環境と体にやさしい生き方

環境の悪化は生物系全体に大きな影響を与えています。環境と体にやさしい健康的な生活を考えるための新鮮な情報を紹介します。

少食が免疫力を増強(追記)

2011年10月26日 | 食生活等
医学の進歩はめざましく、新しい医療技術が次々と開発されているにもかかわらず、病気になる人は減るどころか益々増えています。
これには、複数の原因が複雑に絡み合っていると考えられますが、中でも大きな問題のひとつに、個々の人間の免疫力が低下していることがあげられます。

免疫力が低下する要因としては、食品添加物や農薬、合成化学物質、空気や水の汚染など、さまざまなものが考えられますが、私たちが日常的に正しいと思い込んでいる食生活にも大きな問題が潜んでいるようです。
それは、食事の回数や量の問題です。

確かに、これまで多くの医療や食にかかわる専門家の方々が指摘しているように、「健康を保つには腹八分」がいいということは、ほとんどの人が理解しています。
しかし、「言うは易し、行うは難し」で、ついつい食べ過ぎてしまう人が多いのではないでしょうか?


過去(2008年2月)に発刊された関連本のうち、石原結實氏の「食べない健康法」は大変参考になります。。
これには、1日3食よりも2食あるいは1食の方が健康に良いこと、少食には次のような多くの効用があることを書いています。

【少食の効用】
・老化の進行が抑えられ、寿命が延びる。
・ガンになるリスクが軽減する。
・免疫力が高まる。
・加齢に伴う疾患の原因となる活性酸素の発生が抑えられる。
・心臓の働きが強化される。
・炎症性疾患のリスクが低くなる。
・大・小便の排せつがよくなる。
・体のだるさがとれる。
・ストレスに強くなる。
  など

特に本書ではガンについて、1960年代にドイツのガン学者イセルス博士の行った『食べたいだけの量の食物を与えられて育ったネズミは、2日おきに断食させられた動物よりも自然発生するガンが5.3倍も高い。』という動物実験の結果を紹介しています。

また、最近多くの人が水分補給の重要性を説き、過去ブログでも紹介しましたが、本書では水分の摂りすぎは「体を冷やし、血液が汚れる」他、メニエル症候群や偏頭痛、アレルギー、緑内障など多くの「水毒」を引き起こすと書いています。

私の身辺で、過去に、血液の病気や排せつにかかわる病気を患っていた人が、1日2リットル以上も飲んでいた水を減らしたところ、急速に症状が改善したことがありましたので、明らかな「水毒」だったのだと思います。


本書では、「空腹感は、血糖が下がることで脳の空腹中枢が感じる感覚」だとして、1日2食の基本食とし、朝は「食べないか、黒砂糖入り生姜紅茶など」、昼は「そば、うどん、軽いごはんや弁当など」、夜は「アルコールを含め何でも可」などとしています。詳細は本書「食べない健康法」をご覧ください。
本書では、少食で病気を治した人の手記なども紹介されており、健康を考える人にはオススメの1冊だと思います。


「食べない」健康法―コストゼロで今日からできる驚異の健康革命!
石原 結實
東洋経済新報社

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【追記】
先日、知人との会話の中で、「レスベラトロール」というものの存在を知りました。
調べてみましたら、参考となる動画がありました。

レスベラトロールは「寿命を伸ばす遺伝子」を活性化させる物質のようです。

この動画の中でも、動物実験を通じて少食の重要性を指摘しています。


レスベラトロールは、ダイエットと同じ効果をもたらすということで、すでに商品も出回っています。
前出の知人はこれを常用しているようです。
もっとも、個人的にはこのような商品にできるだけ頼らずに少食に努めたいと思いますが・・・
【高品質高配合】国産サプリメントPUR レスベラトロール no.07
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・ホームページ「環境と体にやさしい生き方」

