環境と体にやさしい生き方

環境の悪化は生物系全体に大きな影響を与えています。環境と体にやさしい健康的な生活を考えるための新鮮な情報を紹介します。

ビスフェノールAの胎児、新生児への影響が明らかに?

2008年05月26日 | 食品添加物・化学物質
毎日新聞ニュース(2008年5月14日)で、ビスフェノールAに関する次のような記事が報道されました。

プラスチック製品の原料になる化学物質ビスフェノールAが、現行の安全基準以下でも胎児や新生児に影響を与えることを国立医薬品食品衛生研究所(衛生研)などがラットで確認した。厚生労働省は、内閣府の食品安全委員会に評価を諮問する検討に入った。

国立医薬品食品衛生研究所のホームページなどで検索しても、その詳細を確認することができませんでしたが、ビスフェノールAについては過去に複数の研究者がその危険性を指摘しています。

1993年には、スタンフォード大学のデビッド・フェルドマン医学部教授らが、ポリカーボネートの実験用フラスコから、エストロゲン(女性ホルモン)反応を引き起こすビスフェノールAがしみ出していたことを論文発表しています。

また、1994年には、食物毒物学者ファティマ・オレアと内分泌系がん専門医ニコラス・オレアの姉弟が、米国とスペインの缶詰を分析し、そのほぼ半数から、内側のコーティングに使われたプラスチックからビスフェノール‐Aを検出しています。さらにこの缶詰の内容物であるコーンやグリンピースなどからも高レベルのビスフェノール‐Aが検出されています。

その後、多くの研究で、プラスチック製品から内分泌撹乱化学物質が溶出して、少量でも実験用ラットに異常を引き起こしたことが証明されています。
1998年には、米国食品医薬品局(FDA)が、食品パッケージからプラスチック原料のビスフェノールAやノニルフェノール、フタル酸エステル類が、食品に流れ出していることを認めたと発表しています。

さらに1999年12月の内分泌撹乱化学物質に関する会議(神戸)では、ビスフェノールAが低用量で人体の成長に影響を及ぼしているという複数の研究成果が発表されています。

これらの事実は、「奪われし未来 増補改訂版」(シーア・コルボーン、ダイアン・ダマノスキ、ジョン・ピーターソン・マイヤーズ著、翔泳社)や「環境ホルモン汚染の恐怖 メス化する自然」(デボラ・キャドバリー著、集英社)で紹介されています。

奪われし未来
シーア コルボーン,ジョン・ピーターソン マイヤーズ,ダイアン ダマノスキ
翔泳社

このアイテムの詳細を見る


メス化する自然―環境ホルモン汚染の恐怖
井口 泰泉,デボラ キャドバリー
集英社

このアイテムの詳細を見る


そして、最近の研究では、血液-脳関門をはじめ、身体各部の成長が不完全な胎児や小児は、特に化学物質の影響を受けやすいということも明らかになってきています。

しかしながら、決定的な証拠や重大な事故等が無い限り、メーカー等は安全性を強調し、国の早急な対応もなかなか期待できません。
プラスチックが発明されてわずか100年余りであり、今後、これに起因する取り返しのつかない大きな問題が起こるのではと危惧しています。



※過去の関連ブログは次のとおりです。

 ・合成化学物質の恐怖と人類の未来
 ・合成化学物質の健康への影響
 ・内分泌撹乱化学物質(環境ホルモン)の恐怖 1
 ・内分泌撹乱化学物質(環境ホルモン)の恐怖 2
 ・内分泌撹乱化学物質(環境ホルモン)の恐怖 3
 ・内分泌撹乱化学物質(環境ホルモン)の恐怖 4



【gooブログ投稿記事一覧】
gooブログ投稿記事一覧(http://www1.bbiq.jp/ecoecoweb/gooblog.html)のサイトを作成しました。
ここから関連のある記事にアクセスしやすくなりました。
カテゴリー:[環境問題全般]・[地球温暖化]・[水質汚染・水不足]・[大気汚染]・[食料・エネルギー・資源]・[暮らし全般]・[食生活全般]・[食品添加物・化学物質]・[遺伝子組み換え作物・食品]・[電磁波]・[病気・アレルギー・薬]・[心の健康](今後、追加や変更の可能性があります。)



(ランキング参加中)
日記@BlogRanking
(よろしかったらクリックをお願いします。)


下記のサイトもご覧ください。

・ホームページ「環境と体にやさしい生き方」
おすすめの環境・健康商品や本などの紹介も行っています。


・姉妹ブログ「環境とからだにやさしい生活」






本格的な情報格差社会が始まった

2008年05月17日 | 暮らし全般
世界的に、富める者と貧しい者のいわゆる『経済格差』が鮮明になり、それが急速に大きくなってきています。経済的に富める者はさらに富み、貧しい者はさらに貧しくなる社会です。

