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環境と体にやさしい生き方

環境の悪化は生物系全体に大きな影響を与えています。環境と体にやさしい健康的な生活を考えるための新鮮な情報を紹介します。

海洋のマイクロプラスチック汚染の脅威

2018年05月28日 | 環境問題
先日(2018年5月24日)21:00からのNHK総合テレビで、海のマイクロプラスチックの問題が取り上げられていました。
その内容は、下記のNHKオンラインでも確認できます。
マイクロプラスチック どんな影響が

海のごみの7割はプラスチックと言われています。
国立研究開発法人「海洋研究開発機構」(本部・神奈川県横須賀市)では、ホームページで「深海に沈む“ゴミ(デブリ)」の情報を公開しています。
深海デブリデータベース


また、国連は2017年6月5日~9日で、「海洋の劣化を逆転させるための行動を起こす機会」と位置づけた、海洋の持続可能性を促進する取り組みを活性化する会議を開催しています。この会議では、海のプラスチック廃棄物の問題も取り上げられています。

朝日新聞は、2017年8月22日付朝刊の社説欄で、「微小プラごみ 危機感持って抑制を」として取り上げ、消費者一人一人の関心や意識の重要性について触れています。


米ジョージア大の研究チームは、2017年6月に、米国の科学誌で「1950年以降、世界で製造されたプラスチック製品は83億トンに達し、このうち63億トンがごみになった」との推計を発表しています。また、このままいくと、2050年には、プラスチックごみが120億トンに倍増とも警告しています。

海には毎年800万トンものプラスチックが捨てられているという報告もあるようです。

そして、日本を含む東アジアの海は、特に、これらのプラスチックの比率が高い「ホットスポット」となっています。

EU(欧州連合)では、プラスチックの削減に向けて動き出しており、加盟国にレジ袋の削減計画の策定を義務づけて、2025年までに1人年40枚まで減らす計画です。
一方、日本では、いくつかの大学を中心に研究は進んでいますが、政治的な取り組みははっきり見えてきていないように思います。

海のマイクロプラスチックの問題は、下記の書籍も参考になります。
「海が教える人類の危機」

この本の一つの章で、下記のような項目で整理されています。興味のある方は一読されることをお奨めします。

人類を破滅へと追い込む海洋のプラスチック汚染
・想像を絶する大量ごみ集積場「太平洋ごみベルト」
・地球上で増え続けるプラスチック
・海に集まるプラスチック
・生物破壊装置と化すプラスチック
・食物連鎖に侵入したプラスチックがもたらす深刻な脅威
・プラスチックの安全性に対する疑問
・プラスチックによる海洋汚染の元凶
・国際的な取り組みが必要な調査と対策

微小プラごみ(マイクロプラスチック)の脅威

2017年08月23日 | 環境問題
海に流れ込んだ大きさが5ミリ以下の微小プラスチック(マイクロプラスチック)が、生態系や私たち人類の健康に大きな影響を与えています。

8月22日(2017年)の朝日新聞の社説欄に、『微小プラごみ 危機感もって抑制を』が掲載されました。
これによると、昨世界経済フォーラムは昨年、年間800万トンのプラスチックが海に流出し、2050年には海中のプラスチック量が「世界中の魚の重量を超える」と警告しました。世界経済フォーラムは、世界的重大問題について議論し改善に取り組む国際機関であり、毎年、スイスのダボスで開かれる「ダボス会議」が有名です。

海のプラスチックごみは、陸から海に流れ込むものばかりではありません。漁業や航行する船舶等に由来するものも少なくありません。
そして、微細化したプラスチックは食物連鎖の中に入り込んで、食する魚介類等を通じて私たちの健康にも影響を与えつつあるのです。
このことは、下記の書籍でも詳しく紹介されています。私たちの現在の生活を振り返り、これから何をすべきか参考になる本だと思います。

海が教える人類の危


魚に取り込まれる微細プラスチック(マイクロプラスチック)

