健康を科学する!

豊橋創造大学大学院健康科学研究科生体機能学のつぶやき

女性の方がストレス耐性がある

2013-07-21 08:30:24 | 研究
ラットをストレスにさらすと、メスの方がストレス耐性があることが分かったそうです(QLife Pro)。これは、女性ホルモンのエストロゲンが、ストレスから身を守るように働いていることが原因だそうです。障害物の位置などを覚えたラットに対して、身体の動きを1週間制限すると、オスでは障害物の位置を忘れてしまうという短期記憶に関する影響が出ましたが、メスは障害物の位置を忘れることがなかったというのです。ストレスを受けると、短期記憶を司る脳の前頭前野のグルタミン酸受容体にダメージが及ぶとされていますが、メスのラットではストレス下でもこの部分が無傷だったことになります。そして、卵巣で作られるエストロゲンの量を操作して、少なくすると雌のラットでもオスと同じように、短期記憶の能力が下がることが確認されたそうです。この研究結果の応用としては、卵巣を摘出した女性のストレス耐性を保つ目的で、エストロゲンを投与することが出来るかもしれませんし、エストロゲンのような脳の保護作用のある物質が分かれば、男性のストレス耐性を高めるために使うこともできます。今回の調査結果はストレスの多い現代において、価値の高い報告であると評価されているようです。
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King's College London

2013-07-20 08:30:35 | 研究
King' College Londonから本研究室を訪問していた一人の大学院生が、本研究室での活動を昨日終えました。3週間弱の滞在でしたが、ウェスタンブロッティングとリアルタイムRT-PCRの分析を一通りやり終えました。帰国後にレポートをまとめ、King's College Londonに提出すると共に、こちらにも結果をまとめて送ってくれることになっています。どうやら、論文にするならもう少し追加実験をする必要がありそうです。まだ、もう一人、あと1週間程度滞在する予定です。二人とも日本での研究生活はよい経験になってくれるものと思います。本研究室にとってもいい刺激になりました
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糖尿病患者へ生活習慣介入

2013-07-19 08:30:08 | 研究
興味深い記事を見つけました(QLife Pro)。過体重、肥満の糖尿病患者に対して生活習慣介入を行うと、体重が減少し心血管危険因子は改善するけれども、心血管イベントの低下は見られないということが、ランダム化比較試験の結果で明らかとなったというのです。過体重または肥満の糖尿病患者に対する減量指導は、血糖管理の向上や心血管危険因子プロファイルの改善、QOLの向上など利益につながるとされています。しかし減量が心血管リスクを低減するということを示したエビデンスはなかったそうです。そのため、過体重または肥満の糖尿病患者に対する、生活習慣介入が心血管死亡や心血管のリスクを低減するかどうかを調べる試験を行ったというのです。米国内16施設で患者登録を実施。条件としては45~75歳の糖尿病患者で、BMIは25以上、HbA1cは11.0%以下、収縮期血圧は160mmHg未満、拡張期血圧は100mmHg未満、トリグリセリド値は600mg/dL未満としたそうです。また心血管疾患歴に関する有無は問わなかったそうです。その結果5145人の患者を登録。摂取熱量を減らし運動量を増やして7%以上の減量を目指す生活習慣介入群と、食事や運動などの教育と支援を行う対照群に分けて、最長13.5年の追跡を計画。介入群は1日の摂取熱量は1200~1800kcal、または脂肪由来の熱量は30%未満とし、蛋白質から15%超の熱量を摂取する、食事代替型食品を使用する、中等度~高度の運動を週175分以上行うといったような生活改善を行うように指導。また対照群に対しては、4年目まで年に3回それ以降は年1回、食事、運動、社会的な支援などに関する情報を提供したそうです。その結果、介入群に表れた減量効果は、一般の糖尿病患者に対する生活改善指導によって得られる最大限のものと考えられたそうです。またこのような介入は糖尿病自体には好ましい影響を与えるが、10年弱の間に心血管イベントのリスク低減はできなかったということです。日本人でも同じなのでしょうか?
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優等生は喫煙率が低い