しかし、注目すべき格差は経済格差だけではなく、もうひとつの大きな格差が広がってきています。そのもうひとつの格差とは『情報格差』です。今、この情報格差は、インターネット技術の普及・発展で加速度に大きくなっているのです。そして、これからいよいよ本格的な情報格差社会が始まります。

それは単に、「インターネットにつながるパソコンを持っているから大丈夫」という生易しいものではありません。これから私たち生活者に必要なのは、「インターネットをどこまで利用し尽くせるか。」ということです。

確かに、新聞やテレビだけでも毎日多くの情報が配信されています。しかしこれらの情報は、その記事や番組を作成した者の意図や思い込みによる偏った内容のものが多いのが現実です。これらの記事に関連する情報をインターネットで検索するだけでも、その裏に隠された事実や全く異なる情報が多いことに驚かされます。

確かに、インターネットで得られる情報は玉石混交ですが、情報の種類、量、スピードなど、欠点を補って余りあるメリットがあります。
そして、これからは、このインターネットを充分に活用するために、新たな利用方法について意識的に習得していくことが求められています。

そのひとつとして、Google(グーグル)の活用技術を習得することを特にお勧めします。Googleは、現在、世界で最も利用されているウェブ検索エンジンですが、それ以外にもかなり多くの機能を無料で提供しています。

下記に、Googleの提供するサービスについて勉強する際に特に参考となるおすすめの本を紹介します。

Googleのすべてがわかる本
水野貴明
ソーテック社

このアイテムの詳細を見る


Googleが提供している検索技術やさまざまなサービスについて、具体的に紹介しています。この中には、ちょっとした入力方法の工夫でウェブ検索の精度やスピードを向上させる方法や、地図検索、複数メールアドレスの一括管理、スケジュール管理など、実に多彩なサービスの説明があります。

私は、保有している3つのメールアドレスの一括管理や多くのニュースの中から特に関心のある情報を入手するための『ニュース情報のカスタマイズ』などの機能をよく利用しています。

Googleに関する本はいろいろと出版されていますが、サービスの種類がどんどん増えていくので、新しい機能について勉強するには古い本はあまり役に立ちません。紹介した本は昨年(2007年)11月に発売されたものですが、それ以降のわずかな期間でさえも、日本語によるサービスで新たに追加されたものもいくつかあります。

ページ数が約700と少々厚い本ですが、それぞれの項目ごとに説明がされており必要な箇所から読むことが可能です。一度頑張って読んで習得すれば、情報の収集能力や活用方法は格段に向上することと思います。



【gooブログ投稿記事一覧】
gooブログ投稿記事一覧(http://www1.bbiq.jp/ecoecoweb/gooblog.html)のサイトを作成しました。
ここから関連のある記事にアクセスしやすくなりました。
カテゴリー:[環境問題全般]・[地球温暖化]・[水質汚染・水不足]・[大気汚染]・[食料・エネルギー・資源]・[暮らし全般]・[食生活全般]・[食品添加物・化学物質]・[遺伝子組み換え作物・食品]・[電磁波]・[病気・アレルギー・薬]・[心の健康](今後、追加や変更の可能性があります。)



(ランキング参加中)
日記@BlogRanking
(よろしかったらクリックをお願いします。)


下記のサイトもご覧ください。

・ホームページ「環境と体にやさしい生き方」
おすすめの環境・健康商品や本などの紹介も行っています。


・姉妹ブログ「環境とからだにやさしい生活」



カーボンオフセットとは何?

2008年05月07日 | 環境問題
最近、カーボンオフセットに関するニュースが少しずつ増えてきています。

【カーボン・オフセットとは】

環境省では、2007年9月から2008年1月の間、5回にわたって『カーボン・オフセットのあり方に関する検討会』を開催し、2月7日に『我が国におけるカーボン・オフセットのあり方について(指針)』(http://www.env.go.jp/earth/ondanka/mechanism/carbon_offset/guideline.html)という形で公表しています。

