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環境と体にやさしい生き方

環境の悪化は生物系全体に大きな影響を与えています。環境と体にやさしい健康的な生活を考えるための新鮮な情報を紹介します。

子どもに科学的な目で食品の安全性を・・・その意図は?

2010年06月07日 | 食生活等
大人になってから「氾濫するいいかげんな食情報」に惑わされないようにとの理由で、行政や民間団体によって、小中高生を対象に科学的視点に基づいた副教材が作られているようです。これは、5月7日付(2010年)の朝日新聞で紹介されているものです。

【食品安全委員会】
内閣府の食品安全委員会は、「科学の目で見る食品安全(中学校技術家庭用副読本)」を作成して、ネットで公開しています。
http://www.fsc.go.jp/sonota/kids-box/foodkagakume/kagakume_index.html
希望する学校は、各都道府県を通じてこのパンフレットを入手できるようです。

目次を見ると、食品の安全性(食べる量と安全性について考えてみよう)、食品の選択(食品添加物や農薬について知ろう)、食品の保存(食中毒を防ごう)、食品の表示(食品表示を活用しよう)などから構成されています。

【農林水産省】
農林水産省では、本年2月に遺伝子組み換え作物について複数のリーフレットを作成して、内容に応じて、試行的に茨城、栃木、群馬3県の小中高生に配布しています。
(本稿作成時点においては下記アドレスから入手可能ですが、後述するようにサイトが閉鎖される可能性があります。)

・学校教材、各種研修資料(農林水産省)」
 http://www.biotech-house.jp/materials/

・小学5・6年生向けリーフレット
 『正しく知ろう!遺伝子組換え農作物「遺伝子」ってなんだろう』「PDF 1.53MB」
 http://www.biotech-house.jp/materials/pdf/syogakusei.pdf

・教職員用解説書
 『正しく知ろう!遺伝子組換え農作物「遺伝子」ってなんだろう』「PDF 8.12MB」
 http://www.biotech-house.jp/materials/pdf/syogakukaisetsu.pdf

・中学生向けリーフレット
 『正しく知ろう!遺伝子組換え農作物「遺伝子組換え農作物」ってどういうもの』「PDF 1.60MB」
 http://www.biotech-house.jp/materials/pdf/chugakusei.pdf

・教職員用解説書
 『正しく知ろう!遺伝子組換え農作物「遺伝子組換え農作物」ってどういうもの』「PDF 4.60MB」
 http://www.biotech-house.jp/materials/pdf/chugakukaisetsu.pdf

・高校生向けリーフレット
 『正しく知ろう!遺伝子組換え農作物「遺伝子組換え農作物」を考える』「PDF 1.78MB」
 http://www.biotech-house.jp/materials/pdf/koukousei.pdf

・教職員用解説書
 『正しく知ろう!遺伝子組換え農作物「遺伝子組換え農作物」を考える』「PDF 3.96MB」
 http://www.biotech-house.jp/materials/pdf/koukoukaisetsu.pdf

【日本化学工業協会】
日本化学工業協会では、「知っておきたい食べ物の話」という冊子を配布しています。この冊子では、栄養素や食事バランス、食品添加物、食生活等をとりあげており、下記サイトからも入手できます。
 http://www.nikkakyo.org/minisites/13/foods/


若いうちに食の安全について正しい知識を得ることは、とても大事なことです。しかし、その知識が不十分なものや偏ったものであったとしたらどうでしょう。

例えば、「科学の目で見る食品安全」では、化学物質のADI(一日摂取許容量)について触れていますが、最近、「化学物質の影響を敏感に受ける胎児期や幼児期の安全基準とはなりえない。」ことが指摘されています。
このことについては、パンフレットには書かれていません。

また、遺伝子組み換えについては、過去にこのブログでも紹介しているようにいろいろな問題が指摘されていますが、紹介した農林水産省のリーフレットでは触れていません。
前述の朝日新聞では、日本消費者連盟が農水省に「社会的にまだ賛否が定まっていない遺伝子組み換え食品を取り上げ、なおかつ異論に触れておらず、フェアではない」(山浦康明事務局長)として抗議文を出しています。

