健康を科学する!

豊橋創造大学大学院健康科学研究科生体機能学のつぶやき

肥満に関する膜タンパク

2012-11-25 08:30:29 | 研究
2型糖尿病は、脂肪組織の慢性炎症が引き金となり、血液中のブドウ糖の量が増加することで発症します。そして肥満は、この2型糖尿病の主な危険因子となっています。肥満に関係があるとされるGタンパク質共役受容体(GPCR)の一種であるGPRC5Bに着目し検討したところ、細胞内シグナルの発信基地となる脂質ラフトと呼ばれる細胞膜上の特別な領域に局在するGPRC5Bが、シグナル伝達に重要な役割を担う酸化酵素と結合して酵素活性を制御していることを突き止めたそうです。GPRC5Bの機能や肥満との関連性を調べるため、GPRC5B遺伝子欠損マウスを作成し、この遺伝子欠損マウスと野生型マウスに高脂肪食を与えたところ、GPRC5Bを持つ野生型マウスは、太って2型糖尿病を発症したのに対し、遺伝子欠損マウスは太らず、血糖値も正常な値を示したそうです。エネルギーの消費と蓄積のバランスが崩れることによって、GPRC5Bが関係した脂肪細胞の慢性炎症を引き起こすメカニズムが分かったそうです。2型糖尿病の新しい治療戦略が開発されるかもしれないと期待できるそうです(医療介護CBニュース)。
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