環境と体にやさしい生き方

環境の悪化は生物系全体に大きな影響を与えています。環境と体にやさしい健康的な生活を考えるための新鮮な情報を紹介します。

グローバル化の一方で狭くなる関心の領域

2012年01月30日 | 国際問題
経済の広域化や交通機関の発達、情報の即時性・同時性等で、世界はますますグローバル化しています。
しかし、その一方で人々の関心の領域は狭くなってきています。

特に、経済の長期的な低迷に喘ぐなかで、多くの人々の関心はいかにして自分の生活を守るかに重点が置かれています。

確かに、環境意識の高まりや東日本大震災に見られる自発的なボランティア活動の増加などに見られるように、他を思いやり「きずな(絆)」を大事にしようという気運は高まりつつありますが、苦しい家計をいかにしてやり繰りするかといった目先の問題に多くのエネルギーを費やさざるを得ない人が圧倒的に多いのが現実です。

将来(老後)のことを考える余裕など無いという人もけっして少なくありません。
国民の生活を長期的視点から考えるべき立場の政治家さえも、次の選挙に当選するためにどう行動すべきかということに一生懸命な人が少なくありません。

日本の国債の発行残高は急増し、平成24年度末には709兆円に達し、地方債を含めると対GDP比195%、937兆円となり先進国では最悪です。

このような状況にも関わらず、未だにマニフェストを守ることにこだわり消費増税を阻止しようとする国会議員もいます。これは、次の選挙を控え、消費増税を主張すると次回の当選は危ういという危機感の表れであり、特に当選回数の少ない議員に反対派が多いことからも伺えます。

国際的に日本財政への信用不安が広がると、日本国債は暴落して金利は急上昇します。国の借金のためのコストが上昇すると、ますます財政は立ち行かなくなります。

10年物国債の利回りは、ギリシャ約35%、イタリア約7%に対し、日本は1%程度です。これは、日本国債の9割以上を国内の金融機関や保険会社が保有しており、海外の機関投資家の標的になりにくいからに他なりません。しかし、金利が1%上昇すると、1兆円を超える利払いが増加し財政を圧迫します。

比較的近い将来の危機を回避するためにとった施策が、新たな重大な危機を招いた事例もあります。
そのひとつが原子力発電です。

有限な資源である化石燃料の消費を抑え、地球温暖化の原因となる二酸化炭素の発生を抑制するためには、原子力発電が最良の方法であるとして多くの国が原発の増設を急ぎました。

しかし、東日本大震災が引き起こした大津波によって福島第一原発は将来にわたる深刻な放射能汚染の元凶となりました。目前にある問題を解決しようとした原発が、さらに大きな問題を引き起こしてしまう結果となったのです。

この地域で生活していた何の罪もない人たちが、放射能汚染の影響から逃れるために住み慣れた土地から離れざるを得なくなってしまったのです。

この原発事故によって、悪化する環境を改善しようと家庭から排出される廃棄物の分別に積極的に取り組んでいた人や、環境負荷を抑え健康に良いものを丹精込めて生産していた人々の地道な努力はいっぺんに破壊され、街の荒廃という取り返しのつかない結果を招いてしまったのです。

原発3法というアメで潤った財政でいくつも建てられた立派な施設が、すべて使用者のいない無用の長物となってしまった地域さえあります。

目先の喫緊の問題に関心を持つことは重要ですが、それだけにとどまらず、より広範な問題や将来的に懸念される事柄にも意識して関心を持つことが、私たち一人ひとりによりいっそう求められているのではないでしょうか。

幾何級数的成長の世界 残された時間は少ない

2012年01月17日 | 環境問題
人類の滅亡を「世界終末時計」という仮想の時計で表現している米国の科学誌「ブレティン・オブ・ジ・アトミック・サイエンティスク(Bulletin of the Atomic Scientists)」は、1月10日(2012年)に、滅亡までの時間をそれまでの6分から2年ぶりに「5分」に縮まったと発表しました。

「世界終末時計」については、下記を参照して下さい。
→ウィキ・ペディア「世界終末時計

この世界終末時計は、1945年に日本に原爆が投下されたことをきっかけに1947年にはじめて発表されました。当初は、核による脅威を主な要因としたものでしたが、1989年10月以降は、環境問題や地球温暖化問題など、その他の要因も判断の対象とされてきています。

