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ねがうこと、ゆだねること

クリストによるギャラリーツアー

2010-02-14 | art
昨日から東京六本木のミッドタウンで、
「クリストとジャンヌ=クロード展 」が始まった(4/6まで)。

世界中のものを2週間だけ布で包む等という
人類史上初のアート活動で世界中を沸かし続けている。

例えば前回のNYのセントラルパークのゲートの場合、
300万人が世界中から来たっていうから。一日20万人!

昨年奥様のジャンヌ=クロードさんが亡くなられたので、
長年の友情表明を21_21 DESIGN SIGHTの総監督の
イッセイミヤケさんが企画されたもの。



これまた長年お二人のスタッフでもあった美術評論家の柳さんが
今回の展示構成をされているのだけど、クリストさんと柳さんの
お二人による1時間ばかりのギャラリーツアーに参加した。

柳さんは冒頭通訳に徹しますと宣言され、
クリストさんがどんどん話をすすめれらた。



かれらのアートにはいくつかのルールがあって、
2週間の限定だとか(あぁもったいない、もっと
やってくれれば・・)一切の援助や協賛を得ないとか。

数十億円ともいわれるプロジェクトフィーは彼等の
絵やドローイング等を売って資金を集める。

制作のための費用も大きいけど、面白かったのが
作品の周辺住民への迷惑をなるべく減らすための予算。

救急搬送のヘリコプターを待機させたり、携帯電話の
混雑回避のための通信塔まで建てたり、いろんなことに
費用がかさむそうな。



彼等のアートプロジェクトは許可を得るのが一番大変。
あんなに人気があるから反対?って思うやろうけど、
公共性の高い大きなものを借りようってなると、常に
反対者がいるもので、フロリダの「囲まれた島々」の
場合は、最高裁まで争って勝って始められたそうだ。

とても情熱的でチャーミングなクリストさんの
お話は会場を熱気に包み、最後にたっぷりとった
Q&Aタイムには珍しく手を挙げる人でいっぱいになり、
いつまでも続いて欲しいと思う連帯感のようなものまで
生まれるほど。



終わってからサイン会になり、クリストさんにご挨拶。
ギャラリーツアーの感想とお礼をおつたえしたら
目を大きく見開いて、くしゃくしゃっと笑って
THANK YOU!と笑顔がほんま素敵な方。

ジャンヌさん喪失の悲しみをどこに押し隠している
のだろうってふと思う。常に主語が「僕たち」だし、
「僕とジャンヌ」という主語で話してはったから
いまでも一緒に生きているのだろうと。

二人で生みだしたアイディアの実現を心待ちにする。
今度こそ見に行きたいなぁ。