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社労士受験支援塾(三好塾)

社会保険労務士受験に役立つ情報をお伝えしたいと思っています。

(労災保険法の通達集)第7条[保険給付の種類]その10

2010-04-30 02:44:15 | 通達集
条文は省略(その1を参照願います)

②通勤の途中において、労働者が逸脱、中断をする場合には、その後は就業に関してする行為というよりも、むしろ、逸脱又は中断の目的に関してする行為と考えられるので、これについては、通勤の実態を考慮して法律で例外が設けられ、通勤途中で日用品の購入その他日常生活上必要な行為をやむを得ない事由により最少限度の範囲で行う場合には、当該逸脱又は中断の間を除き、合理的な経路に復した後は通勤と認められることとされている。
    
「日用品の購入その他これに準ずる日常生活上必要な行為」の具体例としては、帰途で惣菜等を購入する場合、独身労働者が食堂に食事立ち寄る場合、クリーニング店に立ち寄る場合、通勤の途次に病院、診療所で治療を受ける場合、選挙の投票に立ち寄る場合等がこれに該当する。
    
なお、「やむを得ない事由により行うため」とは、日常生活の必要から通勤の途中で行う必要のあることを言い、「最少限度のもの」とは、当該逸脱又は中断の原因となった行為の目的達成のために必要とする最少限度の時間、距離等を言うものである

(昭和48.11.22基発(旧労働省労働基準局長名通達)第644号、平成03.02.01基発(旧労働省労働基準局長名通達)第75号)。

(2)出退勤の途中、理・美容のため理髪店又は美容院に立ち寄る行為
出退勤の途中、理・美容のため理髪店又は美容院に立ち寄る行為は、特段の事情が認められる場合を除き労災保険法第7条③但書に規定する「日用品の購入その他これに準ずる日常生活上必要な行為」に該当するものとする
(昭和58.08.02基発(旧労働省労働基準局長名通達)第420号)。

(3)帰宅途中、経路上の喫茶店でコーヒーを飲みながら40分程度過ごした場合
帰宅途中、経路上の喫茶店に立ち寄り40分程度過ごした行為は、「逸脱」又は「中断」に該当し、又、「日用品の購入その他これに準ずる日常生活上必要な行為をやむを得ない事由により行うための最少限度のもの」に該当しない
(昭和49.11.15基収(旧労働省労働基準局長が疑義に応えて発する通達)第1867号)。
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(労災保険法の通達集)第7条[保険給付の種類]その9

2010-04-28 01:42:52 | 通達集
条文は省略(その1を参照願います)

7 (「逸脱」、「中断」及び「日用品の購入その他これに準ずる「日常生活上必要な行為であって厚生労働省令で定めるものをやむを得ない事由により行うための最小限度のもの」の意義

(1)
①「逸脱」とは、通勤の途中において就業又は通勤とは関係のない目的で合理的な経路をそれることを言い、「中断」とは、通勤の経路上において通勤とは関係のない行為を行うことを言う。逸脱、中断の具体例をあげれば、通勤の途中で麻雀を行う場合、映画館に入る場合、バー、キャバレー等で飲酒する場合、デートのため長時間にわたってベンチで話し込んだり、経路からはずれる場合がこれに該当する。しかし、労働者が通勤の途中において、経路の近くにある公衆便所を使用する場合、帰途に経路の近くにある公園で短時間休息する場合、や経路上の店でタバコ、雑誌等を購入する場合、駅構内でジュースの立飲みをする場合、経路上の店で渇をいやすため極く短時間、お茶、ビール等を飲む場合、経路上で商売している大道の手相見、人相見に立寄って極く短時間手相や人相をみてもらう場合等のように労働者が通常通勤途中で行うようなささいな行為を行う場合には、逸脱、中断として取扱う必要はない。但し、飲み屋やビヤホール等において、長時間にわたって腰をおちつけるに至った場合や、経路からはずれ又は門戸をかまえた観相家のところで、長時間にわたり、手相、人相等をみてもらう場合等は、逸脱、中断に該当する。
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(労災保険法の通達集)第7条[保険給付の種類]その8

