ちいチャンが小さい頃、道路を馬が歩いていました。
馬には、手綱を持って、付き添って歩いている人がいます。
馬は、本当にパッカパッカと音をたてて歩きます。
カポンカポン、という音にも聞こえます。
馬の後を後ろから歩いていると、突然の出来事に見舞われる時があります。
馬は、シッポをひょい!と上に持ち上げると、ボトボトボトとフンをするのです。
話に夢中になって歩いていると、出来立てのフンをグニャっと踏んでしまう危険があります。
出来立てのフンは、ホカホカと湯気が出ています。
子供たちの間では、
"馬のフンを踏むと背が伸びる"
とされていて、背の低いちいチャンは、馬のフンを踏む事にチャレンジしよう、と思っていました。
でも、ホカホカのフンはフニャフニャで、大量で、靴が汚れてしまいそうです。
ちいチャンは女の子だから、
(フンだらけの靴はイヤだなあ...。)
と、思いました。
馬のフンは、日にちが立つと、干からびたワラの固まりみたいになって、ちいチャンは、
(乾いたフンなら踏める!)
と、思いました。
そこで、乾いたフンの上を歩いてみました。
乾いたフンは、枯草の上を歩いているみたいで、靴も汚れませんでした。
(背、大きくなるぞ!)
ちいチャンは、ちょっぴり嬉しくなりました。