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社労士受験支援塾(三好塾)

社会保険労務士受験に役立つ情報をお伝えしたいと思っています。

(労働基準法の判例集(要旨)その4)男女同一賃金の原則ーその4

2007-12-31 02:57:20 | 判例集
(労働基準法の判例集(要旨)その4)男女同一賃金の原則ーその4


労働基準法第4条(男女同一賃金の原則)
使用者は、労働者が女性であることを理由として賃金について、男性と差別的取扱いをしてはならない。

男女同一賃金
東京地裁平成06.06.16判決
女子の大多数が非世帯主又は独身の世帯主であることを知りながら制定した世帯主に有利な賃金制度及び女子の本人給を男子のそれより低く抑えることを容認して決定された勤務地限定の基準は、労基法第4条違反無効である、

広島地裁平成08.08.07判決
被告は、現業部門の中途採用の従業員の初任給につき、男子従業員に対しては年齢のみを基準として初任給を決定しているのに、女子従業員には年齢を考慮せず、高卒の新入女子従業員の初任給しか支給していない。原告と年齢及び入社が一番近い男子労働者と比較しても、入社時には、同じ組立作業に従事していたこと、被告において初任給決定の際に入社前の経験や資格が考慮されていたという事実は認められないことから、被告における中途採用男女の初任給格差は合理的な理由が認められず、原告が女子であることのみを理由としてなされた不合理な差別であると認められる。右差別は労働基準法第4条に反し不法行為を構成する。

この項終りです

(担当:社労士久)

(労働基準法の判例集(要旨)その4)男女同一賃金の原則ーその3

2007-12-30 01:28:57 | 判例集
(労働基準法の判例集(要旨)その4)男女同一賃金の原則ーその3


労働基準法第4条(男女同一賃金の原則)
使用者は、労働者が女性であることを理由として、賃金について、男性と差別的取扱いをしてはならない。

男女同一賃金
東京地裁昭和61.12.04判決
採用手続、採用方法、担当する業務内容等に照らし、男女別コース制が公の秩序に反するとはいえず、同期入社、同学歴の男子職員と賃金、処遇を同一にすること求める女子職員の請求は認められない、

同前
賃金の引上げ率や一時金の支給率につき明白に男女別に定め、女子を不利益に扱っている協定の部分は、民法第90条(公序良俗)に反し、無効

鳥取地裁昭和61.12.04判決
県教委が設定した男女年齢差のある退職勧奨年齢基準は、専ら女子であることのみを理由とした差別であり、これに基づいて退職勧奨を行い、退職勧奨に応じなかった女子教員の退職手当につき優遇措置を講じなかったことは不法行為を構成する

続きます。

(担当:社労士久)

(労働基準法の判例集(要旨)その4)男女同一賃金の原則ーその2

2007-12-29 02:12:10 | 判例集
(労働基準法の判例集(要旨)その4)男女同一賃金の原則ーその2


労働基準法第4条(男女同一賃金の原則)
使用者は、労働者が女性であることを理由として、賃金について、男性と差別的取扱いをしてはならない。

男女同一賃金
仙台高裁平成04.01.10判決
女子であることのみを理由として妻たる行員を著しく不利に取り扱う給与規程及び男女の性別に着目して異なる扱いをする家族手当の支給基準は、労基法第4条に反し、公序良俗に反するものとして無効である。

東京地裁平成01.01.26判決
家族手当支給額を被扶養者数により減少する決定方式では、支給対象者を1人に絞ることはやむを得ず、収入の多い夫に支給することとした家族手当支給規程及び運用基準は、労基法第4条及び民法第90条(公序良俗)に違反せず、女性を不当に差別するものではない。

続きます。

(担当:社労士久)