この抗議によるものかどうかは不明ですが、農林水産省の「農林水産技術会議」の「遺伝子組換え技術の情報サイト」は、「本サイトは現在見直し中です。」となっています。

公的機関が発信する情報は特に偏ったものとならないよう留意すべきであり、私たちも国民として監視していく必要があります。
また、発信される情報の中には、発信者の思惑に沿った偏ったものもあることを認識しておくことが必要です。


【主な参考文献等】
・「食の安全に科学の目」行政・民間、小中高生に教材(朝日新聞2010.5.7)

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クローン牛研究、複製を中断

2009年12月25日 | 食生活等
国内の体細胞クローン牛の研究が、曲がり角を迎えています。

12月19日(2009年)の南日本新聞によると、国内の自治体が運営する研究機関のなかで最多となる51頭の「体細胞クローン牛」を複製してきた「鹿児島県肉用牛改良研究所」が、今後の複製を中断しました。
同研究所に残っているのは、2008年12月に生まれた1頭のみとなりました。

ブログ下段の【ブログ中のクローンに関する記事】にもあるように、これまで「クローン」について何回かとりあげてきました。
クローン技術には、「受精卵クローン技術」と「体細胞クローン技術」の2通りの技術がありますが、「体細胞」の場合、クローンを作出したい家畜の皮膚や筋肉などの体細胞を培養してドナー細胞として利用するために、生産頭数にほとんど制限がないという利点があります。
しかし、過去ブログにも書いたように、『死産・生後直死、病死』の占める割合は、受精卵クローン牛よりもかなり高く約55%となっています。

今回、鹿児島県の研究所で体細胞クローン牛の複製を中断した理由については、下記の2点があげられています。

・食品の安全に関して、消費者の不安が払拭されない。
・畜産農家が種牛造成に関して、従来の「産肉能力検定(間接検定)」を信用しており、クローン技術の理解が得られない。


※産肉能力検定(間接検定)
肉の色や脂肪の交雑具合は実際にその牛を殺してみないと確認できないので、種牛のかわりにその子を殺して、その肉や脂肪から間接的に種雄牛の遺伝的能力を推定する方法。

これらの理由から、現状では商業ベースに乗りにくいと判断されたわけです。
しかし、過去ブログで書いたように、1月19日(2009年)には、内閣府食品安全委員会の専門家作業部会が、体細胞クローン技術でつくられた牛と豚は「一般の繁殖技術で生産した牛・豚と同じ安全性を持つ」との報告書を発表しているように、「商業ベース」に乗れば流通できる条件は整っているといえます。食の安全性の見地から引き続き注意が必要です。


【ブログ中のクローンに関する記事】
クローン家畜流通の時代がやってくる?(2008.6.9)
クローン食品は安全か?(2008.6.16)
ついに体細胞クローン牛・豚が流通か?(2009.2.10)


【主な参考資料】
・「クローン牛 曲がり角」南日本新聞 2009.12.19

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成型肉と結着剤から健康を考える

2009年09月14日 | 食生活等

ステーキレストランの「ペッパーランチ」で成型肉の「角切りステーキ」を食べた客数人が、腸管出血性大腸菌O157による食中毒になったという事件が発生しました。

成型肉は、低価格のステーキを提供しているファミリーレストランの多くで使われています。
成型肉は、フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』の「成型肉」によると、次のようなものです。
成型肉は、細かいくず肉や内臓肉を軟化剤で柔らかくして結着剤で固め、形状を整えた食肉。牛肉の赤身に牛脂や食品添加物などを注射した、「インジェクション加工」と呼ばれる処理を施した牛肉も含まれる。

軟化剤や結着剤には、牛乳由来のカゼインナトリウム、カラギーナン、アルギル酸塩、アルカリ製剤などが使われています。また、外食企業や関連の業界で組織された日本フードサービス協会では、会員の外食企業に、成型肉の表示方法として「やわらか加工」「霜降り加工」などの表現を勧めています。(ウィキペディア「成型肉」より)