2016年06月24日 | 環境問題
最近、微細プラスチックによる海の汚染が、環境や健康の問題としてテレビや新聞などのメディアで取り上げられることが多くなってきました。また国際会議などでも、世界共通の問題として取り上げられるようになってきました。

テレビや新聞で報道された事例をいくつかあげると、
・NHK クローズアップ現代「海に漂う“見えないゴミ” ~マイクロプラスチックの脅威~」(2015年10月)
・テレビ朝日系 テレメンタリー2016「むせび泣く海~プラスチック粒子の脅威~」(2016年5月)
・朝日新聞「微細プラスチック、魚から 吸着の汚染、体内蓄積 海洋生態系に脅威」(2016年6月23日)
などがあります。

朝日新聞では、東京農工大の研究チームが東京湾で捕獲した食用のカタクチイワシの7割から、5ミリ以下のマイクロプラスチックが見つかったことが紹介されています。

また、書籍では、本年2月に発刊された『海が教える人類の危機』の章で、「人類を破滅へと追い込む海洋のプラスチック汚染」として取り上げられています。

この章では、次のような項目で、世界的な海洋のプラスチック汚染の現状とその脅威、安全性などについて触れています。
・想像を絶する大量ごみ集積場「太平洋ごみベルト」
・地球上で増え続けるプラスチック
・海に集まるプラスチック
・生物破壊装置と化すプラスチック
・食物連鎖に侵入したプラスチックがもたらす深刻な脅威
・プラスチックの安全性に対する疑問
・プラスチックによる海洋汚染の元凶
・国際的な取り組みが必要な調査


この本に書かれているように、海洋のプラスチックによる汚染は世界的な規模で拡大を続け、今や食物連鎖の中に取り込まれているといっても過言ではありません。
そして、私たち人間はもとより、多くの生物や環境に深刻な影響を与えるまでになっています。

『海が教える人類の危機』は、プラスチック汚染のほか、漁業資源、地球温暖化、海洋資源、軍事など多くの問題について、海をテーマに多面的な内容で構成されています。
そして、普段あまり身近に感じない海が、いかに直接的、間接的に私たちの日々の生活に関係しているかを教えてくれます。

特に著者がこの本で本当に訴えたいのは、最終章の「人類存続の危機」でしょう。
著者は海をテーマにしながら、最終章で、安倍首相が「アベノミクス」と称して進めるような経済成長に対して、警鐘を鳴らしています。
ちなみに最終章は、次のような構成となっています。

・緊急性も重要性もわからなくなってしまった世界
・『成長の限界』から四〇年以上が過ぎて・・・ 
・すべての問題の根源は人口と物質経済の幾何級数的な成長
・経済成長は正しい道か?
・幾何級数的な成長による物理的な限界の危機
・容易に超えてしまう限界とその代償
・技術の進歩は万能の解決策ではない
・崩壊、衰退を避けるために必要なこと


これまでの生き方を振り返り、これからの生き方を考えるうえで推奨の一冊です。




海洋のプラスチック汚染と健康

2016年02月15日 | 環境問題
海洋を漂うプラスチックが自然の生態系を破壊し、人類にまでその影響がおよびつつあります。

海には毎日、大量のプラスチックが流れ出しています。
これらのプラスチックからは、化学物質が溶け出して海を汚染しています。また、海底に沈んでいた残留性有機汚染物質は、海水の移動等によって湧き上がり、プラスチックに吸収されています。

近年、海鳥や海に生息する哺乳動物などに、がんや生殖異常、前立腺異常などの深刻な病気が増えて、繁殖率が低下するといった問題が生じていますが、このような汚染プラスチックが大きな原因のひとつとしてあげられています。

そしてこれらの濃縮汚染物質は、食物連鎖を通して私たち人類にも及んでいます。
すでに、貝類から微小なプラスチックも発見されており、私たちは知らないうちにこれらの汚染物質を食べている可能性があります。