この指針の中では、カーボンオフ・セットについて次のように定義しています。

カーボン・オフセットとは、市民、企業、NPO/NGO、自治体、政府等の社会の構成員が、自らの温室効果ガスの排出量を認識し、主体的にこれを削減する努力を行うとともに、削減が困難な部分の排出量について、他の場所で実現した温室効果ガスの排出削減・吸収量等(以下「クレジット」という)を購入すること又は他の場所で排出削減・吸収を実現するプロジェクトや活動を実施すること等により、その排出量の全部又は一部を埋め合わせることをいう。
英国を始めEU、米国、豪州等での取組が活発であり(詳細は参考1 を参照)、我が国でも民間での取組が始まりつつある。
この定義によれば、カーボン・オフセットとは、例えば政府や事業者が温室効果ガスの排出削減目標を遵守するために補足的に京都メカニズムのクレジットを利用することも含まれるが、本指針においては、市民、企業、NPO/NGO、自治体、政府等が国民運動や公的機関の率先的取組の一環として温室効果ガスの排出量削減・吸収量増加に貢献するために主体的に行うものを対象とする。

欧州や豪州、米国などではカーボン・オフセットの普及が進んでいますが、日本は、「2050年までに世界全体の温室効果ガスの排出量を半減する。」という長期目標を提唱していながら、ようやくその取り組みが始まったというのが現状です。

【カーボン・オフセット推進の意義・効果と課題】

前述の指針によると、カーボン・オフセット推進の意義や期待される効果は次のとおりです。

・市民、企業等の主体的な削減活動の実施を促進すること。
指針を要約すると、温室効果ガスについて「見える化」することで、この問題を「自分ごと化」し、、それぞれの立場で「削減努力」して、どうしても一定量の排出をせざるを得ない部分については「埋め合わせ(オフセット)」するという流れを促進するということです。
「見える化→自分ごと化→削減努力→埋め合わせ(オフセット)」

・国内外の温室効果ガスの排出削減・吸収や公害対策、持続可能な開発を実現するプロジェクトの資金調達への貢献
たとえば、途上国の経済発展により深刻化する環境問題などを解決するための資金として活用することで、温室効果ガスの削減と環境改善に貢献することなどが期待できます。

一方で、カーボン・オフセットの導入に先行した英国などで、その活動が温暖化ガスの削減に結びついていない事例が指摘されています。また、カーボン・オフセットで埋め合わせすればいいとい考えが蔓延すると、CO2排出当事者の削減努力がいい加減になる恐れもあります。


【カーボン・オフセットの類型】

カーボン・オフセットの主な類型は次のとおりです。(前述の指針より要約)

1.市場を通じて第三者に流通するクレジットを活用したカーボン・オフセット(市場流通型)
①商品使用・サービス利用オフセット
市民や企業、NPO/NGO、自治体、政府等が、使用する商品や利用するサービスによって排出される温室効果ガスの量について、その商品やサービスと併せてクレジットとして購入することでオフセット。(商品の例:クレジット付き電化製品の購入やリース)

②会議・イベント開催オフセット
会議やイベントに伴って排出される温暖化効果ガス量を、その主催者がオフセット。(オフセット費用の負担:主催者や参加者)(オフセットの対象例:会議等に参加するための交通や会議等で使用する電気による温室効果ガス量)

③自己活動オフセット
市民や企業、NPO/NGO、自治体、政府等が、その活動によって排出する温暖化効果ガス量を、他者が他の場所で行うCO2削減活動などのクレジットを購入することでオフセット。

2.市場を通さずに特定者間のみで実施されるカーボン・オフセット(特定者間完結型)


【日本におけるカーボン・オフセットの将来性】

日本におけるカーボン・オフセットの取り組みはまだ一部の企業等で始まったばかりで、その将来性は未知数です。今後、個々の活動等に伴って排出される温暖化ガス量の数値的な信頼性やオフセットの対象となるクレジットの確実性などの条件整備を行い、市場の健全な育成を図ることが必要だと考えられます。



次回は、日本で発売されているカーボンオフセット商品について紹介していく予定にしています。


【主な参考文献】
・環境省 我が国におけるカーボン・オフセットのあり方について(指針)


【gooブログ投稿記事一覧】
gooブログ投稿記事一覧(http://www1.bbiq.jp/ecoecoweb/gooblog.html)のサイトを作成しました。
ここから関連のある記事にアクセスしやすくなりました。
カテゴリー:[環境問題全般]・[地球温暖化]・[水質汚染・水不足]・[大気汚染]・[食料・エネルギー・資源]・[暮らし全般]・[食生活全般]・[食品添加物・化学物質]・[遺伝子組み換え作物・食品]・[電磁波]・[病気・アレルギー・薬]・[心の健康](今後、追加や変更の可能性があります。)



(ランキング参加中)
日記@BlogRanking
(よろしかったらクリックをお願いします。)


下記のサイトもご覧ください。

・ホームページ「環境と体にやさしい生き方」
おすすめの環境・健康商品や本などの紹介も行っています。


・姉妹ブログ「環境とからだにやさしい生活」