2010-04-26 02:19:10 | 通達集
条文は省略(その1を参照願います)

(2)マイカー通勤の労働者が、同一の約450m先にある妻の勤務先を経由する経路
マイカー通勤の共稼ぎ労働者が、妻の勤務先を経由するため、自分の勤務場所を通り越し、妻の勤務場所である約450m先へと走行する場合の経路は、特段の合理的な理由もなく著しく遠回りとなる経路をとったものとは言えず、合理的な経路と認められる
(昭和49.03.04基収(旧労働省労働基準局長が疑義に応えて発する通達)第289号)。

(3)マイカー通勤の共稼ぎ労働者が同一方向の1.5km先にある妻の勤務先を経由する経路
マイカー通勤の共稼ぎ労働者が、妻の勤務先を経由するため、3km迂回することは著しく遠回りとなる経路をとったものと言え、合理的な経路とは認められない
(昭和49.08.28基収(旧労働省労働基準局長が疑義に応えて発する通達)第2169号)。

6 (「業務の性質を有するもの」の意義)
「業務の性質を有するもの」とは、以上に述べた2から5までの要件を満たす往復行為ではあるが、当該往復行為による災害が業務災害と解されるものを言う。
具体例としては、従来からの取扱い通り、事業主の提供する専用交通機関を利用してする通勤、突発的事故等による緊急用務のため、休日又は休暇中に呼出しを受けて予定外に緊急出勤する場合がこれにあたる
(昭和48.11.22基発(旧労働省労働基準局長名通達)第644号、平成03.02.01基発(旧労働省労働基準局長名通達)第75号)。
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(労災保険法の通達集)第7条[保険給付の種類]その7

2010-04-23 02:19:38 | 通達集
条文は省略(その1を参照願います)

5 (「合理的な経路及び方法」の意義)

(1)「合理的な経路及び方法」とは、当該住居と就業の場所との間を往復する場合に、一般に労働者が用いるものと認められる経路及び手段等を言うものである。

①これを特に経路に限って言えば、乗車定期券に表示され、或いは、会社に届出ているような、鉄道、バス等の通常利用する経路及び通常これに代替することが考えられる経路等が合理的な経路となることは言うまでもない。又、タクシー等を利用する場合に、通常利用することが考えられる経路が二、三あるような場合には、その経路は、いずれも合理的な経路となる。又、経路の道路工事、デモ行進等当日の交通事情により迂回してとる経路、マイカー通勤者が貸切の車庫を経由して通る経路等通勤のためにやむを得ずとることとなる経路は合理的な経路となる。更に、他に子供を監護する者がいない共稼労働者が託児所、親戚等にあずけるためにとる経路などは、そのような立場にある労働者であれば、当然、就業のためとらざるを得ない経路であるので、合理的な経路となるものと認められる。逆に、上に述べたところから明らかなように、特段の合理的な理由もなく著しく遠回りとなるような経路をとる場合には、これは合理的な経路とは認められないことは言うまでもない。又、経路は、手段とあわせて合理的なものであることを要し、鉄道線路、鉄橋、トンネル等を歩行して通る場合は、合理的な経路とはならない。

②次に合理的な方法についてであるが、バス等の公共交通機関を利用し、自動車、自転車等を本来の用法に従って使用する場合、徒歩の場合等、通常用いられる交通方法は、当該労働者が平常用いているか否かにかかわらず一般に合理的な方法と認められる。しかし、例えば、免許を一度も取得したことのないような者が自動車を運転する場合、自動車、自転車等を泥酔して運転するような場合には、合理的な方法とは認められないことになる。なお、軽い飲酒運転の場合、単なる免許証不携帯、免許証更新忘れによる無免許運転の場合等は、必ずしも、合理性を欠くものとして取り扱う必要はないが、この場合において、諸般の事情を勘案し、給付の支給制限が行なわれることがあることは当然である
(昭和48.11.22基発(旧労働省労働基準局長名通達)第644号、平成03.02.01基発(旧労働省労働基準局長名通達)第75号)。
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(労災保険法の通達集)第7条[保険給付の種類]その6