(労働基準法の判例集(要旨)その4)男女同一賃金の原則ーその1

2007-12-28 05:16:06 | 判例集
(労働基準法の判例集(要旨)その4)男女同一賃金の原則ーその1


労働基準法第4条(男女同一賃金の原則)
使用者は、労働者が女性であることを理由として、賃金について、男性と差別的取扱いをしてはならない。

男女同一賃金
東京地裁平成04.04.27判決
女子労働者が男子労働者と質量ともに同等の業務になった時点で基本給の是正措置を講ぜずに賃金格差を生ぜしめたことは、女子であることを理由としたものであって、男女同一賃金に違反し不法行為にあたる

次回に続きます。

(担当:社労士久)

(労働基準法の判例集(要旨)その3)均等待遇ーその12

2007-12-27 00:51:43 | 判例集
(労働基準法の判例集(要旨)その3)均等待遇ーその12


労働基準法第3条(均等待遇)
使用者は、労働者の国籍、信条又は社会的身分を理由として、賃金、労働時間その他の労働条件について、差別的取扱をしてはならない。

5 均等待遇違反の成否(各論)
不成立例
札幌地裁昭和46.01.25判決
公務員が禁錮以上の刑に処せられて当然失職した場合には、退職手当の支給を受けられないという不利益を受けることもやむを得ないと解されるから、これを規定した国家公務員等退職手当法第8条(退職手当の支給制限)第1項第二号は憲法第14条[法の下の平等、貴族制度の禁止、栄典]、労基法第3条等に違反しない

東京地裁昭和59.03.29判決
一般の企業において、労務管理の一環として賃金や賞与の体系に職能給制度を採用し、使用者が労働者の賃金や賞与につき考課、査定を加味してこれを算定することによって生ずる労働者間の賃金格差は、均等待遇の原則に抵触しない。考課、査定の基準、方法が不合理、不適切でなく、労働者の日常の勤務態度を査定した結果生じた賞与支給率の中位者の賞与支給との格差が10%程度であれば、査定が裁量の範囲を越えて恣意にわたる不当なものとは認められない

東京地裁平成13.11.30判決
賃金は、契約自由の原則に従って当事者の合意により定まるのが原則であるから、同一の労働に従事している者が同一の賃金の支払いを受けられないことは、必ずしも不合理ではない

これでこの項終ります

(担当:社労士久)

(労働基準法の判例集(要旨)その3)均等待遇ーその11

2007-12-26 02:27:38 | 判例集
(労働基準法の判例集(要旨)その3)均等待遇ーその11


労働基準法第3条(均等待遇)
使用者は、労働者の国籍、信条又は社会的身分を理由として、賃金、労働時間その他の労働条件について、差別的取扱をしてはならない。

5 均等待遇違反の成否(各論)
不成立例
東京高裁昭和50.12.22判決
大学医学部付属の看護婦養成を目的とする学校の卒業生をその思想、信条等を採否判断の一つの要素若しくは間接の理由として大学が雇入れを拒否したことは違法ではない

京都地裁昭和45.01.23判決
新病院建設資金の借入先等の機密をもらした共産党員に対する懲戒解雇は有効

大阪地裁昭和42.01.27判決
勤務成績不良等を理由とした試用者に対する解雇は信条による差別的取扱いと認められない

なおも、続きます。

(担当:社労士久)

(労働基準法の判例集(要旨)その3)均等待遇ーその10

2007-12-25 01:42:14 | 判例集
(労働基準法の判例集(要旨)その3)均等待遇ーその10


労働基準法第3条(均等待遇)
使用者は、労働者の国籍、信条又は社会的身分を理由として、賃金、労働時間その他の労働条件について、差別的取扱をしてはならない。

5 均等待遇違反の成否(各論)
不成立例
神戸地裁尼崎支部昭和48.03.30判決
臨時工と本工との雇用期間の差は労働契約の内容の相違によるものであり、社会的身分による差別とはいえないから憲法第14条、労基法第3条に違反しない

東京高裁昭和48.12.13判決
職業安定所の紹介手続簡略化のため期間1月の契約を反覆締結した日雇労働者と正社員たる労務者との就労時間の差別は違法といえない

続きます。

(担当:社労士久)

