地震・落雷・水害・干ばつなどの天災がなく、豊かな実りの続く原始時代でしたら、当時の人々が自然物へ信仰心をもったとは考えられません。氏神信仰は生じても、自然信仰は生じなかったでしょう。恵みと災いとがあったからこそ、自然物への信仰心が高まっていったのだと思います。縄文時代、神とは災いと福をもたらす存在でした。日之神も木之神も蛇神もそういう神様でした。
ところが、飛鳥・奈良・平安時代と仏教や儒教や陰陽道など様々な神様・考え方が入ってきて、神様が「専門化」するようになったっと、わたしは想像しています。それには仏教・陰陽道の影響があったとも想像しています。仏教の仏様は薬師様のように「専門化」していますし、陰陽道では方位神の「祟り」を重視しています。「祟り」「災い」の専門神が登場して、それを「荒神」と称したり、「凶神」と称したりしたのでしょう。
鎌倉時代・南北朝時代と神仏習合が一段と進み、陰陽道が武士階級や一般大衆の中にも入り出すと、「荒神」「凶神」は「金神(こんじん)」として登場するようになったと思います。さらに時代が下って、牛頭天王に滅ぼされたはずの巨旦(こたん)は金神として復活したとする考えも登場するようになりました。
川越市立博物館が保管している『牛頭天王縁起絵巻』(18世紀半ばの作品。川越市立博物館発行『川越学事始め』による)には、川越市石原町の八坂神社の縁起を中心に主催神についても述べています。それによりますと、
「当社は三座也 第一素盞嗚尊是則(これすなわち)牛頭天王の本地薬師如来武荅天神ト云也 第二稲田姫俗少将井ト云沙女□(1文字不明「糸+昌」の文字)羅龍王ト云其遊行スル所歳徳尊神ト云是波利女也 第三八岐大蛇是巨旦変作也蛇毒鬼神ト云其遊行スル時ハ金神ト云鬼門之主也」とあります。要するに、巨旦はヤマタノオロチに変わったり、蛇毒鬼神となったり、金神になったりしていると云うのです。この神社ではヤマタノオロチの冥福を祈ると共に、神として、しかも巨旦金神として祀っていたのです。書物や民間伝説をつなぎ合わせた結果でしょう。
飛鳥・奈良・平安時代は、「荒神」「凶神」へは、「お祓い」「お清め」や「福神」到来の「祈祷」などが大切にされたと思われます。
鎌倉・南北朝・室町時代の武士の時代になると、「荒神」「凶神」を「金神」として認め、その通り道を「保障」しておき、人はそれを避けるようにすればいいという考え方に変わったと思われます。さらに、江戸時代になると、「金神」を讃えることによって幸せになると言う宗派も登場するようになったと思われます。「金神信仰」の変化をわたしなりに簡単にまとめてみましたが・・・・。
ところが、飛鳥・奈良・平安時代と仏教や儒教や陰陽道など様々な神様・考え方が入ってきて、神様が「専門化」するようになったっと、わたしは想像しています。それには仏教・陰陽道の影響があったとも想像しています。仏教の仏様は薬師様のように「専門化」していますし、陰陽道では方位神の「祟り」を重視しています。「祟り」「災い」の専門神が登場して、それを「荒神」と称したり、「凶神」と称したりしたのでしょう。
鎌倉時代・南北朝時代と神仏習合が一段と進み、陰陽道が武士階級や一般大衆の中にも入り出すと、「荒神」「凶神」は「金神(こんじん)」として登場するようになったと思います。さらに時代が下って、牛頭天王に滅ぼされたはずの巨旦(こたん)は金神として復活したとする考えも登場するようになりました。
川越市立博物館が保管している『牛頭天王縁起絵巻』(18世紀半ばの作品。川越市立博物館発行『川越学事始め』による)には、川越市石原町の八坂神社の縁起を中心に主催神についても述べています。それによりますと、
「当社は三座也 第一素盞嗚尊是則(これすなわち)牛頭天王の本地薬師如来武荅天神ト云也 第二稲田姫俗少将井ト云沙女□(1文字不明「糸+昌」の文字)羅龍王ト云其遊行スル所歳徳尊神ト云是波利女也 第三八岐大蛇是巨旦変作也蛇毒鬼神ト云其遊行スル時ハ金神ト云鬼門之主也」とあります。要するに、巨旦はヤマタノオロチに変わったり、蛇毒鬼神となったり、金神になったりしていると云うのです。この神社ではヤマタノオロチの冥福を祈ると共に、神として、しかも巨旦金神として祀っていたのです。書物や民間伝説をつなぎ合わせた結果でしょう。
飛鳥・奈良・平安時代は、「荒神」「凶神」へは、「お祓い」「お清め」や「福神」到来の「祈祷」などが大切にされたと思われます。
鎌倉・南北朝・室町時代の武士の時代になると、「荒神」「凶神」を「金神」として認め、その通り道を「保障」しておき、人はそれを避けるようにすればいいという考え方に変わったと思われます。さらに、江戸時代になると、「金神」を讃えることによって幸せになると言う宗派も登場するようになったと思われます。「金神信仰」の変化をわたしなりに簡単にまとめてみましたが・・・・。