環境と体にやさしい生き方
環境の悪化は生物系全体に大きな影響を与えています。環境と体にやさしい健康的な生活を考えるための新鮮な情報を紹介します。




前回のブログでも触れましたが、日本は遺伝子組み換え食品の最大の消費国です。
そしてこの遺伝子組み換え食品については、いろいろな問題が指摘されています。
そこで今回は、私たちの身の回りにどのくらいの遺伝子組み換え食品が出回っており、その表示はどのようになっているのかについて触れてみたいと思います。

【遺伝子組み換え作物の栽培面積】
遺伝子組み換え作物は、1994年に米国でトマトが販売されたのを機に本格的な商業栽培が始まりました。組み換え作物の栽培面積は、2005年現在、世界全体で約9,000万ヘクタールであり、その内訳は、米国55%、アルゼンチン19%、ブラジル10%、カナダ6%、中国4%、その他となっています。また、作物別では、大豆60%、トウモロコシ24%、ワタ11%、ナタネ5%となっています。


(非営利団体国際アグリバイオ事業団(ISAAA)は、本年1月に、2006年の遺伝子組み換え作物の栽培面積は世界全体で約1億200万ヘクタールに達したとする報告書を公表しています。参考:ISAAAホームページhttp://www.isaaa.org/中の「Global Status of Commercialized Biotech/GM Crops: 2006」)(2007年3月11日加筆)


各々の作物の栽培面積に占める遺伝子組み換え作物は、大豆60%、トウモロコシ14%、ワタ28%、ナタネ18%となっており、驚くべきことに大豆は半分以上が遺伝子組み換え作物になっているのです。(以上、国際アグリバイオ事業団(ISAAA)報告書から抜粋)

また、日本がそのほとんどを輸入している米国では、2005年の場合、大豆の87%、トウモロコシの52%、ワタの79%が遺伝子組み換え作物になっており、いずれも前年より増加して、特にトウモロコシは前年比で約16%も伸びています。(米国農務省(USDA)の全国農業統計局(NASS)データ)

【日本国内で流通している遺伝子組み換え食品】
それでは、日本国内でどの程度の遺伝子組み換え食品が流通しているのでしょうか?

日本で販売が認められている遺伝子組み換え作物は、大豆、トウモロコシ、ナタネ、ワタ、ジャガイモ、テンサイで、実際に国内で流通しているのはテンサイを除く5品目です。これらの遺伝子組み換え作物は、現在国産品は流通しておらず、すべて輸入によるものです。(なお、遺伝子組み換え作物の総栽培面積に占めるジャガイモの比率は1%未満のため、前述の栽培面積に数値としてあらわれてこないものと思われます。)

日本は、大豆の約95%を輸入しており、その約70%(2004年実績317万トン)を米国に依存していますので、流通している大豆の60%程度は遺伝子組み換えのものと思われます。
すべての大豆の用途内訳は、製油用約75%、食品用約23%、その他約2%となっています。

また、穀物用トウモロコシは、約1,670万トン(2005年度実績)すべてが輸入品で、米国に約94%を依存していますので、約50%が遺伝子組み換えのものと思われます。
すべての穀物用トウモロコシの用途内訳は、飼料用66%、コーンスターチ用21%、その他13%となっています。

【遺伝子組み換え表示の問題】
これまで書いてきたように多くの遺伝子組み換え作物が輸入されているにもかかわらず、私たちの身の回りにはそれほど多く出回っているように感じられません。そこには、表示における問題があります。

現在、表示義務対象の指定加工食品は以下のとおりです。
(社)農林水産先端技術産業振興センター(STAFF)「遺伝子組換え農作物を知るために ステップアップ編」より)

  1.豆腐・油揚げ類
  2.凍り豆腐、おから&ゆば
  3.納豆
  4.豆乳類
  5.みそ
  6.大豆煮豆
  7.大豆缶詰・瓶詰
  8.きな粉
  9.大豆いり粉
 10.上記1~9を主な原材料とするもの
 11.大豆(調理用)を主な原材料とするもの
 12.大豆粉を主な原材料とするもの
 13.大豆たん白を主な原材料とするもの
 14.枝豆を主な原材料とするもの
 15.大豆やもやしを主な原材料とするもの
 16.コーンスナック菓子
 17.コーンスターチ
 18.ポップコーン
 19.冷凍とうもろこし
 20.トウモロコシ缶詰・瓶詰
 21.コーンフラワーを主な原材料とするもの
 22.コーングリッツを主な原材料とするもの
 23.とうもろこし(調理用)を主な原材料とするもの
 24.上記16~20を主な原材料とするもの
 25.冷凍ばれいしょ
 26.乾燥ばれいしょ
 27.ばれいしょでん粉
 28.ポテトスナック菓子
 29.上記25~28を主な原材料とするもの
 30.ばれいしょ(調理用)を主な原材料とするもの
 31. アルファルファを主な原料とするもの

