12月19日(2011年)の正午過ぎに、北朝鮮の金正日(キム・ジョンイル)総書記が17日に死去したという報道が世界を駆け巡りました。
独裁国家の新しいリーダーは金正日氏の三男、正恩(ジョンウン)氏となるのは確実のようですが、28歳と若く、後継のための十分な時間もない状態で、今後の世界の行く末に大きな影響を与える可能性があります。
中国だけでなく、ロシアがどのような動きにでるのか、また、これらに対抗して日・米・韓はどのような戦略を立てていくべきかが問われています。
日本は、中国とは貿易面での結びつきがますます強まり、ロシアとはガス資源をめぐって関係強化が欠かせません。また、韓国とは従軍慰安婦問題や竹島の領土問題を、そして米国とはTPPや普天間問題などの難しい課題を抱えています。日本にとって、日本海を取り巻く地域は、外交上のホットスポットとして、重要性がさらに高まったといえます。
このような時こそ、日本には、「高い危機管理能力」と「したたかで柔軟な外交」が求められますが、果たしてそのような意識と覚悟がある政治家がどれほどいるのでしょうか。
今こそ、重要政策の司令塔と位置づけられながら、議論するだけにとどまっている「国家戦略会議」の早急な本格的運用が求められます。
前置きが長くなりました。
12月12日朝、韓国・仁川沖の排他的経済水域(EEZ)で、不法操業中の中国漁船を取り締まっていた韓国海洋警察庁の警察官が、漁船の船長に刺殺される事件が発生しました。
同海域における中国漁船の不法操業は増加の一途をたどっています。これらの漁船の多くは渤海湾沿いの漁港を母港としており、不正な行為とわかっていながら、韓国のEEZ内で操業しています。
舷側に鉄棒を突出させて警備艦が接近できないようにしたり、海洋警察官が乗り込めないようにフェンスを張るなどの細工をしている漁船もあります。
中国漁船が、拿捕や罰金などの他、場合によっては大きな外交問題にも発展するようなリスクを犯してまで違法操業を行うのには大きな理由があります。それは、これまで漁業を営んできた渤海湾近海で、汚染とトロール船による乱獲によって漁獲量が激減してしまったからです。
渤海湾の汚染の状況については、3年余り前に過去ブログ「中国の深刻な水質汚染と水不足」で書きました。その一部を転記します。
渤海は、2006年の時点で上記のようなひどい汚染状態なので、現在はさらにひどい状況にあると思われます。
そしてこの汚染水の一部は、海流に乗って閉鎖性の高い日本海へと流れ込んでいるのです。
このように、中国漁船の越境操業は環境問題ときわめて深い関係があります。
そして、その深刻な汚染には一部、日本も加担しています。
(これについては拙著「覇権大国中国が小日本を消す日」でも書きました。)
・ホームページ「環境と体にやさしい生き方」
独裁国家の新しいリーダーは金正日氏の三男、正恩(ジョンウン)氏となるのは確実のようですが、28歳と若く、後継のための十分な時間もない状態で、今後の世界の行く末に大きな影響を与える可能性があります。
中国だけでなく、ロシアがどのような動きにでるのか、また、これらに対抗して日・米・韓はどのような戦略を立てていくべきかが問われています。
日本は、中国とは貿易面での結びつきがますます強まり、ロシアとはガス資源をめぐって関係強化が欠かせません。また、韓国とは従軍慰安婦問題や竹島の領土問題を、そして米国とはTPPや普天間問題などの難しい課題を抱えています。日本にとって、日本海を取り巻く地域は、外交上のホットスポットとして、重要性がさらに高まったといえます。
このような時こそ、日本には、「高い危機管理能力」と「したたかで柔軟な外交」が求められますが、果たしてそのような意識と覚悟がある政治家がどれほどいるのでしょうか。
今こそ、重要政策の司令塔と位置づけられながら、議論するだけにとどまっている「国家戦略会議」の早急な本格的運用が求められます。
前置きが長くなりました。
12月12日朝、韓国・仁川沖の排他的経済水域(EEZ)で、不法操業中の中国漁船を取り締まっていた韓国海洋警察庁の警察官が、漁船の船長に刺殺される事件が発生しました。
同海域における中国漁船の不法操業は増加の一途をたどっています。これらの漁船の多くは渤海湾沿いの漁港を母港としており、不正な行為とわかっていながら、韓国のEEZ内で操業しています。
舷側に鉄棒を突出させて警備艦が接近できないようにしたり、海洋警察官が乗り込めないようにフェンスを張るなどの細工をしている漁船もあります。
中国漁船が、拿捕や罰金などの他、場合によっては大きな外交問題にも発展するようなリスクを犯してまで違法操業を行うのには大きな理由があります。それは、これまで漁業を営んできた渤海湾近海で、汚染とトロール船による乱獲によって漁獲量が激減してしまったからです。
渤海湾の汚染の状況については、3年余り前に過去ブログ「中国の深刻な水質汚染と水不足」で書きました。その一部を転記します。
中国の水質汚染は深刻で、8月24日(2007年)の新華社電は、2006年に渤海(ぼっかい)に流れ込んだ汚水は40億トンを超えて、汚染された海域の面積は4年間で約3倍になったと伝えています。
渤海は、中国北部の遼東半島と山東半島の間にある内海状の海域で、面積はおよそ7万8000平方キロメートルです。渤海には、黄河、遼河、海河の水が流入しています。渤海では漁業や製塩が盛んですが、工業地帯から排出される排水による汚染が深刻化しており、渤海に面する天津市の漁業関係者は、「この20年間で、海域汚染は深刻化する一方だ。30種類の海産物が絶滅した。」と言っています。
渤海は、2006年の時点で上記のようなひどい汚染状態なので、現在はさらにひどい状況にあると思われます。
そしてこの汚染水の一部は、海流に乗って閉鎖性の高い日本海へと流れ込んでいるのです。
このように、中国漁船の越境操業は環境問題ときわめて深い関係があります。
そして、その深刻な汚染には一部、日本も加担しています。
(これについては拙著「覇権大国中国が小日本を消す日」でも書きました。)
覇権大国中国が小日本を消す日―汚染された日本海と日本国土を廃棄せよ! | |
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・ホームページ「環境と体にやさしい生き方」