成型肉は、加工の過程で原料の肉を細かくするために、表面に付着した細菌類が肉の内部に入り込んでしまいます。このため、肉の焼き方が不十分で内部の細菌類が死滅しないと食中毒菌などの影響を受けることになり注意が必要です。

また、成型肉の製造に軟化剤や結着剤として使われている添加物には、次のような特徴があります。

カゼインナトリウム:アイスクリームやパン、菓子・ソーセージなどにも使われている合成物質です。急性毒性試験ではLD50(半数致死量)が400mg/kgとのデータがあり、急性毒性が強い食品添加物とされています。(半数致死量:実験動物の体重1kg当たりに投与した場合、その半数が死ぬ量)

カラギーナン:ジャムやゼリー、アイスクリームや水産物の練り製品などにも使われていますが、毒性が強く発ガン性があるとされています。


食品は、一般的に加工の過程が増えるほど使用する添加剤が増える傾向にあり、食品添加物の健康に与える影響についても注意が必要です。「食品添加物」については、過去ブログのカテゴリ「食品添加物・化学物質」も参照して下さい。

前述した「やわらか加工」や「霜降り加工」の表示では、「成型肉」とわからない人も少なくないと思われ、今後、表示方法についても検討してもらいたいものです。

また、肉食の増加は環境にも大きな負荷を与えていますが、これについては下記の過去ブログもご覧ください。
肉食の増加と環境・健康の問題
肉食の増加と環境・健康の問題2


【主な参考文献】
・フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「成型肉

・食品・化粧品危険度チェックブック (体験を伝える会 添加物110番編)
改訂版 食品・化粧品危険度チェックブック
体験を伝える会添加物110番
情報センター出版局

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意図的に歪められた食の安全

2009年08月06日 | 食生活等

今、世界的な大きな流れが、食の危機を加速しています。
これは、単純な食糧不足による危機ではありません。

食をめぐる問題にはさまざまなものがあって、それらが互いに関連して複雑に絡み合い、よりいっそう深刻なものにしています。
いくつか例をあげると、

①世界人口の増加による食糧需要の急増
②一人当たりの穀物消費量の急増(畜産物や乳製品の需要が急増)
③穀物収穫面積拡大の限界と単収の伸びの鈍化
④世界的干ばつの増加
⑤食糧市場とエネルギー市場の競合
⑥極めて低い主要農産物の貿易比率
⑦穀物メジャーの勢力拡大
⑧穀物などへの投機マネーの増加による価格の高騰
⑨遺伝子組み換え作物の増加(安全性の不安)
⑩農産物や食品への禁止薬物(農薬、抗生物質等)の混入
⑪食品添加物多用による健康上の問題
⑫農業従事者の高齢化(特に日本) など

このうち①~⑦は、食糧の量の問題であり、過去ブログ「迫りくる食糧危機~これだけの理由~」で紹介しています。

また、上記以外で今大きな問題となりつつあるのが、アグリバイオ関連企業による農業の独占化です。
アグリバイオとは、アグリカルチャー(農業)+バイオテクノロジー(生物工学)の略であり、アグリバイオ関連企業とは、生物工学によって得られた知識・技術をもとに、農業分野で事業を行っている企業の総称といえるかと思います。

現在勢力を拡大しているアグリバイオ関連企業には、モンサント社(本社:米国ミズーリ州)やバイエル社(ドイツ)、デュポン社(米国デラウェア州)などあります。
これらは、もともとケミカルメーカーだったものが企業買収を繰り返して、アグリバイオ企業となったもので、種子や農薬などの分野で寡占化を進めています。

たとえばモンサント社は、遺伝子組み換え(GM)技術を用いて、除草剤に対して耐性をもつ作物HRCs(Herbicide Resistant Crops)の種子と除草剤ラウンドアップを一式で販売しています。
ラウンドアップは世界中で最も買われている除草剤で、その売上高は毎年のように増加しています。

また、米国は1998年に、遺伝子そのものに対して特許を認めたため、GMの種子の他、一般の種子についても特徴的な遺伝子を見つければ特許の申請ができるようになりました。

このため、きわめて少数のアグリバイオ関連企業が、農業の根本的な部分を牛耳る時代となりつつあります。
それでは、前述のモンサント社はなぜこのような仕組みを作り上げることができたのでしょうか?