この中には、食品用の醤油や糖類、水飴などは入っていませんし、製油用大豆、飼料用の大豆やトウモロコシも入っていないのです。



さらに、表示方法にも問題があります。
表示義務のあるのは次の3種類で、各々矢印の右に書いてあるような表示をします。

・分別生産流通管理された遺伝子組換え農産物が原料の場合 ⇒ 「遺伝子組換え」
・組換え、非組換えを分別していない農産物が原料の場合  ⇒ 「遺伝子組換え不分別」
・従来のものと組成、栄養価などが著しく異なるもの ⇒ 例「高オレイン酸遺伝子組換え」

その他、分別生産流通管理された非遺伝子組換え農作物が原料の場合は、表示不要または「遺伝子組換えでない」と表示できます。また、大豆油や醤油などは、「加工後に組み換えられたDNA及びこれによって生じたタンパク質が残存しない加工食品」であるとして、表示は不要(任意表示)となっているのです。(前述の表示義務対象の指定加工食品に入っていない理由です。)

さらに問題なのは、遺伝子組換えでない農産物に流通の過程で5%以下の遺伝子組換えのものが混入しても、「意図せざる混入」として「遺伝子組み換えでない農産物」として扱われているということです。

これでもわかるように、スーパーで納豆を購入する場合に、「遺伝子組み換え大豆不使用」と書かれていても、その商品が必ずしも遺伝子組み換え大豆を使っていないとは言えないのです。また、何も書かれていない納豆と「遺伝子組み換え大豆不使用の納豆」では、「遺伝子組み換え大豆不使用の納豆」が安全だとも言えないのです。

次回はいよいよ、遺伝子組み換え食品の安全性と私たちが注意すべきことについて書いていきます。

環境問題や自分の健康を考え正しく対応するためには、まず現状を正しく知ることが大切です。その意味でこのブログが少しでも役に立てれば幸いです。


関連記事
  1.遺伝子組み換え食品最大輸入国日本(2007.02.26)
  2.身近にある遺伝子組み換え食品(2007.03.05)
  3.遺伝子組み換え食品は安全か?(2007.03.11)
  4.遺伝子組み換え食品の安全性と対策(2007.03.17)



【主な参考文献等】
・「遺伝子組換え農作物を知るためにステップアップ編」社団法人農林水産先端技術産業振興センター(STAFF)
・「バイテク小事典」社団法人農林水産先端技術産業振興センター(STAFF)
・「レスター・ブラウンの環境革命」レスター・R・ブラウン編著、松野弘監修 朔北社
・「日経エコロジー2004年7月号」日経BP社
・「地球とからだに優しい生き方・暮らし方」 天笠啓祐 つげ書房新社
・「安田節子公式ウェブサイト」http://www.yasudasetsuko.com/ 【遺伝子組み換え作物について】


【gooブログ投稿記事一覧】
gooブログ投稿記事一覧(http://www1.bbiq.jp/ecoecoweb/gooblog.html)のサイトを作成しました。
ここから関連のある記事にアクセスしやすくなりました。
カテゴリー:[環境問題全般]・[地球温暖化]・[水質汚染・水不足]・[大気汚染]・[食料・エネルギー・資源]・[暮らし全般]・[食生活全般]・[食品添加物・化学物質]・[遺伝子組み換え作物・食品]・[電磁波]・[病気・アレルギー・薬]・[心の健康](今後、追加や変更の可能性があります。)



(ランキング参加中)
日記@BlogRanking
(よろしかったらクリックをお願いします。)


下記のサイトもご覧ください。

・ホームページ「環境と体にやさしい生き方」
おすすめの環境・健康商品や本などの紹介も行っています。


・姉妹ブログ「環境とからだにやさしい生活」

コメント ( 1 ) | Trackback ( 0 )


« 遺伝子組み換... 遺伝子組み換... »
 
コメント
 
 
 
Unknown (Unknown)
2012-09-18 12:26:23
 
コメントを投稿する
ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません
 
名前
タイトル
URL
コメント
コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。
数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。
 
この記事のトラックバック Ping-URL
 


ブログ作成者から承認されるまでトラックバックは反映されません
 
・送信元の記事内容が半角英数のみのトラックバックは受け取らないよう設定されております
※ブログ管理者のみ、編集画面で設定の変更が可能です。