環境と体にやさしい生き方

環境の悪化は生物系全体に大きな影響を与えています。環境と体にやさしい健康的な生活を考えるための新鮮な情報を紹介します。

豚の死骸だけじゃない中国の水質汚染

2013年03月21日 | 環境問題
3月8日(2013年)以降、上海の黄浦江上流で見つかった豚の死骸は1万頭近くにのぼっています。

豚につけられた耳標から、浙江省嘉興市の平湖県、海寧県、嘉善県等を拠点とする複数の養豚業者(8人以上)が投棄したと見られています。

水道水の水源がある黄浦江での事件で、おまけに伝染病のウイルスに感染していたことがわかり、中国では農業省が調査チームを派遣するまでに至っています。

また、中国版のツイッター微博でもさまざまな自虐的なジョークが飛び交っているようです。

下記は、朝日新聞(2013.3.19朝刊)に掲載されていたものです。

「北京では窓を開ければタダでたばこが吸える。上海では蛇口をひねれば豚のスープが飲める」

「抗生物質が添加された飼料に不満で、川に飛び込み、集団自殺した」
北京でタダでたばこが吸えるというジョークは、先日来問題となっているpm2.5の大気汚染に引っ掛けたものです。


今回の事件に限らず、中国の河川の水質は深刻です。
その状況については、中国環境情報公報や中国水資源質量年報で公表されています。

日本の国立環境研究所がホームページ上で紹介している2008年版中国環境情報公報によると、7大水系といわれる長江・黄河・珠江・松花江・淮河・遼河・海河の水質状況は、Ⅰ~Ⅲ類が55%、Ⅳ~Ⅴ類が24.2%、劣Ⅴ類が20.8%となっています。

ちなみに各分類は次のように規定されています。

Ⅰ類 :主に源流の水、国家自然保護区に適用。
Ⅱ類 :主に一級保護区の集中型生活飲用水の水源、貴重な魚類保護区、魚類エビの産卵場などに適用する。
Ⅲ類 :主に二級保護区の集中型生活飲用水の水源、一般の魚類保護区及び水泳区に適用する。
Ⅳ類 :主に一般の工業用水区及び人に直接接触しない娯楽用水区に適用する。
Ⅴ類 : 主に農業用水区及び一般の景観に必要な水域に適用する。
劣Ⅴ類:いずれの社会経済的機能も満たすことができない水源
(Ⅰ~Ⅴ類の説明は、日中友好環境保全センターのサイトに基づき、劣Ⅴ類の説明は中国環境ハンドブック2009‐2010年版に基づいたものです。)

これらのうち、特に水質が悪いのは海河で約半分が劣Ⅴ類であり、次いで遼河、淮河の順となっています。

海河および遼河、黄河は渤海へ、淮河は黄海へ、長江は東シナ海へ、珠江は南シナ海へそれぞれつながっています。
したがって、松花江を除く6河川の汚水が、黒潮の一部と連続した対馬海流にのって日本海に流入しています。
日本海は閉鎖性が高いため、汚染物質が蓄積されやすくなっています。まさに日本海は、汚染水の溜まり場となっているのです。



・ホームページ「環境と体にやさしい生き方」

※健康参考:首こり、肩こりのサイト
 よくわかる首こり、肩こり解消法