牛頭天王信仰とその周辺

牛頭天王(ごずてんのう)信仰とそれに関係する信仰や情報を紹介するブログです。

松本市周辺の牛頭天王信仰

2015-07-28 06:17:38 | 日記
松本市島立(しまだち)の天王祭(裸まつり)

松本駅から松本電鉄に乗り換え大庭駅で降ります。国道158号線(野麦街道)の信号をさらに北上し、堀米公民館(松本市大字島立堀米908-2)をめざします。その近くに津島神社が鎮座。大庭駅から徒歩約10分。

嬉しいことは、島立地区景観整備委員会が裸祭の説明板をつくり「津島牛頭天王社」とこの神社を称していることです。

毎年7月の第1日曜日に地域の少年たちが白ふんどし姿になって「津島牛頭天王」と書いた大きな幟を掲げて地域を練り歩き、疫病退散を願うとのこと。その後、境内わきの池の 中に入って体を清めます。長野県の無形民俗文化財になっている神事です。


岡田神社境内の牛頭 天王石碑

北松本駅より約3km。国道143号線を北上。岡田郵便局の先50mを左折して前進していくと、岡田神社(松本市大字岡田下岡田1395)の案内板が見えてきます。保食神を主祭神とする神社ですが、境内にはいくつもの祠や石碑があります。



そのひとつに「「牛頭天王」と書かれた石碑もあります。

島立の裸まつりの幟や岡田神社の石碑から、松本市周辺においても牛頭天王信仰が根付いていたことがわかります。

松本市の中核的神社は、市民芸術館の隣に鎮座する深志神社(松本市深志3-7-43))。主祭神は諏訪大社の祭神建御名方富命と、天神様と言われている菅原道真。境内の会館には「蘇民将来符」が飾られていました。

深志神社の出している説明文では「津島神社の御分霊をいただいてきて祀られたのが当神社の八坂さま・八坂祭の始まりです。」と述べていて、毎年7月中旬「八坂祭」と称してお祭りをしていることがわかります。当日は「八坂大神」と書かれた幟を持った子どもたちの参拝で境内はにぎわうとのこと。
明治維新政府の「牛頭天応信仰弾圧」により、神社側はいち早く牛頭天王の幟を「八坂大神」の幟に変えたのでしょうが、津島神社の御分霊をいただいたのであれば「津島さま」と言うべきと思われますがそうは言わず「八坂さま」と言うのですから面白いと思いました。