2010-04-22 01:49:38 | 通達集
条文は省略(その1を参照願います)

4 (「就業の場所」の意義)

(1)「就業の場所」とは、業務を開始し、又は終了する場所を言う。
業務の意義については2の(1)の①で述べたところであるが、具体的な就業の場所には、本来の業務を行う場所のほか、物品を得意先に届けてその届け先から直接帰宅する場合の物品の届け先、全員参加で出勤扱いとなる会社主催の運動会の会場等がこれにあたることとなる。なお、外勤業務に従事する労働者で、特定区域を担当し、区域内にある数ヶ所の用務先を受け取って自宅との間を往復している場合には、自宅を出てから最初の用務先が業務開始の場所であり、最後の用務先が、業務終了の場所と認められる
(昭和49.11.22基発(旧労働省労働基準局長名通達)第644号、 平成03.02.01基発(旧労働省労働基準局長名通達)第75号)。

(2)事業場施設内の階段
事業場施設内の階段は、事業主の支配管理下にあり、住居と就業の場所との間の往復とは言えない
(昭和49.04.09基収(旧労働省労働基準局長が疑義に応えて発する通達)第314号)。
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(労災保険法の通達集)第7条[保険給付の種類]その5

2010-04-21 01:56:13 | 通達集
条文は省略(その1を参照願います)

3 (「住居」の意義)

(1)「住居」とは、労働者が居住して日常生活の用に供している家屋等の場所で、本人の就業のための拠点となるところをさすものである。従って、就業の必要性があって、労働者が家族の住む場所とは別に就業の場所の近くに単身でアパートを借りたり、下宿をしてそこから通勤しているような場合は、そこが住居である。更に通常は家族のいる所から出勤するが、別のアパート等を借りていて、早出や長時間の残業の場合には当該アパートに泊り、そこから通勤するような場合には、当該家族の住居とアパートの双方が住居と認められる。又、長時間の残業や、早出出勤及び新規赴任、転勤のため等の勤務上の事情や、交通ストライキ等交通事情、台風等の自然現象等の不可抗力的な事情により、一時的に通常の住居以外の場所に宿泊するような場合には、やむを得ない事情で就業のために一時的に居住の場所を移していると認められるので、当該場所を住居と認めて差し支えない。逆に、友人宅で麻雀をして翌朝そこから直接出勤する場合等は、就業の拠点となっているものではないので、住居とは認められない
(昭和48.11.22基発(旧労働省労働基準局長名通達)第644号、平成03.02.01基発(旧労働省労働基準局長名通達)第75号)。

(2)アパートの階段
アパートの場合、部屋の外戸が住居と通勤経路との境界であるので、当該アパートの階段は、通勤の経路と認められる
(昭和49.04.09基収(旧労働省労働基準局長が疑義に応えて発する通達)第314号)。

(3)一戸建ての屋敷構えの住居の玄関先
一戸建ての屋敷構えの住居の玄関先は、住居内であって、住居と就業の場所との間とは言えない
(昭和49.07.15基収(旧労働省労働基準局長が疑義に応えて発する通達)第2110号)。

(4)入院中の夫の看護のため妻が病院に寝泊りすることは社会慣習上通常行われることであり、かつ、手術当日から長期間継続して寝泊りしていた事実があることからして、被災当日の当該病院は、被災労働者にとって就業のための拠点としての性格を有する「住居」と認められる
(昭和52.12.23基収(旧労働省労働基準局長が疑義に応えて発する通達)第981号)。
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(労災保険法の通達集)第7条[保険給付の種類]その4

2010-04-20 01:43:09 | 通達集
条文は省略(その1を参照願います)

(2)業務終了後、事業場施設内で労働組合の用務を約1時間25分行った後の退勤
本件については、労働組合用務に要した時間は、就業との関連性を失わせると認められるほど長時間とは言えない
(昭和49.03.04基収(旧労働省労働基準局長が疑義に応えて発する通達)第317号)。

