ちいチャン物語

きまぐれブログ。
絵のない絵本のような、小さい物語です。

ちいチャン物語(2)『雨上がりの水たまり』

2013年07月29日 19時44分25秒 | 日記

雨が上がったばかりの道には、水たまりがいっぱいです。
長ぐつをはいたちいチャンが、パシャンパシャンと水たまりに、ジャンプをしています。
こっちの水たまりに、ジャンプ、あっちの水たまりにジャンプ。
今度は、おおきな水たまりめがけて、ジャーンプ!!!
バッシャーン!!!ドブン!
長ぐつが、すっぽりと水たまりに入ってしまいました。
水たまりから歩き出すと、長ぐつの中の水が、ちゃぶんちゃぶんと音をたてます。
水の入った長ぐつは、ちょっと重いのです。
ちいチャンは小さいので、すぐに足が疲れてしまいました。
長ぐつを片方脱いで、中の水をジャー!と捨てました。
そして、もう片方の水もジャー!
水の無くなった長ぐつは軽くなり、ちいチャンは歩き始めます。
水たまりを見ながら歩くと、水たまりに雨上がりの青い空と白い雲が映っていました。
ちいチャンが歩くと、青い空がついて来ます。
ちいチャンが歩くと、白い雲がついて来ます。
(わあ~、お空がついて来る。)
まるで、ちいチャンと一緒に、青い空と白い雲が歩いているようです。
たち止まって、水たまりをのぞきこむと、ちいチャンの顔がそこにありました。
ちいチャンは、水たまりの中のちいチャンに、にっこりと笑ってみました。
水たまりのちいチャンは、にっこりと笑い返してくれます。
歩き始めると、長ぐつの中がぬるりぬるりとすべります。
ちいちゃんは、長ぐつをぬぐと両手に持ちました。
長ぐつをくるんくるんとまわしながら、歩きます。
ちいチャンの歩いた後ろには、引きずりながら持っていた傘が描いた一本線が、ずうっと続いていました。




コメント
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