海のプラスチック汚染の現状や食物連鎖にプラスチックが侵入するメカニズムについては、「海が教える人類の危機」で詳しく説明されています。
健康的な食生活や消費を考えるうえで、一読されることをお勧めします。

海が教える人類の危機

2016年01月27日 | 環境問題
本の紹介です。

以下、出版社(青山ライフ出版)からのコメントです。

第6回無料出版キャンペーンの受賞作。
「海の現状」に焦点をあてながら、覇権争いに明け暮れる人類がほんとうに考えなければいけないことを示唆しています。
環境問題に関心のある方だけでなく、私たちの未来について真剣に考えている方全てに手にとって欲しい作品です。



海が教える人類の危機
クリエーター情報なし
青山ライフ出版

エコ検定を環境問題に関心を持つためのきっかけに

2015年07月05日 | 環境問題
本当に久しぶりのブログ更新です。

これまで何もしていなかった訳ではありません。

環境カウンセラー取得の後、本業のかたわら、ISO14001CEAR登録審査員補、KES審査員、エコアクション21審査人など、環境マネジメントシステム審査員としての資格取得と勉強に勤しんでおりました。
また、本の執筆も進めていますが、こちらは8割程度進んだところで停滞しています。

さて、世の中の動きは経済成長優先で、環境問題についてはトーンダウンした感があります。
本年12月にパリで開催される国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP21)で、2020年以降の温暖化対策の枠組みが決められることになっていますが、先日発表された日本の2030年度の温室効果ガス削減目標を見ると、経済成長優先で温暖化対策には及び腰です。

政府は、2030年度に13年度比で26%の温室効果ガスを削減するという目標を掲げていますが、05年比に変換した数値(25.4%削減)をEU(欧州連合)の目標(35%削減)と比較すると、かなりの差があります。
また、2030年の電源構成(エネルギーミックス)についても、原発20~22%と、原発の延命や新増設を前提とした非現実的なものとなっています。

このような世の中の動きを反映してか、eco検定(環境社会検定試験)の受験者数も年々減ってきています。
東京商工会議所エコ検定試験情報
http://www.kentei.org/eco/


先日は、第18回試験(7月26日)に備えての勉強会で講師をする予定となっていましたが、受講者0ということで急きょ中止となりました。

eco検定公式テキストは本年2月10日に改訂5版が出版され、2006年の初版と比べると内容的に大きく変わった部分が多くなっています。
過去に受験された方も、是非再購入されることをおすすめします。

また、本年の検定試験は、7月26日(日)、12月13日(日)の2回計画されていますので、初めての方は是非挑戦されてはいかがでしょうか。
自身の日常生活や勉強、仕事にもきっと役立つことと思います。

改訂5版 環境社会検定試験eco検定公式テキスト
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日本能率協会マネジメントセンター


2015年版 環境社会検定試験eco検定公式過去・模擬問題集
クリエーター情報なし
日本能率協会マネジメントセンター


鳥インフルエンザ 新興国の経済発展が感染症蔓延の引き金に!!

2013年04月04日 | 環境問題
中国で、H7N9型の鳥インフルエンザに感染した人が相次いで確認されています。

4月3日(2013年)には、浙江省でも新たに2人の感染者が確認されました(このうち1人は死亡)。
これで感染者は計9名、死者は3名となりました。

人への感染経路はまだ特定されておらず、今後も感染が拡大する恐れがあります。
海を挟んだ隣国日本も十分注意する必要があります。

以下は、2010年のブログで書いたものの再掲です。
他にも何回か書いています。
下記を参照して下さい。

過去の鳥インフルエンザに関する記事


【過去記事の再掲】

新興国の経済発展は、世界中に感染症を拡大させ、多くの死者を発生させる危険をはらんでいます。

新興国では、経済発展によって食生活に変化が生じ、肉食が増えてきています。
この肉を生産するためには多くの穀物飼料を必要とし、肉1kgを生産するには、牛肉で10kg、豚肉で7kg、鶏肉で4kgの穀物が必要です。