それは実は、政府機関であるアメリカ食品医薬品局(FDA)とアグリバイオ関連企業(モンサント社)による人事交流によって作り上げられたのです。FDAと民間企業を、まるで「回転ドア」を通るかのように転職を繰り返すことで、民間企業に有利な仕組みを政府機関が作っていったのです。この過程で、その意図に反対する純粋な研究者の多くが排除されています。

過去ブログ「遺伝子組み換え食品は安全か?
で取り上げた、遺伝子組み換え作物・食品の安全性を評価する指標の「実質的同等性」という概念も、同様の過程を経た産物のひとつです。

これを詳しく紹介したのが下記の映像です。
Googleビデオ「巨大企業モンサントの世界戦略(前編) 遺伝子組換 バイオテクノロジー


Googleビデオ「巨大企業モンサントの世界戦略(後編) 遺伝子組換 バイオテクノロジー


また、安田節子氏の下記の本も参考になります。

自殺する種子―アグロバイオ企業が食を支配する (平凡社新書)
安田 節子
平凡社

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これらを見ると、人類の存続そのものに大きな影響を与える世界的な食の危機は、民間企業と国家権力による『意図的に歪められた食の安全』ではないかと思います。

【主な参考文献】
・自殺する種子―アグロバイオ企業が食を支配する 安田節子著 平凡社



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中国産食品の安全性は高まったか?

2009年07月26日 | 食生活等

これまで、中国産の野菜や魚介類、冷凍食品などから、残留基準値以上の農薬や抗菌剤が検出されたり、検出されてはならない農薬等が混入していた事件がたびたび起きてきました。
これらの度重なる事件を受けて、日本の消費者は中国産食品の購入を敬遠するようになったと言われています。


本当に、私たちの食生活から中国産の食品が減ったのでしょうか?

答えは
「以前よりは減ったけれども、まだまだ多い」
ということでしょう。

財務省の貿易統計「主要地域(国)別商品別輸入をみると、2008年に中国から輸入した食料品の数量と伸率(前年対比)は次のようになっています。

・魚介類 : 464,272トン(-15.0%)
・肉 類 : 188,905トン(-38.1%)
・穀物類 : 344,565トン(-70.6%)
・野 菜 :1,259,436トン(-18.5%)
・果 実 : 362,528トン(-19.5%)

(このうち、穀物類は2007年が前年対比で約53%も増えており、その影響で昨年のマイナス幅が大きいと思われます。)

一方、農林水産省の「農林水産物輸出入概況」(2008年確定値)によると、中国から日本への輸入農産物量は、米国に次いで2位(全輸入農産物の11.2%)、水産物量は1位(全輸入水産物の16.8%)となっています。(いずれも金額ベース)
また、中国からの輸入が第1位の食品には、次のようなものがあります。

(「農林水産物輸出入概況」から抜粋)
・ソーセージ類
・天然はちみつ
・動物の胃・腸・ぼうこう
・そば
・果実・缶びん詰め(調製)
・野菜(生鮮、冷蔵、乾燥)
・野菜缶・びん詰類等
・チューインガム
・クッキー・ビスケット・クラッカー
・ワッフル・パイ・ケーキ
・米菓(あられ・せんべい)
・茶・マテ
・香辛料
・うなぎ(活)
・さんま(冷凍)
・ふぐ(生・蔵・凍)
・はまぐり(活・生・蔵・凍)
・ホタテ貝(活・生・蔵・凍)
・あさり(活・生・蔵・凍)
・うなぎ(調製品)  など

このうち野菜については、品目別で1位のものとして「たまねぎ、にんにく、ねぎ、結球キャベツ、にんじん・かぶ、サルシファイ・大根等食用の根、まつたけ、しいたけ」(いずれも生鮮、冷蔵)、「たけのこ、ぜんまい」(いずれも乾燥)などがあります。


私たちは、これらの多くを「中国産」という表示義務のない食品として、知らず知らずのうちに食べています。
レストランの料理や、スーパー等で販売されている惣菜や弁当など、原産地表示がされていない食品には、中国産がかなり含まれている可能性が高いといえます。

それでは、
中国産食品の安全性は高まったのでしょうか?