※健康参考:首こり、肩こりのサイト
 よくわかる首こり、肩こり解消法

『環境と体にやさしい生き方』補完ブログ
35歳からの健康応援ブログ

犬のがんが増えている

2011年10月24日 | ペット
近年、餌や医療の充実によって犬の寿命が伸びてきていますが、それに伴ってがんの発症率も増加しています。

ペット保険のアニコム損害保険株式会社は、9月(2011年)に、「犬の腫瘍疾患の発症率を集計したところ、加齢とともに上昇し、7歳では10.1%、10歳では6頭に1頭にあたる17.5%が発症していることがわかった。」と報じました。

これは、同社が2008年に契約した0~10歳の犬(約217,000頭)のペット保険の保険金請求データを基に分析したものです。これによると、犬の種類によってがんになりやすさは異なっており、ゴールデンレトリバーのがん発症率が最も高く、15.4%となっています。

【犬種別のがん発症率】(アニコム損保保険による)
1位 ゴールデンレトリバー(15.4%)
2位 バグ(11.8%)
3位 ラブラドルレトリバー(11.6%)

4位 ミニチュアシュナウザー(9.1%)
5位 ウェルシュ・コーギー・ベンブローク(8.3%)
6位 フレンチブルドッグ(7.9%)
7位 シーズー(7.8%)
8位 ミニチュアダックスフント(5.8%)
9位 マルチーズ(5.5%)
10位 ヨークシャーテリア(5.4%)
11位 トイプードル(5.3%)
12位 キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル(5.2%)
13位 柴犬(4.0%)
14位 ポメラニアン(3.1%)
15位 チワワ(2.9%)

もっとも、ペット保険を契約したそれぞれの犬種の数にもよるので、発症率の高さだけで論じることは難しいかもしれません。
また、犬のがんの発症率は人間と同様の伸びを示しており、私は、寿命の伸びだけでなく環境の悪化など、他の要因も関係しているのではないかと考えています。


(我が家のゴールデンレトリバー)

ゴールデンレトリバーの毛に長年悩まされてきましたが、最近、便利な掃除機を見つけて大いに助かっています。
コードなしで、気づいたときに手軽に利用できて重宝しています。おかげでダイソンの掃除機を使う機会がめっきり減りました。
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愛犬のためのがんが逃げていく食事と生活
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※健康参考:首こり、肩こりのサイト
 よくわかる首こり、肩こり解消法

・ホームページ「環境と体にやさしい生き方」

北極のオゾンホールが示唆するもの3

2011年10月16日 | 環境問題

北極におけるオゾンホールの観測は、北半球でも南半球のオーストラリアなどと同様、子どもの紫外線量にもっと注意していく必要があるということを示しています。

オゾン破壊係数の高い特定フロン(クロフルオロカーボン:CFC)などの影響で、地表に到達する紫外線量が増加しています。紫外線には、波長の長い順に、UVA、UVB、UVCの3種類がありますが、それぞれには次のような特徴があります。

UVA:皮膚の深い部分まで届いて、長時間・大量に浴びると皮膚の老化を早め、健康に支障を来たします。UVAによる黒い日焼けは、サンタンとよばれます。

UVB:皮膚の表面や目に有害で、日焼けや皮膚がん、白内障の原因となります。UVBによる赤い日焼けは、サンバーンとよばれます。

UVC:人体に極めて有害です。

このうち、地表に達しているのはUVAとUVBです。特に、北極のオゾン層が薄くなることでUVBが増えてきます。

紫外線が年間で最も多いのは7~8月(冬季の3倍の量)ですが、冬季や雨天時・曇天時でも地表に到達します。紫外線の健康に与える影響を過小評価して、無頓着な人も多いようですが、もっと健康に与える深刻な影響を認識すべきです。

特に最近では、幼児期に浴びる紫外線の量が大人になったときの健康を左右するとも言われています。幼児は本人に紫外線の影響などの知識も無いので、大人が注意して対策を講じてやることが必要です。

保育園や幼稚園などでは、砂場に屋根をつけたり、園庭に遮光ネットを張るなどの方法で、施設上の対策を施しているところもあります。また、園児自身の服装についても、ツバが広く首の後部に「たれ」の付いた帽子や七分袖のシャツ、ひざ丈のズボンなどを着用させることで、紫外線からの防護をはかるところも多くなってきています。自宅でもこれらに準じた配慮が必要です。

