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ねがうこと、ゆだねること

小金井市立はけの森美術館・猪熊弦一郎展

2014-08-22 | art
洋画家・中村研一(1895- 1967)さんの死後、自宅兼・アトリエを
夫人が「中村研一記念美術館」として公開していたものを小金井市へ
寄贈。2006年に「中村研一記念小金井市立はけの森美術館」として
リニューアルオープン。

「はけ」って崖(がけ)のこと。武蔵野台地から下って立川台地へ至
るところに東西にわたって崖(がけ)が続くんだけど、昔から「はけ」
と呼ばれている。

森というより、武蔵野の林。小平のハケも住宅開発が進むなか、割と
緑が残されてて、散歩するにはいいエリア。この美術館一帯もうっそ
うと木々が育ってて、立派な庭が昼でも暗い。うまく市に寄贈できた
から残ったのかも。相続になると、分割・分譲されかねない。



離れには地元のおいしいケーキショップの老舗、オーブン・ミトンも
移転したので、そっちにはたまに行ってたんだけど(スイーツはもち
ろん、料理も美味い)美術館の方に行くのは、初めてw



丸亀市猪熊弦一郎現代美術館所蔵作品による猪熊弦一郎展が開催されて
いるから。同様の企画展は2010年、初台のオペラシティアートギャラリ
ーで開かれた「いのくまさん展」を見に行ってる(そのことは、ここなど)



猪熊さん(1902-1993)、人気なんだろうなぁ。初台は大きな美術館
だったけど、今回は私邸だから、ぐっと親密度が増してじっくり見れる。
観客もまばらだし。

作品点数も少ないんだけど、初期から晩年までの変遷が眺められて面白
かった。いろんなスタイルを自由に試してはった印象。

  

どうやっても僕がやるんだから、どんなことをしても僕なんだと
思っているから、いろんなことやってみるわけ。その方がずっと
自由でいいと思うんです。

タイトルのショルダーにも使われた「どんなことをしても僕なんだ」と
言える作家は、ちょっと羨ましい気もするけど、それは誰にでも言える
ことかも、って思う。

どんなことをしても、他の誰とも違うはずだし、二度と繰り返せない。
でも現代の生活はなかなかそう思えない、同質化を迫ってるというか、
均質化に委ねた方が楽というべきか。

猪熊さんはいろんな材料を使っているけど、マスキングテープも使って
ることを「発見」。マスキングテープは雑貨としても近年流行ってるけ
ど、彼はその点でも先駆けかもw 9/7まで。