中国政府は、2003年に国家食品薬品監督管理局を設立して、食品の安全性の監視を強化するなどの努力をしています。また、本年(2009年)6月1日には食品安全法が施行され、食品の製造方法に関して、生産者のリスク監視義務や安全性が証明されていない添加物の使用禁止などを規定しました。しかし中国産食品の安全性の問題は、法律を施行し監視を強化したからといって、簡単に解決するほど単純ではありません。

中国における食品の安全性を脅かす要因として、フリー百科事典『ウィキペディア』の「中国産食品の安全性」の項では、次のような点をあげています。
・農作物、家畜を生育する水源・土壌の汚染
・家畜の飼育基準の不徹底(不衛生な生育環境、家畜育成用抗生物質の乱用など。)
・農作物を育てる際の不適切な農薬の使用(他国では既に使用禁止されている農薬の使用・不適切な使用量)
・製造・加工過程でのモラルの低下、不良品の混入
・食品添加物・内容物の偽装
・政府等公的機関における問題

このうち、『政府等公的機関における問題』については、食品の安全性を監視している機関が国務院下におよそ10部局もあり、職務の重複や責任の分裂など不透明な部分が多いことを指摘しています。

これらの理由を見るだけでも、中国産食品の安全性にはまだまだ不安が残ります。
経済発展に伴うさらなる環境悪化や水不足などを考えると、農産物の生育環境や食品加工場の環境はますます悪化することが予想されます。このため、外食やスーパー等での食品の購入には十分な注意が必要です。

ただ、中国国内の消費者もできれば安全なものを食べたいと思っており、インターネットの利用などで客観情報も入手しやすい環境となって、国家の情報操作などで食の安全に係る事件や事故を隠蔽しにくい状況になってきています。
これらの流れが良い方向に向かって、安全な食品が生産・加工されて輸入されることを望みたいと思います。



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魚離れがさらに加速

2009年05月19日 | 食生活等
過去ブログ「日本人の魚離れと健康・環境(2007.5.30)」では、平成7年から16年までの1人1日当りの魚介類の摂取量はすべての年齢階級で減少している一方、肉類の摂取量は総じて横ばいであるということを紹介しました。
この中で、「水産物の持つ栄養素」や「魚類の消費量減少の原因」、「漁業を取り巻く問題」等についてもふれました。


政府は、5月15日(2009年)に2008年度の「水産白書(水産の動向)」を閣議決定して、その内容を公開しました。
水産庁 水産白書(http://www.jfa.maff.go.jp/j/kikaku/wpaper/index.html)
(サイト内の「平成20年度全文」、「平成20年度概要」が今回公表分です。)

これを見ると、前述の去ブログで取り上げた水産に係る問題は、ますます悪化の一途をたどっていることが伺えますが、これを食生活の観点から見た場合、下記のような変化が起こっています。

「平成19年度に、1人1日当たりの肉類の摂取量が、魚介類の摂取量を上回った。
  (1人1日当たりの摂取量→肉類:82.6/g、魚介類80.2/g)

この、魚離れの傾向は、すべての年齢層で加速しています。
魚離れの原因は、
・調理上の問題(調理が面倒くさい。時間が無い。)
・子供が骨のある魚を嫌がる。
・生活スタイルの変化(孤食化が進み、調理の簡単な肉料理が好まれる。)

などが上げられます。

白書にも書かれているように、魚介類の摂取量の減少は、これに含まれるDHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)など、胎児や子供の脳の発育に有用な機能性成分の摂取量の減少につながります。

一方、肉食の増加は、健康や環境の悪化に影響を与えます。
これらの詳細については、下記の過去ブログを参照してください。

バランスのいい食事とは?
肉食の増加と環境・健康の問題
肉食の増加と環境・健康の問題2

また、地球環境の悪化で、魚介類を食べる際にも注意が必要です。
これについては、過去ブログ「魚の食品としての安全性」を参照してください。
特に、白書で見るように海面漁業が減少し、海面養殖業が増加している現状では、養殖業の環境に与える影響や、生活排水などの養殖魚に与える影響なども考慮する必要があります。