2013-07-18 08:30:42 | 研究
マドリッドの79の学校に通っている、高校生(平均16歳)3622人を対象に、本人の学業成績、両親の学歴や、親が喫煙を容認しているかどうか、また私立校と公立校の違いなどをアンケートにより分析したところ、優等生は喫煙率が低いという結果が得られたそうです(QLife Pro)。ティーンエイジャーは、周りの影響を受けやすいので、学校環境と同家庭環境が重要ですね。家庭環境と喫煙の関係では、喫煙学生の同居家族には、喫煙者がいる場合が多いそうです。また、親が煙草を吸うことを認めないとしている生徒たちの間では、喫煙容認の親がいる家庭の子どもたちと比べて明らかに喫煙率が下がっていたそうです。一方、学校での取り組みについては、学校単位での取り組みが熱心な場合、生徒の喫煙率が下がるという結果が出たそうです。登下校時のチェック、放課後の見回りなどの他、生徒を対象に喫煙の害についての講習を行ったりしている場合も、効果が見られたとも。一度吸い始めてしまうと、禁煙することには努力を要する人が多いですね。子どもたちが、将来「禁煙」しなくて良いように、タバコに手を出さないような環境を整えるべきであるとうことですね。
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厚生労働省がiPS臨床研究を了承

2013-07-17 08:30:28 | 研究
厚生労働省の詰問機関である厚生科学審議会科学技術部会は12日に、理化学研究所などが申請を行なっていたiPS細胞で、目の難病の一つである「加齢黄斑変性」を治療する臨床研究の実施を了承したというニュースが報道されました(QLife PRo)。これを受けて7月中にも厚労省が正式承認をすることになっており、加齢黄斑変性の患者を対象として来年の夏にも移植手術が行われる可能性が高いそうです。もちろん実施されれば、世界初です。成果が期待されます。
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鳥インフルエンザの死亡リスク

2013-07-16 08:30:06 | 研究
鳥インフルエンザによる症候性患者の死亡リスクは10万人当たり160~2800人と予測ほど高くないということと、高齢者が重症化しやすいということが、中国疾病対策センターのデータベースを解析した結果示されたそうです(QLife Pro)。この解析結果は、Lancet誌電子版に2013年6月24日にpublishされたそうです。また、5月28日までの中国全土の症候性感染者数は推定1500~2万7000人とも。鳥インフルエンザは、中国で2013年3月に流行が始まったのは周知ごとくです。当初報告されていた患者は重症の場合が多かったですが、流行が長引くにつれて軽症の感染者が存在することがわかってきたそうです。5月28日までに報告された確定例の中で6例は、インフルエンザ様疾患を対象とする定点観測により発見されているそうです。この6例の年齢は2~26歳で、肺炎発症は1例だそうです。著者らはデータベースから、2013年5月28日までの確定例131人の中で、症状に基づいて入院が必要と判断された123人について、死亡、機械的換気、入院のリスクなどを検討したそうです。入院患者の全てを入院6週の時点で死亡や回復に分類し、死亡例数を死亡+回復例数で除して表したそうです。また123人の入院患者全体ではICU入院と機械的換気使用、死亡を合わせたリスクは83%、75%、89%となり、高齢者の方がリスクは高かったそうです。この中でも除外された患者が8人おり、そのうち4人は軽症で、回復したのちに鳥インフルエンザ感染が明らかとなっているようで、残りの4人は観察目的で入院ということのようです。また感染確定例に接触した約2500人を追跡したそうですが、二次感染の可能性が高い患者は5人しかわからず、鳥インフルエンザのヒトからヒトへの感染能力は低いと考えられたそうです。他の調査で中国全土の症候性感染者数については、5月28日までで1500人となっており、症候性患者の死亡リスクは10万人のうち2800人と推定されているそうです。
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7月15日

2013-07-15 08:30:24 | 研究
今日、7月15日は祝日「海の日」ですね。皆思い思いに3連休最後の休日を有意義に過ごされているものと思います。本学では、授業日になっており、通常の月曜日と同じスケジュールで授業が行われます。ハッピーマンデーの影響で、月曜日に休みが集中してしまい、大学の半期授業回数15回を消化できないのために、祝日でも授業が行わるのです。本学では、祝日の授業は年間2回という制限を設けて、不足する授業回数は主として土曜日に設定される補講日で賄われています。さて、今日からまた一週間がんばりましょう。
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頭を使うと記憶力が・・・・・