(労働基準法の判例集(要旨)その3)均等待遇ーその9

2007-12-24 01:30:23 | 判例集
(労働基準法の判例集(要旨)その3)均等待遇ーその9


労働基準法第3条(均等待遇)
使用者は、労働者の国籍、信条又は社会的身分を理由として、賃金、労働時間その他の労働条件について、差別的取扱をしてはならない。

5 均等待遇違反の成否(各論)
成立例
大阪地裁昭和46.08.16判決
採用内定者に対する反戦団体加入を理由とする内定取消は無効

神戸地裁昭和59.05.18判決
共産党同調者である従業員に対して監視・孤立化等の労務施策を行うことは、従業員の思想、信条の自由を侵害し、名誉を毀損して違法

青森地裁平成05.03.30判決
専任職に発令された者の業績給の削減と賞与支給額の削減は、高齢を理由とするもので、本条の均等待遇の原則に反する

大阪地裁平成13.06.27判決
既婚女性が産前産後休業や育児時間の取得により労働の質及び量が大きく低下するとして、人事考課・査定を未婚者に対して不利にすることは、法律上の権利を行使したことで既婚者を差別することで、許されない

東京高裁平成13.04.17判決
賞与の支給条件として、出勤率を90パーセント以上とすることは、女子が産前産後の休業又は育児時間を取得することを不利にするもので公序良俗に反する

続きます。

(担当:社労士久)

(労働基準法の判例集(要旨)その3)均等待遇ーその8

2007-12-23 01:57:35 | 判例集
(労働基準法の判例集(要旨)その3)均等待遇ーその8


労働基準法第3条(均等待遇)
使用者は、労働者の国籍、信条又は社会的身分を理由として、賃金、労働時間その他の労働条件について、差別的取扱をしてはならない。

5 均等待遇違反の成否(各論)
[成立例]
東京高裁昭和43.06.12判決
学生運動に関する経歴は政治的思想、信条に関係のある事実であるからこれを入社試験の際秘匿することは許されるべきであり、これを秘匿し、虚偽の申立をしたからといって詐欺にも該当しないし、会社の申告を求める事項について虚偽の申告をした場合は採用を取り消すべき旨予告されていても、これを理由に雇用契約を解約することはできない

東京地裁昭和39.04.27判決
学生運動に携わっていたことを秘匿して入社を企図した不誠実さを理由としてなされた試用雇用者に対する本採用拒否は、合理的理由に基づかず、試用契約の本旨に反し無効

東京地裁昭和42.04.24判決
入社の際、政治的思想、信条にかかわりのある事実を秘匿したことを理由とする懲戒解雇は本条に抵触し、公序に違反するもので無効

東京地裁昭和39.04.27判決
選考面接の際に学生運動の経歴を秘匿していたことを理由とする試用者の解雇は違法

続きます。

(担当:社労士久)

(労働基準法の判例集(要旨)その3)均等待遇ーその7

2007-12-22 02:33:33 | 判例集
(労働基準法の判例集(要旨)その3)均等待遇ーその7


労働基準法第3条(均等待遇)
使用者は、労働者の国籍、信条又は社会的身分を理由として、賃金、労働時間その他の労働条件について、差別的取扱をしてはならない。

5 均等待遇違反の成否(各論)
[成立例]
横浜地裁平成06.11.15判決
共産党員である従業員について、職務任用に関する裁量の幅には当該従業員の職務遂行能力と勤務実績との関係で自ら一定の限度があり、これらの点について他の従業員と格段の相違がないにもかかわらず、政治的信条を理由に著しく低い考課査定をして低賃金に止めたときは、裁量権を逸脱するものとして労基法第3条に違反し、不法行為となる。

東京地裁昭和45.01.30判決
労働者の懐く信条の表現が企業の運営を著しく阻害する場合には、これを理由として労働者を差別扱いすることも許されるとしつつも、日中友好商社が従業員の中国批判思想を理由としてなした解雇は右の場合に該当せず、労基法第3条違反として無効

続きます。

(担当:社労士久)