毎日の紫外線情報は、新聞やテレビで予報されていますが、気象庁の防災気象情報・紫外線情報サイトでも公開していますので、参考になります。
この中では、下記のように紫外線が人体に及ぼす影響の度合いを、UVインデックスという数値で表しています。(環境省 紫外線環境保健マニュアル中の「UVインデックスに応じた紫外線対策」より)

1~ 2:弱い
3~ 5:中程度
6~ 7:強い
8~10:非常に強い
11+ :極端に強い

1~2:安心して戸外で過ごせます。
3~7:日中は出来るだけ日陰を利用しよう。出来るだけ長袖シャツ、日焼け止め、帽子を利用しよう。
8~11+:日中の外出は出来るだけ控えよう。必ず長袖シャツ、日焼け止め、帽子を利用しよう。


より詳しく紫外線について知りたい方は、環境省 紫外線環境保健マニュアル2008が参考になります。


【主な参考文献】
・環境省 紫外線環境保健マニュアル2008(http://www.env.go.jp/chemi/uv/uv_manual.html)
・読売新聞 2008.7.6 外遊び 紫外線注意



・ホームページ「環境と体にやさしい生き方」

※健康参考:首こり、肩こりのサイト
 よくわかる首こり、肩こり解消法

北極のオゾンホールが示唆するもの2

2011年10月11日 | 環境問題
前回は、北極のオゾンホール観測で、北半球でもオゾン層の深刻な破壊が進んでいることが明らかになった事実等を紹介しました。

今回は、オゾン層破壊によって紫外線の地表への照射が増加する影響について書きます。

紫外線には、UV-A、UV-B、UV-Cの3種類がありますが、このうちUV-Bは、皮膚や目に有害で日焼けや皮膚がんの原因になります。また、UV-Aは、UV-Bほどの害はありませんが、長時間浴びると健康に支障を来たすと言われています。

紫外線量が多いのは5~9月(8月がピーク)ですが、秋晴れで戸外での活動が多いこの時期にも注意が必要です。

黄色人種である日本人は白人と比べて皮膚のメラニンが多いので、紫外線に対する防御機能は白人よりも高いという特徴があります。しかし近年、日本人でも皮膚がんの発生率が高くなっています。

最近、紫外線を極力避けるために、夏でも長袖の衣服やツバ広の帽子を利用している人も多くなっていますが、まだ無頓着の人も多いようです。これは、皮膚がんの多くが、紫外線の永年の蓄積によるもので、すぐに発症する病気ではないことが大きな理由のひとつだと思われます。また、皮膚がんに対する基本的な知識が不足していることも関係していると考えられます。

【紫外線の影響による皮膚がんの種類】
紫外線の影響で発症する主な皮膚がんの種類は、次のように分類されます。
(国立がんセンター 皮膚科医長 山本 明史氏のインタビュー記事を参考に分類、説明しています。)

・基底細胞がん
日本人に最も多い皮膚がんで、主に日光にさらされやすい頭や顔の表皮の下層部にできるがんです。長期にわたって紫外線を浴びたことによって引き起こされ、60歳代以上の人が約70%を占めているといわれています。ほとんど転移しないがんですが、放置していると筋肉や骨に転移する場合もあります。

・有棘(ゆうきょく)細胞がん
基底細胞がんに次いで多い皮膚がんです。近年、有棘細胞がんの前駆症である「日光角化症(にっこうかくかしょう)」になる高齢者が増えています。これは、長期的に顔や手の甲などに日光を浴びることでできる直径5ミリ~3センチ程度の紅褐色の皮疹です。紫外線によって皮膚細胞のDNAが損傷して発症するといわれており、通常痛みを伴わないので、そのまま放置している人もいるようですが、20~30%ほどの確率で有棘細胞がんに移行するようです。
以前テレビでも、永年農業に従事している人が発症したケースが報道されていましたが、長期にわたる紫外線照射の蓄積が主因のため高齢になるほど発症しやすくなり、60%が70歳以上です。