2013-07-14 08:30:23 | 研究
頭の運動は、脳の若さを保つのに必要だとこれまでもいわれてきましたが、今回、本を読む、書きものをするなど、頭を使っている人は、本当に記憶力が高いことが報告されたそうです(QLife Pro)。対象となったのは、294名。調査開始の時から亡くなるまで、毎年一回、過去6年間を振り返るというものだそうです。参加者は平均89歳で亡くなっているそうです。また、読書や書き物など頭を使う活動について、子どもの頃、青年期、中年期、老年期でそれぞれ行っていたかどうかを質問。また、参加者が亡くなった後、調査チームでは、解剖を行い脳の記憶を司る部分の状態を確認。その結果、読書や書き物で脳を使う活動を、子どもの頃から行っている人では、そうでない人に比べて、記憶力の低下の割合が15%低くなることが分かったというのです。また、年をとってから脳を積極的に使っている人では、記憶力の低下の割合が32%低くなったそうです。逆に、全く頭を使う機会がなく過ごしている人では、記憶力の低下の割合が48%も早くなってしまうとも。頭を使うことは、脳の老化の防止に役立つとは良く言われていますが、今回、調査参加した方たちが、解剖にも協力してくださったことで科学的な裏付けを得られることになりったようです。
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皮膚細胞で体内時計を測定る

2013-07-13 08:30:02 | 研究
皮膚細胞を用いて体内時計を測る手法が開発されたそうです(QLife Pro)。皮膚細胞を培養し、発光遺伝子で可視化して体内時計の周期を測定するというものらしいです。夜勤従事者が就労者の20%以上に及ぶ24時間社会、夜型社会で不眠、過眠に悩む人は多いそうです。睡眠リズムの問題は概日リズム睡眠障害をはじめうつ病や認知症にも高率に認められ、精神疾患の再発リスクを高め、社会復帰を妨げていると言われています。体内時計の周期には個人差があり、その長短で寝起きのタイミングが決まります。周期に異常があれば概日リズム睡眠障害や冬季うつ病を発症。つまり体内時計の個々の周期を測定することが睡眠医療には欠かせません。これまでの体内時計の測定には特殊な施設や数週間の検査、24時間採血が必要で、臨床では困難でした。研究グループは視交叉上核内にある体内時計の中枢は測れないが、末梢細胞内にある時計遺伝子は調べられると考え、皮膚切片から培養した線維芽細胞に発光遺伝子を導入し、発光リズムの周期を測定した結果、個人の生体リズムの特徴を評価できるとわかったというのです。末梢時計リズムの周期がクロノタイプ(朝型夜型)や休日の睡眠習慣と相関することが確認できたそうです。一方、平日の睡眠習慣とは相関せず、平日は社会時間による縛りから自分の体質に合わない時間帯で就寝・入眠している人が多いと示唆されるそうです。今回確立した簡便な体内時計周期の測定法で、生体リズム障害の診断精度が向上し社会的時差ぼけを改善すると期待されるそうです。そして、いずれは個人にあった睡眠プログラムの提供も考えられるそうです。
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睡眠と心臓血管系病気のリスク

2013-07-12 08:30:37 | 研究
睡眠が心臓や血管の病気にどのくらい良いかということが報告されたそうです(QLife Pro)。睡眠時間が病気にかかるリスクや病気による死亡率を低下させることが分かったそうです。男性6672人、女性7967人の合計14639人を対象に調査したそうです。また、調査開始時の年齢は、20歳から65歳までだったそうです。この人たちのライフスタイルを12年にわたって追跡し、健康の5大要素がどのように働いているかを分析したそうです。十分な睡眠を取っている人と、睡眠障害、睡眠不足を抱える人たちを比べると、病気にかかるリスクが22%、心臓血管系の病気による死亡率が43%低くなることが分かったというのです。運動、食事、睡眠、節酒、禁煙という健康の5大要素を全て満たしたときでは、病気にかかるリスクが65%、病気で亡くなるリスクが83%低下するそうです。この数値を見ると、睡眠時間の及ぼす影響が強いことがわかります。
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