※お知らせ
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人を良くすると書いて『食』

2009年04月06日 | 食生活等
車を運転中に、よくラジオを聴いています。
ほとんどNHKですが、最近のNHKラジオはおもしろくてタメになる番組が多くなったように感じます。

中でもオススメなのが「ラジオビタミン」です。
NHKラジオ第1放送で毎週、月~金曜日、8:30~11:50に放送されており、聴かれている方も多いのではないかと思います。

この番組では「ときめきインタビュー」というコーナーで、さまざまな分野で活躍している人が出演しますが、先日(2009.4.2)の桐山 三智子(片品生活塾 主宰)さんの話は特に感動しました。

桐山さんは、横浜生まれ横浜育ちで、24歳まで東京・渋谷のアクセサリー雑貨店で店長をしていたそうですが、同僚の結婚・出産や自身の食生活等に起因したアトピー性皮膚炎が、人生を見つめなおすきっかけとなったとのことです。

この桐山さんが、自身の人生について考え、いろいろな本を読んだ時に出会ったのが、『食という字は「人を良くする」と書く』という言葉だったようです。そして、この言葉や食料自給率の低さ(39%)などの現実がきっかけで、インターネットで探した群馬県片品村のペンションで住み込みで働き始め、その後、農業に転じて地元のお年寄りに教わりながら、無農薬野菜や味噌を作ることになったようです。

24歳で食の大切さを知り、周囲の反対を押し切ってまで自身の思った全く未知の分野に足を踏み入れた行動力には感心します。インタビューでは何の気負いもなく、自分の思った道を地道に進んでいくという、自然で実直な姿勢が感じられました。

そして、現在30歳になった桐山さんは、「いいお母さん」になって片品村のお年寄りの豊かな生活を次の時代に伝えていきたいといいます。そのひとつとして、農業を体験したい若者を受け入れるなどの活動もしておられます。

片山さんは「片品生活塾」というブログで日々の生活などを発信しています。
是非ご覧ください。


★★★★

片山さんがNHKラジオに出演された日には、朝の番組で農政ジャーナリストの加倉井弘氏が、食料自給率のアップに関してさまざまな実現が難しい方法を紹介しながら、最終的に「消費者自身が国産品を買う努力をする」ことが最も大切だと強調していました。

政府が、WTO農業交渉でいくら市場の開放を迫られても、消費者が自ら進んで安全で安心な国産品を購入する分には、全く問題ありません。そしてそのことが、日本の農業を再生させ、食料自給率向上につながる最良の方法だと思います。

★★★★



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安全とコスト低減のトレードオフに悩む外食産業

2008年11月06日 | 食生活等
たび重なる食料品等の値上げは、消費者の外食離れを加速しています。これにさらに追い討ちをかけるように、先日(2008年10月20日)、イタリア料理専門のファミリーレストラン「サイゼリア」で、中国の金城速凍食品が製造したピザ生地からメラニンが検出されました。

今回の事件を受けて、大手外食産業のロイヤルホストでは、中国産加工食品の使用を全面中止すると発表しました。また、他の外食産業でも中国産食材の使用中止や低減の検討をはじめています。

外食産業ではこれまで、食材のコストを下げるためにそれらの多くを原価の安い中国産に頼っており、今後、コストの増加は避けられません。ただでさえ、外食産業を取り巻く環境は厳しい上に、コスト上昇分を商品に転嫁すると更なる客離れの要因となります。このため、前述の大手外食産業などでは、企業の経営努力でコスト上昇分はなんとか吸収して、極力販売価格のアップは行わない方針のようですが、そのしわ寄せはそこで働く従業員への負担増へとつながる可能性が高くなります。

外食産業は、今で以上に『安全』『コスト低減』のトレードオフに悩まされることとなりそうです。

なお、(独)農畜産業振興機構の野菜の輸入動向によると、生鮮野菜の輸入は、中国製冷凍ギョーザ事件の影響で5月(2008年)には対前年比で61%まで下がりながら、翌月には前年並みまで回復しています。その多くが業務用としての需要であると思われますが、食品業界では、消費者心理をみながら原料コスト削減のために中国産などの安い野菜に頼らざるを得ないのが実情のようです。