・メラノーマ(悪性黒色腫)
最も悪性の皮膚がんで、皮膚の色素細胞やホクロ細胞が悪性腫瘍に変化して発症すると推測されていますが、その詳しいメカニズムはわかっていないようです。
成人してからできたホクロで急に5ミリ以上に大きくなった場合には注意が必要です。日本人には、日光の直接当たらない足の裏や爪に発生する場合も多いようです。

【皮膚がんの治療】
皮膚がんは早期の発見、治療で完治することが可能です。皮膚がんの種類や程度に応じて、塗薬による治療、切除等がありますが、異常を発見したら速やかに専門医にみてもらうことが大切です。

【紫外線から体を守る方法】
皮膚がんにならないようにするには、日常生活ので紫外線への注意が欠かせません。
紫外線量は、曇りの日や木陰でも晴れた日の60%程度あるといわれており、完全に紫外線の影響を避けることは不可能ですが、予防措置としては以下の方法があります。

・年間では、紫外線量の多い5~9月(8月がピーク)、1日では10:00~14:00頃の屋外での活動を控える。

・白い衣服は紫外線を反射しやすいので、吸収しやすい黒や紺、赤などの濃い色の衣服を着用する。色の濃い服でも薄いものは紫外線が通過しやすい。(しかし、濃い色の衣服は熱も吸収しやすい。)紫外線を最もカットするのはポリエステル生地のもの。

・日傘も衣服と同様の色や生地のものがよい。横からの照射を避けるために低くさして使用する。

・帽子や手袋を使用する。帽子はつばの広いものや首の裏側が隠れるものがよい。

・UVカットのメガネやサングラスを使う。

・日焼け止めを利用する。

 ※「日焼け止め」については少々説明を加えます。

【日焼け止め利用時の注意事項】
・SPF(サン・プロテクション・ファクター)は、15~20程度がよいとされています。SPFが高いと日焼け止めが吸収する紫外線の熱量が多くなり、肌のトラブルやアレルギー性、突然変異性の危険性があるといわれています。また、妊婦に対しては、日焼け止めに使われている紫外線吸収剤(例:4メチルベンジリデンカンフル:4-MBC)や化学物質が胎児の健康に影響を与えるという研究結果もあります。
なお、アレルギー性の人は、無機系素材である紫外線散乱剤(酸化亜鉛、酸化チタンなど)がおすすめです。

・効果の時間を考えて利用することが大切です。たとえばSPF値が10の日焼け止めは、その人が何も塗らないで1時間で肌が赤くなる場合、これを使用することで10時間で同様の症状があらわれるということを意味しますが、スポーツ時など、汗で日焼け止めが流れてしまう場合には、より頻繁に使用することが必要です。

・使用後はきれいに洗い落とすことが大切です。

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【主な参考文献等】
・SAFETY JAPAN BPnet 国立がんセンター 皮膚科医長 山本 明史氏
 「紫外線のダメージを避け、皮膚がんを予防しよう」
環境省 紫外線保健指導マニュアル
・使うな、危険! 小若順一 食品と暮らしの安全基金 講談社
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・ホームページ「環境と体にやさしい生き方」

※健康参考:首こり、肩こりのサイト
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北極のオゾンホールが示唆するもの1

2011年10月10日 | 環境問題
これまで南極で観測されていたオゾンホールが、今年(2011年)の春に北極でも生じていたことが、日本や米国を含む9カ国の国際研究チームの調査によって明らかになりました。

北極上空で破壊されたオゾンは南極のオゾンホールに匹敵するほどの量ですが、もとの濃度が高いため現状では南極ほど深刻ではないようです。
しかし、今後、このオゾン層の破壊が北半球に住む私たちの生活にも大きな影響を与える可能性は否定できませんし、その兆候もあります。

そこで、今回から数回にわたって、「北極のオゾンホールが示唆するもの」と題して書いてみたいと思います。


大気中では、高度が高くなるほど太陽からの紫外線が強くなります。地上10~50kmの上空では、酸素分子がこの強い紫外線にあたって2個の酸素分子に分解され、その後直ちに周りの酸素分子と結合して酸素原子3個からなるオゾン(O3)となります。