(3)業務終了後、事業場施設内でサークル活動を2時間50分行った後の退勤
本件において、サークル活動等に要した時間は、就業との関連性を失わせると認められるほどの長時間と言える
(昭和49.09.26基収(旧労働省労働基準局長が疑義に応えて発する通達)第2023号)。

(4)通勤における帰省先住居から赴任先住居への移動の場合であるが、実態等を踏まえ、業務に就く当日又は前日に行われた場合は、就業との関連性を認めて差し支えない。但し、前々日以前に行われた場合は、交通機関の状況等の合理的理由があるときに限り、就業との関連性が認められる
(平成18.03.31基発(旧労働省労働基準局長名通達)第0331042)。

(5)住居間移動における赴任先住居から帰省先住居への移動の場合であるが、実態等を踏まえて、業務に従事した当日又はその翌日に行われた場合は、就業との関連性を認めて差し支えない。但し、翌々日以後に行われた場合は、交通機関の状況等の合理的理由があるときに限り、就業との関連性が認められる
(平成18.03.31基発(旧労働省労働基準局長名通達)第0331042)。
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(労災保険法の通達集)第7条[保険給付の種類]その3

2010-04-19 01:52:02 | 通達集
条文は省略(その1を参照願います)


   
イ 次に所謂出勤の場合の就業との関連性についてであるが、所定の就業日に所定の就業開始時刻を目途に住居を出て就業場所へ向う場合は、寝すごしによる遅刻、あるいはラッシュを避けるための早出等、時刻的に若干の前後があっても就業との関連性があることは勿論である。他方、運動部の練習に参加する等の目的で、例えば、午後の遅番の出勤者であるにもかかわらず、朝から住居を出る等、所定の就業開始時刻とかけ離れた時刻に会社に行く場合には、当該行為は、むしろ当該業務以外の目的のために行われるものと考えられるので、就業との関連性はないと認められる。なお、日々雇用される労働者については、継続して継続して同一の事業に就業しているような場合は、就業することが確実であり、その際の所謂出勤は、就業との関連性が認められるし、また公共職業安定所等でその日の紹介を受けた後に、紹介所へ向う場合で、その事業で就業することが見込まれるときも、就業との関連性を認めることができる。しかし、公共職業安定所等でその日の紹介を受けるために住居から公共職業安定所まで行く行為は、未だ就業できるかどうか確実でない段階であり、職業紹介を受けるための行為であって、就業のための出勤行為であるとは言えない。

ロ 次に所謂退勤の場合であるが、この場合にも、終業後直ちに住居へ向う場合は就業に関するものであることについては問題がない。このことは日々雇用される労働者の場合でも同様である。また、所定の就業時間終了前に早退をするような場合であっても、その日の業務を終了して帰るものと考えられるので、就業との関連性を認められる。なお、退勤は1日について1回のみしか認められないものではないので、昼休み等就業の時間の間に相当の間隔があって帰宅するような場合には、昼休みについて言えば、午前中の業務を終了して帰り、午後の業務に就くために出勤するものと考えられるので、その往復行為は就業との関連を認められる。また、業務の終了後、事業場施設内で、囲碁、麻雀、サークル活動、労働組合の会合に出席をした後に帰宅するような場合には、社会通念上就業と帰宅との直接的関連を失わせると認められるほど長時間となるような場合を除き、就業との関連性を認めても差し支えない

(昭和48.11.22基発(旧労働省労働基準局長名通達)第644号、平成03.02.01基発(旧労働省労働基準局長名通達)第75号、平成18.03.31基発(旧労働省労働基準局長名通達)第0331042号)。
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(労災保険法の通達集)第7条[保険給付の種類]その2

2010-04-16 01:31:10 | 通達集
条文は省略(その1を参照願います)