このような穀物需要の急増の他に、今、家畜(特に豚)の増加が人間の感染症リスクを増大させています。

最近インドネシアで、高病原性鳥インフルエンザH5N1)が豚に感染し、これらのウイルスの一部が人間の鼻や喉の細胞に感染しやすいものに変異したことが確認されました。
これまで、高病原性鳥インフルエンザに感染した人のうち、2人に1人は死んでいます。(致死率約6割)

特に問題なのは、仮に豚が高病原性鳥インフルエンザウイルスに感染しても、その豚自身には症状が現れにくいために、人への感染が急速に拡大する危険性が高いということです。

新興国の経済発展で、世界的に鶏の羽数が急増すれば、これらの鶏が高病原性鳥インフルエンザに感染するリスクは高まり、さらにこれらのウイルスが、急増した豚に感染するリスクを高めます。そして、変異したウイルスが人間に感染して死者の急増を招くのです。

ウイルス対策も重要ですが、経済発展に伴う肉食の増加を改めない限り、危険なウイルスによる感染リスクから逃れることは難しいでしょう。


参考:「豚介し新・鳥インフル?」朝日新聞2010.9.1

 覇権大国中国が小日本を消す日―汚染された日本海と日本国土を廃棄せよ!

中国で増えるガンの村

2013年04月02日 | 環境問題
過去に出版した自著(下記)で、中国の「ガンの村」について書きました。

覇権大国中国が小日本を消す日―汚染された日本海と日本国土を廃棄せよ!

この中で、中国広東省汕頭市にあるグイユ村で、世界から集められた電化製品由来のゴミ(電子ゴミ)のリサイクルに伴う環境汚染と住民の健康被害について触れました。
また、この環境汚染には日本も間接的に加担し、その影響を被っていることも指摘しました。

それから3年近くが経ちましたが、3月31日(2013年)のテレビ番組「バンキシャ」で中国の深刻な水質汚染についての報道がありました。
今回は、この報道内容を紹介します。


中国中南部の湖北省にある宜昌(ギショウ)の川は、ピンクや赤、緑に染まっています。また、川にはさまざまなゴミが散乱し、豚の死骸さえも浮かんでいます。

川をピンクや赤に染めているのは、工場から意図的に、あるいは誤って排出された化学薬品によるものです。また、緑に染めているのは、工場廃水によって増えた植物プランクトンによるものです。
その汚染された川では、釣りをする人や漬物用の桔梗の根を洗う住民がいます。

湖北省政府は、本年(2013年)1月に2つの工場の排水設備などを改善するよう指導したようですが、汚水は変わらずにそのまま河川に廃棄されています。

新華社通信は、この地区で井戸水を飲んでいた住民のうち50代以下の60人あまりが、ここ数年で肝臓ガンなどで亡くなったと報道しているようです。ガンに至らずとも、重い肝炎に苦しむ住民もいます。

また、約3000人が住む湖南省の董灘村(トウタンムラ)では、工場が立ち並ぶ経済開発区から廃棄される汚水で井戸水が汚染され、異様な臭いがします。水道水は2時間ほど置いておくと黄色く濁り、服を洗濯すると黄色く変色します。住民は、この服を着ると体がかゆくなると言います。

川が汚染されているため、この水を利用していた養殖場ではすべての魚が死滅して使用不能になってしまいました。
住民は、化学肥料工場の廃水や煙が地下水や川を汚染していると言っています。

これに対して地方政府は本気で環境問題を解決する気はなく、逆に住民に立ち退きの文書を送っています。
工場を挟んで董灘村と隣接する人口約1800人の青年村では、すでに立ち退きが進んで、新たな工場を建設するために住居が取り壊されています。

中国政府は、今年(2013年)2月に「化学品環境危険予防一二五計画」を公表しました。
この中には、「癌症村」の記述が出てきて、水や大気の汚染がガンの発症につながっており、いわゆる「ガンの村」が存在していることを政府として認めています。