今回、「人類の滅亡まで残り5分」に縮まった主な理由としては、東京電力福島第一原発事故による放射能漏れ、イランの核開発や北朝鮮の核実験などの核拡散、地球温暖化問題への対応の停滞などがあげられています。

現在、世界的に深刻で重大な問題が山積しています。そして、これらの多くの問題を解決していくための時間は、ますます残り少なくなってきています。

その大きな理由は、多くの事象が「幾何級数的」に成長しているからです。幾何級数的成長とは、あるものがその総量(または総数)に対して一定の割合で増加することを意味します。銀行に預けたお金が複利で増えていくことや、細胞が次々と分裂することなどがこれに当たります。

この「幾何級数的成長」を経済成長で考えると、年率10%の成長を続けると7年目で2倍に達することになります。この間、技術の発展等を考慮しないと仮定すれば、経済成長に必要な資源も7年で2倍に増えることになります。幾何級数的な考え方は、金融の世界や人口問題など、多くの分野にあてはめることができます。

耕作しなくなった農業用地が毎年2倍の速度で竹や草に侵食されるとしたら、4分の1が侵食された時点で、完全な荒廃地となるのにわずか2年しかかからないのです。荒廃地になってしまった後で、再び耕作可能な土地に復元するには多大な労力と時間が必要になることは明らかです。

財政危機にあえぐ日本は、国債への依存度を高め、2012年度末で国の借金残高は1千兆円を突破します。このままでは、国の財政は5年も持たないといわれています。財政悪化が引き金となって日本国債に対するリスクが高まる(このリスクも幾何級数的に高まる)と、ある日突然に日本経済が破綻する可能性さえあるのです。

このように、多くの問題が幾何級数的に変化し、それらの問題を解決するのに残された時間はきわめて少なくなっています。もしかすると、私たちが知らないうちに既に手遅れになっている問題もあるかもしれません。

今こそ、「幾何級数的成長」の意味を再考し、重要な差し迫った問題を優先順位を立てて解決していくことこそが求められています。そしてそれらの解決のためには、多少の困難も受け入れざるを得ないという覚悟も必要です。

【主な参考文献】
・ウィキ・ペディア「世界終末時計」
・「成長の限界」(ダイヤモンド社 1972.5.25)

後悔しない生き方

2012年01月10日 | 暮らし全般
私は、まとまった休みが取れるような場合には、できるだけその前に読みたい本を購入するようにしています。
今回の年末年始休暇には、2冊ほど購入しました。

その1冊が大津秀一氏の著書「死ぬときに後悔すること25」です。
死ぬときに後悔すること25
クリエーター情報なし
致知出版社


大津氏は、主としてがんの末期患者の心身の苦痛を取り除く緩和医療に携わっておられる医師です。
この本は、大津氏がこれまで約1000人の患者に接してきた経験をもとに、これらの方々が死ぬときに後悔していたことの代表的な25例を紹介したものです。

自分の生涯を終えるときに、「良い人生だった。」と思う人は少なくないかもしれません。
しかし、「まったく後悔することはない。」という人はきわめて少ないのではないでしょうか。
死ぬときに後悔することは百人百様だと思いますが、前述の本は対象とした人の数が多いだけに、これまでの自分の生き方を振り返って共感する部分が多いように感じます。

この本では、死ぬときに後悔する25の事例を、「健康・医療編」、「心理編」、「社会・生活編」、「人間編」、「宗教・哲学編」、「最終編」の6つに分類していますが、その多くが、自分の意識を変え行動に移すことで可能な事柄です。
死ぬときの後悔をひとつでも少なくできるよう、人生の節目に自分を振り返ることの重要性を認識しました。
(本のサイトにあるカスタマーレビューも参考になります。)


今回読んだもう一冊の本は40年ほど前に初版発行されたものですが、私がこのブログで書いてきた多くの記事に深く関連するものでした。できるだけ今後のブログに反映させたいと考えています。


・ホームページ「環境と体にやさしい生き方」

※健康参考:首こり、肩こりのサイト
 よくわかる首こり、肩こり解消法