2 (「就業に関し」の意義)
(1)「就業に関し」とは、移動行為が業務に就くため又は業務を終えたことにより行われるものであることを必要とする趣旨を示すものである。つまり、通勤と認められるには、移動行為が業務と密接な関連をもって行われることを要することを示すものである。
①ここで、まず、労働者が、被災当日において業務に従事することになっていたか否か、又は現実に業務に従事したか否かが、問題となる。この場合に所定の就業日に所定の就業場所で所定の作業を行うことが業務であることはいうまでもない。また、事業主の命によって物品を届けに行く場合にも、これが業務となる。また、このような本来の業務でなくとも、全職員について参加が命じられ、これに参加すると出勤扱いとされるような会社主催の行事に参加する場合等は業務と認められる。さらに、事業主の命を受けて得意先を接待し、あるいは、得意先との打合せに出席するような場合も、業務となる。逆に、このような事情のない場合、たとえば、休日に会社の運動施設を利用しに行く場合はもとより会社主催ではあるが参加するか否かが労働者の任意とされているような行事に参加するような場合には、業務とならない。ただし、そのような会社のレクリエーション行事であっても、厚生課員が仕事としてその行事の運営にあたる場合には当然業務となる。また、事業主の命によって労働者が拘束されないような同僚との懇親会、同僚の送別会への参加等も業務とはならない。さらに、労働者が労働組合大会に出席するような場合は、労働組合に雇用されていると認められる専従役職員については就業との関連性が認められるのは当然であるが、一般の組合員については就業との関連性は認められない。
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(労災保険法の通達集)第7条[保険給付の種類]その1

2010-04-14 02:05:01 | 通達集
法第7条[保険給付の種類]① 
この法律による保険給付は、次に掲げる保険給付とする。

一 労働者の業務上の負傷、疾病、障害又は死亡(以下「業務災害」という。)に関する保険給付

二 労働者の通勤による負傷、疾病、障害又は死亡(以下「通勤災害」という。)に関する保険給付

三 二次健康診断等給付

同② 
前項第二号の通勤とは、労働者が、就業に関し、次に掲げる移動を、合理的な経路及び方法により行うことをいい、業務の性質を有するものを除くものとする。

一 住居と就業の場所との間の往復

二 厚生労働省令で定める就業の場所から他の就業の場所への移動

三 第一号に掲げる往復に先行し、又は後続する住居間の移動(厚生労働省令で定める要件に該当するものに限る。)

同③ 
労働者が、前項各号に掲げる移動の経路を逸脱し、又は同項各号に掲げる移動を中断した場合においては、当該逸脱又は中断の間及びその後の同項各号に掲げる移動は、①第二号の通勤としない。但し、当該逸脱又は中断が、日常生活上必要な行為であって厚生労働省令で定めるものをやむを得ない事由により行うための最小限度のものである場合は、当該逸脱又は中断の間を除き、この限りでない。

通勤の範囲

1 (「通勤による」の意義)

(1)「通勤による」とは相当因果関係のあること、つまり、通勤に通常伴う危険が具体化したことをいう。

①具体的には、通勤の途中において、自動車にひかれた場合、電車が急停車したため転倒して受傷した場合、歩行中にビルの建設現場から落下してきた物体により負傷した場合、転倒したタンクローリーから流れ出す有害物質により急性中毒にかかった場合等、一般に通勤中に発生した災害は通勤によるものと認められる。

②しかし、自殺の場合、その他被災者の故意によって生じた災害、通勤の途中で怨恨をもってけんかをしかけて負傷した場合などは、通勤をしていることが原因となって災害が発生したものではないので、通勤災害とは認められない

(昭和48.11.22基発(旧労働省労働基準局長名通達)第644号、平成03.02.01基発(旧労働省労働基準局長名通達)第75号)

(2)ひったくりに起因する災害
大都市周辺の寂しいところに居住している女性労働者が、夜間退勤する場合には、その途上でひったくりに会い、その際に負傷することは一般にあり得ることであり、通勤に通常伴う危険が具体化したものと認められる
(昭和49.03.04基収(旧労働省労働基準局長が疑義に応えて発する通達)第69号)。

マイカー通勤者が、その通勤経路上において、通行を阻害している運行不能車を救助する行為は、善意行為というよりは、むしろ自己の通勤のための合理的な行為ということができ、その間に災害を被った場合は、通勤に通常伴う危険が具体化したものと認められる
(昭和49.09.26基収(旧労働省労働基準局長が疑義に応えて発する通達)第2881号)。
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