政府は、深刻な水質汚染や土壌汚染に対して強い危機感を抱いており、李克強首相は問題点を明確にして状況改善に向けて解決に当たる必要があると発言しています。

各地の住民が環境問題に不満を持ち、抗議の行動をとるようになり、それを支援するNGO(非政府組織)も動き出しました。
北京にあるNGO自然大学は、中国南東部・浙江省の住民の依頼に応じて、製紙工場からの廃水が放流される川の泥を採取し成分分析を行っています。この汚泥を簡易分析したところガンなどを引き起こす恐れのあるヒ素が検出されています。

NGO自然大学に調査を依頼した陳余千氏は、次の世代のために最後まで戦うと言っています。インターネット上には、関連の映像も掲載しているようです。

中国の環境汚染を調査している公衆環境研究センターの馬軍主任は、限られた水源は汚染によって破壊されており、これが続けば産業に大きな影響が出るといっています。 

以上がテレビ報道の主な内容です。

紹介したように中国の水質汚染は深刻で、その問題点も明らかですが、経済発展優先の政策が大きく変わらない限り解決は容易ではないでしょう。
前述の報道では、「ガンの村」は200箇所以上に広がっているとしていますが、実際はもっと多いと思われます。

環境汚染の被害者が増えていくことは、国民の政府に対する不満を増幅するとともに、政府としてもその対策費用に多くを捻出せざるを得なくなり、国力の低下につながるでしょう。
また、ただでさえ水不足が深刻な中国で、水質汚染によって農業や工業に使用できる水が不足すれば、経済は壊滅的な影響を受けるでしょう。

中国が海外への進出を加速しているのは、化石燃料や鉱物資源の獲得だけでなくもっと深い意味があるのかもしれません。
また、環境問題への国民の不満を逸らすため、尖閣諸島をはじめとした領土問題に異常なまでのこだわりを見せているようにも見えます。

なお、中国の環境問題についてはこれまでも多くの本が出ています。

過去に私が読んだ本を下記に列記します。

「複合汚染国家」中国 (ワックBUNKO)

中国は猛毒を撒きちらして自滅する―全世界バブル崩壊の引き金を引くのも中国

中国の環境問題 今なにが起きているのか (DOJIN選書 12)

中国環境報告―苦悩する大地は甦るか

中国汚染――「公害大陸」の環境報告 (ソフトバンク新書)

中国環境ハンドブック 2009ー2010年版



・ホームページ「環境と体にやさしい生き方」

※健康参考:首こり、肩こりのサイト
 よくわかる首こり、肩こり解消法

豚の死骸だけじゃない中国の水質汚染

2013年03月21日 | 環境問題
3月8日(2013年)以降、上海の黄浦江上流で見つかった豚の死骸は1万頭近くにのぼっています。

豚につけられた耳標から、浙江省嘉興市の平湖県、海寧県、嘉善県等を拠点とする複数の養豚業者(8人以上)が投棄したと見られています。

水道水の水源がある黄浦江での事件で、おまけに伝染病のウイルスに感染していたことがわかり、中国では農業省が調査チームを派遣するまでに至っています。

また、中国版のツイッター微博でもさまざまな自虐的なジョークが飛び交っているようです。

下記は、朝日新聞(2013.3.19朝刊)に掲載されていたものです。

「北京では窓を開ければタダでたばこが吸える。上海では蛇口をひねれば豚のスープが飲める」

「抗生物質が添加された飼料に不満で、川に飛び込み、集団自殺した」
北京でタダでたばこが吸えるというジョークは、先日来問題となっているpm2.5の大気汚染に引っ掛けたものです。


今回の事件に限らず、中国の河川の水質は深刻です。
その状況については、中国環境情報公報や中国水資源質量年報で公表されています。

日本の国立環境研究所がホームページ上で紹介している2008年版中国環境情報公報によると、7大水系といわれる長江・黄河・珠江・松花江・淮河・遼河・海河の水質状況は、Ⅰ~Ⅲ類が55%、Ⅳ~Ⅴ類が24.2%、劣Ⅴ類が20.8%となっています。