このようにしてできたオゾン濃度の高い10~50kmの上空をオゾン層とよびます。
このオゾン層が生物に有害な紫外線を吸収して地表へ届く紫外線量を少なくしているのです。

1974年にカリフォルニア大学S.F.ローランド教授らによってフロンガスが成層圏のオゾン層を破壊させていることが報告され、イギリスのファーマンによって、1970年代の半ばから、年々、10月(南極の春の時期)の南極上空の成層圏のオゾンが減少していることが明らかにされました。
さらに、1982年10月には、気象研究所の忠鉢繁研究員が昭和基地上空のオゾンの減少を観測しています。

南極上空で観測されたこの現象は、NASAの人工衛星写真ではオゾンが無くなって穴があいたように見えるためオゾンホールと名付けられたのです。

このオゾンホールの面積の年最大値は、1989年以降、南極大陸の面積約1300万km2の1.5~2倍の範囲で推移しています。最近では、北極やチベットの上空でもオゾンホールが観測されています。

日本では、札幌・つくば・那覇・及び南鳥島でオゾン量の観測がなされ、1980年代を中心に減少(オゾンホールの拡大)傾向にありましたが、1990年代後半以降は増加傾向にあります。
一方で、地表に到達する紫外線量は、日本の観測地点を含む北半球中緯度のいくつかで、1990年以降増加しています。

フロンガスはこれまで主に、冷蔵庫やカーエアコンなどの冷却剤、スプレーなどの噴射剤、消火剤、ポリウレタンの発泡剤、電子部品などの洗浄剤に使われてきました。オゾン層破壊の原因は、フロンガスのうち塩素を含んだ特定フロンガスです。

フロンは、化学的、熱的にきわめて安定していますが、成層圏に達すると太陽の強い紫外線を受けて塩素原子を放出し、これが連鎖反応的にオゾン層を破壊するのです。特に、南極大陸の上空のようにきわめて温度の低いところではこの化学反応が起こりやすく、オゾン層の破壊が進んでいます。ひとつの塩素原子は1万個から10万個のオゾンを壊すことができるといわれています。

地球の温暖化によって対流圏から成層圏へ移行する熱エネルギーが低下して、成層圏の低温化が起こるとますますオゾン層の破壊を促進することとなります。

紫外線は、皮膚がんや白内障、免疫機能の低下などの健康被害を引き起こします。
1994年の国連環境計画(UNEP)の予測では、成層圏のオゾン量が1%減少すると、白内障の発症が0.6~0.8%増加し、皮膚がんの発症が約2%増加する可能性があるとしています。

また、海洋生態系のなかでも浅海域の動植物プランクトンに大きな被害をもたらし食物連鎖の崩壊につながります。そのほか、穀物などの農産物の減少も予測されます。

オゾン破壊係数の高い特定フロン(CFC)などの主要なオゾン破壊物質は、1995年末までに生産が全廃されました。
しかし、既に市場にある全量を回収することは容易ではなく、その多くが大気中に放出されています。さらに、放出されたフロンが成層圏に達するまでに数年から数10年かかると考えられています。

国際的には、オゾン層破壊の防止にむけ1985年3月に「オゾン層の保護のためのウィーン条約(1988年9月発効)」、1987年9月に「オゾン層を破壊する物質に関するモントリオール議定書(1988年9月発効)」が採択され、これらに基づいた取組がなされています。(CFCよりもオゾン層の破壊係数が小さいHCFCについては、議定書のスケジュールに基づいて削減が進められている最中です。)

日本もこれらの締約国であり、「特定物質の規制等によるオゾン層の保護に関する法律」(オゾン層保護法)を制定しています。これにより、モントリオール議定書で生産量及び消費量の規制対象となった物質を「特定物質」として指定し、製造数量の規制対象とするとともに使用事業者に対して排出抑制・使用合理化の努力義務を課しています。
また、フロン回収破壊法(2001年6月22日公布)に基づいてフロンの回収、破壊なども行われています。
 
【主な参考資料】
・「平成22年度オゾン層等の監視結果に関する年次報告書」(2011.8環境省)


・ホームページ「環境と体にやさしい生き方」

※健康参考:首こり、肩こりのサイト
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