また、最近の傾向として、外食を控える人が増えている一方で、惣菜や調理済み食品などのいわゆる中食の購入は増えています。これらの商品は産地表示がないものがほとんどで確認できませんが、多くの中国製の食材が使われていることを認識しておく必要があります。



【主な参考文献等】
「中国産加工食品の使用「ロイヤルホスト」全面禁止」J-CASTニュース
・「野菜の輸入動向」独立行政法人農畜産業振興機構 2008年10月
・「データからみた外食産業を巡る状況と今後の展開」
 (財)外食産業総合調査研究センター 主任研究員 堀田宗徳 平成20年3月25日

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製品偽装より怖い原料偽装(汚染米ビジネス)

2008年09月11日 | 食生活等
三笠フーズ(大阪市)による事故米の不正転売は、多くの企業、消費者に影響を与えています。この事件は、三笠フーズが基準値を超えた農薬やカビ毒が検出された事故米を、工業用のりなどの原料として安い価格で購入しながら、食用として不正転売したというものです。

9月10日(2008年)現在で判明している「三笠フーズによる事故米穀横流しの流通経路」は、農林水産省のサイトで確認できます。
三笠フーズによる事故米穀横流しの流通経路(農林水産省)

これをみると、三笠フーズは政府や商社、福岡県内の米穀販売業者から800トンの事故米を購入しています。三笠フーズが不正転売した業者のうち早い段階で公表されたのは、鹿児島県や熊本県内の酒造業者ですが、これは、直接または仲介業者1社を介しての販売で業者の特定が容易だったことが大きな理由です。
これに対して、菓子製造業者や食材卸業者が購入した分については、流通過程で多くの業者が介在しており、その特定や解明に時間を要しています。

今回の汚染米ビジネスが、これまでの「うなぎの産地偽装」や「食肉の産地偽装」などの食品偽装と異なるのは、食品原料の段階で不正が行われたということです。このように、食品製造のスタート地点である原料の段階で不正が行われると、その影響はかなり広範囲に及ぶこととなります。また、流通経路や加工段階が増えれば増えるほど、その原因の特定は難しくなります。

農林水産省は、今回の事故米の不正転売事件に伴って、同様の事故米を購入した業者を対象として、全国一斉点検を行っています。
対象事業者全国一斉点検対象事業者

この一斉点検で農水省は、新たに愛知県内の2社が国との契約で定められた使用目的(工業用のり原料)以外に使用していたことを確認したとして公表しています。今後の調査でその詳細が明らかになることと思います。
事故米穀の全国一斉点検における確認状況について

この際、農水省は徹底的な調査を行ってほしいと思います。これまでの同省の立ち入り検査は、検査日を事前に連絡する方法で行われており、これでは不正を行っている業者に隠蔽工作の時間的猶予を与えているようなものです。

食の安全、安心を第一に一生懸命に努力している業者がいる一方で、残念なことに、「稼ぐが勝ち」的な発想の経営者が少なからずいるのが現実です。今回の汚染米を焼酎原料に使用した焼酎業者の中には、より品質のよい米を手に入れるために従来の原料よりも高くで購入した結果、被害者となったところもあります。悪徳業者は、取引先も消費者も欺いていたということになります。

食の安全・安心を考えた場合、そのおおもととなる食品素材(原料)そのものの安全性がもっとも重要視されます。そのため、食品偽装とは異なりますが、安全性に疑問を残しながらも海外での生産や国内への輸入が急増している「遺伝子組み換え作物」についても、もっと議論されるべきではないかと思います。(「遺伝子組み換え作物・食品」については、過去ブログをご覧ください。)



【主な参考文献等】
・三笠フーズによる事故米穀横流しの流通経路
・対象事業者全国一斉点検対象事業者
・事故米穀の全国一斉点検における確認状況について


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ついに遺伝子組み換えの畜産飼料に変更!!