ちなみに各分類は次のように規定されています。

Ⅰ類 :主に源流の水、国家自然保護区に適用。
Ⅱ類 :主に一級保護区の集中型生活飲用水の水源、貴重な魚類保護区、魚類エビの産卵場などに適用する。
Ⅲ類 :主に二級保護区の集中型生活飲用水の水源、一般の魚類保護区及び水泳区に適用する。
Ⅳ類 :主に一般の工業用水区及び人に直接接触しない娯楽用水区に適用する。
Ⅴ類 : 主に農業用水区及び一般の景観に必要な水域に適用する。
劣Ⅴ類:いずれの社会経済的機能も満たすことができない水源
(Ⅰ~Ⅴ類の説明は、日中友好環境保全センターのサイトに基づき、劣Ⅴ類の説明は中国環境ハンドブック2009‐2010年版に基づいたものです。)

これらのうち、特に水質が悪いのは海河で約半分が劣Ⅴ類であり、次いで遼河、淮河の順となっています。

海河および遼河、黄河は渤海へ、淮河は黄海へ、長江は東シナ海へ、珠江は南シナ海へそれぞれつながっています。
したがって、松花江を除く6河川の汚水が、黒潮の一部と連続した対馬海流にのって日本海に流入しています。
日本海は閉鎖性が高いため、汚染物質が蓄積されやすくなっています。まさに日本海は、汚染水の溜まり場となっているのです。



・ホームページ「環境と体にやさしい生き方」

※健康参考:首こり、肩こりのサイト
 よくわかる首こり、肩こり解消法

PM2.5 中国の深刻な大気汚染は国境を越えて日本へ(追記)

2013年02月13日 | 環境問題
環境省はPM2.5の専用ページを開設しました。
微小粒子状物質(PM2.5)に関する情報
各都道府県の速報値を公表しているサイトへのリンクもありますので、外出や屋外での活動等の参考データとして活用されてはいかがでしょうか。
(以上、2013.02.13追記)


中国では、首都北京をはじめ各地で大気汚染が深刻です。
1月14日(2013年)には、全国約70都市に大気汚染が拡大しています。

大気汚染の原因は、自動車の排気ガス、暖房用石炭の燃焼、工場から排気される有害なガスなどに含まれる微小粒子物質(pm2.5)です。
今回の深刻な大気汚染は、濃霧の発生によって、これらの有害物質が大気中に閉じ込められたことによって生じたものです。
(言い換えれば、中国の多くの都市で日常的に大量の有害物質が大気中に放出されており、今回たまたま気象現象によってこれが顕在化したということです。)

環境省の報道発表資料(2012.2.24)によると、日本ではこの微細粒子の環境基準(平成21年9月9日環境省告示第33号)は、「1年平均値が15μg/m3以下であり、かつ、1日平均値が35μg/m3以下であること。」とされています。
粒径2.5μm以下と小さいため、肺の奥まで入りやすく、肺がん、呼吸系への影響に加え、循環器系への影響が懸念されています。(同サイトより)

北京大学等の調査では、昨年(2012年)には、北京や上海、広州、西安の4都市で、この微小粒子物質が原因で8000人余りが死亡したと報道されています。
最近の中国のデモのなかには、経済発展よりも環境を重視したいという人々の声が高まりによって生じたものも少なくありません。

この中国の微小粒子物質は、日本に住む私たちにとっても他人事ではありません。
拙著でも、これらの有害物質が日本海上空を移動する際に、海水を含む大気中で化学反応を起こしているという問題について触れました。
覇権大国中国が小日本を消す日―汚染された日本海と日本国土を廃棄せよ!
クリエーター情報なし
ごま書房新社


中国の大気汚染については、下記の過去ブログでも書いています。
米国が中国の大気汚染状況を公表
東アジアの大気汚染を気にせざるを得ない時代



・ホームページ「環境と体にやさしい生き方」

※健康参考:首こり、肩こりのサイト
 よくわかる首こり、肩こり解消法