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西東京市・北海道富良野の森林を舞台にした遺伝,育種,生態などに関する研究ノートの一部を紹介します

イネ科おそるべし

2007-06-20 | 研究ノート
・樹木園に直行。7月初めのブナの葉面積測定作業の打ち合わせ。流れ作業でやれば一日で終わるであろうとの、心強いお言葉を頂く。みんな手際がいいから、下準備をきちんとやっておかねばなるまい。ナラ試験地の奥のちょっとしたスペースを見に行く。奥に行くともはやイネ科雑草が繁茂している。車で通ると花粉がぶわっと舞い上がり、精神衛生上、よろしくない。

・帰りがけにスギ試験地を見るが、明らかに枯れているものが30個体はあろうか・・・。耐寒性の前に乾燥にやられるとは、やはりあの根の状態と保水剤をつけていなかったのが厳しかったようである。居室に戻ってなにやら連絡調整しているといつの間にか11時。なーんにもやっていないんですけど。朝一番で浴びた花粉のせいか、どうにも調子が上がらない。最近は鼻とか目というよりは、息苦しくなるような感じで末期的症状である。

・今更ながら岩田さんにSHAPEの使い方(面積の計算の仕方や主成分分析の結果の見せ方等々)をお聞きする。だいぶ思い出してきた。早速、アカエゾマツの画像データでやってみる。形については対称成分と非対称成分に分けた方がいいかもしれないというアドバイスを頂いた。そういえば、ヤチダモのときも分けて解析したんだった。今回の非対称成分は、アカエゾマツの葉をまっすぐに置かなかった(置けなかった)、という人為的なエラーによるものが大きいように思われる。

・葉面積の箱ひげ図を描くと、それなりに集団差(この場合は個体差)がありそうである。やっぱり低標高のヤツは長い葉をしているからねえ。しかし、高山帯よりはむしろ湿地帯の方が1枚の針葉の面積は小さい、と・・・ふうむ。各個体の採取高さや日当たりを揃えるようにしないと、こういう指標はかなりばらつくのであろう。物理的な問題(枝が高すぎて取れないとか・・・)がどれくらい生じるかが問題だな。



・針葉の形について、対称成分と非対称に分けて、主成分分析を行う。やはり非対称成分がかなり大きなウエイトを占めてしまう。が、対称成分のわずかな違いも楕円フーリエ記述子は見事に表現している。第一主成分と第二主成分で散布図を描くと、集団ごと(というか、今回は個体ごと)に結構きれいに分かれている。一方、非対称成分はといえば、当然、こうはならずにばらばらである。やっぱり”かたち”は面白い!これらのかたち成分が適応度にどう効いてくるかについては、今のところ全く不明だけど、かたちの微細な違いを見事に捉えるSHAPEってやっぱりすごい。