2008年06月29日 | 食生活等
鹿児島県を中心に編集・発行されている南日本新聞の6月26日付(2008年)朝刊で、『畜産飼料変更へ コープかごしま 産直豚、鶏、卵』が掲載されました。

日本が輸入トウモロコシのほとんどを依存している米国で、遺伝子組み換えの比率が73%(2007年実績)に急拡大した結果、遺伝子組み換えでない飼料トウモロコシの入手が難しくなったため、『生協コープかごしま』が畜産飼料を遺伝子組み換えのものに変更するというものです。

変更の時期は、下記のとおりです。
 ・卵:2008年7月以降
 ・豚肉:2008年8月以降
 ・鶏肉:2009年4月以降


ちなみに、『コープかごしま』の組合員数は255,000人で、産直豚8戸、鶏32戸、卵5戸の生産者が指定されています。


過去のブログでも書きましたが、世界全体の主要農産物の貿易率は極めて低く、2004年実績で、小麦17.3%、米7%、とうもろこし10.2%、大豆27.3%となっています。そしてこれらの輸出国と輸入国は特定の少数の国に限定されています。中でも、日本はとうもろこしの最大輸入国であり、その96%を米国に頼っています。(2006年実績)
なお、これまでのブログで書いてきたように、日本が輸入している穀物用トウモロコシの少なくとも50%程度は遺伝子組み換えのものと思われます。そしてこの比率は今後ますます大きくなることは確実です。

前述の新聞記事では、コープ鹿児島専務が組合員の消費者らへの飼料の仕様変更報告会で「安定した量と品質、価格で供給し続けられるか、産直生産者が再生産できるかどうか考え、やむをえない判断をした。原料事情が好転すれば見直したい」と説明したとあります。

これでも明らかなように、消費者が求めているのは非遺伝子組み換えのものであるにもかかわらず、入手困難と価格高騰で、『背に腹はかえられない』というのが実情です。また、バイオ燃料との競合などでトウモロコシの価格が高騰している上に、非遺伝子組み換えトウモロコシの価格は、遺伝子組み換えのものよりもさらにトン当たり3,000~3,500円(原料ベース)も高くなっています。(トウモロコシを主体とした配合飼料は、2008年4月現在でトン当たり約63,000円で1年半前の43,000円から50%近くも値上がりしています。また、2008年6月に米国最大の穀倉地帯の中西部で起こった豪雨で、更なる価格高騰が予想されています。)

残念なことに、穀物用トウモロコシのほとんどすべてを輸入に頼っている現状では、今後、原料事情が好転することはほとんど望めません。
遂に、消費者が好むと好まざるとにかかわらず、遺伝子組み換え食品を食べざるを得ない時代が来たということでしょう。もはや、これを回避するには、自給自足の生活しかないのかもしれません。

『人口増加』、『食糧とバイオ燃料の競合』、『自然災害の増加』等で食糧不足が深刻になればなるほど、さまざまな面で安全や安心よりも量の確保が優先される時代が来ることが危惧されます。


※※参考※※
スターチ(デンプン)最大手の日本食品化工も、本年(2008年)2月から国内の飲料メーカー等に、米国産の遺伝子組み換えトウモロコシを原料とするコーンスターチの供給を開始しています。同社では、年内に調達予定の20%程度を遺伝子組み換えのものでまかなう計画です。(産経ニュース「穀物価格高騰に対応 遺伝子組み換えトウモロコシを輸入 食料原料に供給開始」より)



関連記事
  1.遺伝子組み換え食品最大輸入国日本(2007.02.26)
  2.身近にある遺伝子組み換え食品(2007.03.05)
  3.遺伝子組み換え食品は安全か?(2007.03.11)
  4.遺伝子組み換え食品の安全性と対策(2007.03.17)
  5.遺伝子組み換え食品がはびこる時代(2008.04.14)

【参考文献】
・南日本新聞2008.6.26「畜産飼料変更へ コープかごしま 産直豚、鶏、卵」
・南日本新聞2008.5.26「農家ら畜産の窮状訴え」
・産経ニュース2008.4.18「穀物価格高騰に対応 遺伝子組み換えトウモロコシを輸入 食料原料に供給開始」


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