべてH5亜型とH7亜型に限られています。

新型インフルエンザは、鳥インフルエンザなどがヒトに感染し、ヒトの体内で増えることができるように変化して、ヒトからヒトへ感染するようになったウイルスによる疾患のことをいいます。現在、高病原性鳥インフルエンザのウイルスが新型インフルエンザに変異して、パンデミックを引き起こすことが危惧されています。

鳥インフルエンザと新型インフルエンザの関係については、厚生労働省 新型インフルエンザ対策関連情報にある下図「鳥インフルエンザと新型インフルエンザの関係」を参照してください。



【過去の新型インフルエンザ】
20世紀には、下記のように新型インフルエンザが10年から40年の周期で流行しています。

・1918年(大正 7年)スペインインフルエンザ
・1957年(昭和32年)アジアインフルエンザ
・1968年(昭和43年)香港インフルエンザ
・1977年(昭和52年)ソ連インフルエンザ


従来、これらは、スペインかぜなどのように、一般的には「かぜ」という名称がつけられていましたが、既述したように「かぜ」と「インフルエンザ」は別個のものです。いずれも世界的に流行して、スペインインフルエンザの場合、死亡者は世界で約4,000万人、日本で約39万人にものぼってます。
グローバル化した世界経済のもとでは、過去の新型インフルエンザ以上に急速なウイルスの感染拡大が危惧されています。

【高病原性鳥インフルエンザ発生の状況】
厚生労働省は、WHO及び各国政府の正式な公表に基づいた2003年11月以降の「鳥インフルエンザ(H5N1)発生国及び人での発症事例」を公表しています。これによると、家きん等によるH5N1は世界的に発生し、2008年1月24日現在、WHOの確認している人での発症は計353人で、そのうち死亡が221人と致死率が6割以上と極めて高くなっています。

日本では、高病原性鳥インフルエンザが、2004年1月~2月に、山口県(養鶏場)、大分県(愛玩鶏)、京都府(養鶏場)で発生し、2007年1月~2月に、宮崎県(清武町、日向市、新富町、いずれも養鶏場)、岡山県(養鶏場)で発生しています。(いずれもH5N1型)

最新の情報は、国立感染症研究所 感染症情報センターのサイト(http://idsc.nih.go.jp/index-j.html)から入手できます。 高病原性鳥インフルエンザ Avian influenza

【パンデミックにいたるステップと現状】
WHOは、パンデミックの警報に次のような6つのフェーズを用いています。
詳細は、国立感染症研究所 感染症情報センターのサイトhttp://idsc.nih.go.jp/disease/influenza/05pandemic/0511phase.htmlを参照してください。
現在は、フェーズ3の段階にあり、パンデミックの可能性が高くなってきています。

フェーズ1:ヒト感染のリスクは低い
フェーズ2:ヒト感染のリスクはより高い
フェーズ3:ヒト-ヒト感染は無いか、または極めて限定されている
フェーズ4:ヒト-ヒト感染が増加していることの証拠がある
フェーズ5:かなりの数のヒト-ヒト感染があることの証拠がある
フェーズ6:効率よく持続したヒト-ヒト感染が確立



【個人の対策】
新型インフルエンザのワクチンの開発には、新型ウイルスそのものが必要なために、開発・製造には6ヶ月以上が必要とされています。また、政府が備蓄している1,000万人分のプレパンデミックスワクチンは、現在流行している鳥インフルエンザに対するもので、新型インフルエンザへの効果は不明です。このため、各人が可能な範囲で対策を施すことが必要です。

基本的には、通常のインフルエンザの感染予防と同様に、感染者の咳、くしゃみ、つばなどを経由したウイルスによる感染を予防するために次のような対策をとることです。

・外出後の手洗い
・マスクの着用
・流行地への渡航の自粛
・人ごみや繁華街への外出の自粛
・十分な休養、体力の維持増進、抵抗力の向上、バランスのよい栄養摂取


また、いったん新型インフルエンザが流行すると、食料品や日常品の流通が滞り入手が困難になるため、平常時から必要と思われる備蓄品を準備しておくことが重要です。
厚生労働省の新型インフルエンザ・個人でできる対策のサイトから、個人での備蓄物品の例を下記に紹介します。地震等の防災対策にも共通するものがほとんどですので、検討されることをおすすめします。


姉妹ブログ「環境とからだにやさしい生活」では、「災害時の備蓄品」を紹介しています。

個人での備蓄物品の例
○食糧(長期保存可能なもの)の例
 主食類

 米
 乾麺類(そば、ソーメン、うどん等)
 切り餅
 コーンフレーク・シリアル類
 乾パン
 各種調味料

 その他
 レトルト・フリーズドライ食品
 冷凍食品(家庭での保存温度ならびに停電に注意)
 インスタントラーメン
 缶詰
 菓子類
 ミネラルウォーター
 ペットボトルや缶入りの飲料

○日用品・医療品の例
 常備品

 常備薬(胃薬、痛み止め、その他持病の処方薬)
 絆創膏(大・小)
 ガーゼ・コットン(滅菌のものとそうでないもの)
 解熱鎮痛剤(アセトアミノフェンなど)
 薬の成分によっては、インフルエンザ脳症を助長する可能性があります。
 購入時に医師・薬剤師に確認してください。

 対インフルエンザ対策の物品
 マスク
 ゴム手袋(破れにくいもの)
 水枕・氷枕(頭や腋下の冷却用)
 漂白剤(次亜塩素酸:消毒効果がある)
 消毒用アルコール

 通常の災害時のための物品(あると便利なもの)
 懐中電灯
 乾電池
 携帯電話充電キット
 ラジオ・携帯テレビ
 カセットコンロ・ガスボンベ
 トイレットペーパー
 ティッシュペーパー
 キッチン用ラップ
 アルミホイル
 洗剤(衣類・食器等)・石けん
 シャンプー・リンス
 保湿ティッシュ(アルコールのあるものとないもの)
 生理用品(女性用)
 ビニール袋(汚染されたごみの密封に利用)


【主な参考文献】
・日経ビジネス 2008.2.11号 最後の砦でウイルス撃退
国立感染症研究所 感染症情報センター 鳥インフルエンザに関するQ&A
厚生労働省 鳥インフルエンザに関する情報
厚生労働省 鳥インフルエンザ(H5N1)発生国及び人での発症事例
厚生労働省の新型インフルエンザ・個人でできる対策



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