古稀からの手習い 水彩ブログ

人生の第4コーナー、水彩画で楽しみたいと思います

誇らしきかな アビガンの他国への無償提供(安岡正篤先生詩「国旗」 霧島兵庫著「静かなる太陽」)

2020-04-06 06:59:10 | 書道
(半切大)
四海風波何日清
萬邦長為苦蒼生
日章旗表大平象
願使斯民輔聖明

[注]
四海:世界中 風波:波風 萬邦:多くの国 蒼生:一般国民
大平:太平 象:象徴 輔:たすける 斯民:国民 聖明:天皇


タイトルには何やら日本を誇らしげに謳う言葉、
そして画面には今回極悪犯人の漢語の詩、
一体どうなっているのだと思われたことかと思います。
まあ、お読みいただければと。


中国武漢発の新型コロナウイルス、あっという間に世界中に拡がり、多くの方が犠牲になっています。
いくつかの国はその存亡がかかり、世界の秩序も大きく変わろうとしています。
我が国も“緊急事態宣言”寸前のところで踏ん張っております。

テレビなどもこの話題ばかりで、ブログもアップするのを遠慮していました。
こういう時には、書道の練習と読書を、ということで、ここしばらくを過ごしておりました。

そんな折、私の中で、次のようなことが偶々一緒に思い浮かびました。
それは国旗とか国の誇りについてです。
先ず「国旗」について、偶然にもほぼ同じ時期(3月)に自分の中での共通のテーマになり、
そして今回の「アビガンの他国へ無償で」の話がこれと連動しました。


書の方は、親戚筋の人(安岡正篤先生とご縁のある)との、
つい最近のメールのやり取りの中で、
安岡先生の話を知り、その中に「国旗」なる作品(漢詩)があることを教えてもらいました。
ネットで調べましたら、同名のタイトルのものが二つあり、
そのうちの一つを草書体で書いてみました。
おそらく大戦の前かその途中で書かれたものではないかと思われ、
世界中が荒れ、多くの人が苦しんでいる時は
『日章旗を天下太平の象徴に』とのご趣旨を。
さすが歴代総理のご指南役をなされ、数々の名言を残されている安岡先生、
“荒んだ世界を救うのは日本だ”とのご気概が伝わってきます。

読書の方は、新進気鋭の作家・霧島兵庫氏の「静かなる太陽」(先月末発売)から、
こちらも「国旗」について、強く印象に残るものがありました。
約120年前、中国・清の都・北京へ日本の公使館付武官として赴任した陸軍中佐 柴五郎の話です。
日本をはじめとする列強11か国の公使館は、
同国で攘夷運動を激化させていた義和団から、更にはその後正規軍も加わった数万人から
執拗な波状攻撃を受けることとなります。
わずか500名足らずの公使館連合軍は、救援来着までの55日間、
まさに地獄の籠城戦を戦い抜きます。
この戦いを、控えめながら、終始リードしたのが柴中佐。
この柴中佐を通じて、列強各国は、日本という国に、絶大な信頼と尊敬を寄せることとなります。
(特にイギリスとはやがて日英同盟までに)
本小説最後の、中佐が北京を離れる直前のシーン。
狼藉を働く外国人に、それとなく「あるもの」を見せると、
そのものはそれを見ただけでは退散していく・・・。
「あるもの」は「旗の中央に太陽をかたどった赤い印」が入ったもの。
物言わずして放つ威厳ともいうべき「静かなる太陽」・・・という次第。


そして今回の「臨床研究に資するため、アビガンを他国へ無償提供」との政府の決定。
日本が開発したアビガン。それだけでも誇りですが、
今の治療薬ではもっとも有効性が高いとされ、各国も喉から手が出るほどに欲しい代物。
中国の製薬大手は、本薬の有効性が確認されたとして、
既に特許切れとなった後発薬品の量産に入ったとの情報も。
このように、各国各企業の開発競争は激烈を極め、
ドロドロした利権が渦巻くなかでの日本の決断。
当然“お人よしすぎる”とかの批判はあるでしょうが、
・・・臨床試験の段階といえ、希望する国には、無償で・・・
・・・控えめに、静かに、しかしKeyとなる真の力で、あまねく世界に貢献する・・・
ここに『日本』を感じ、素晴らしいこと、誇らしいことだと自分は思います。
治療薬もアビガンだけでなく他にもいろいろ期待できそうなのがあるようです。
また免疫学、遺伝子学などなど日本の医療に関する知恵と技術を結集し、
人類を救ってほしいと思います。


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2 コメント

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Unknown (mori)
2020-04-06 07:20:41
相変わらずの威風堂々とした書、辛苦をなめても挫けず静かに光り輝く肝心要なものを提供する魂(国旗)のコメント、混とんとしている状況下ですっきりしました。他がどのように考えようとこの魂で臨めば自分の人生は豊かになること間違いないと思います。
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Unknown (相模ノ介)
2020-04-06 09:08:37
国難ここに満つ令和2年の春、かの国から押し寄せる人類への災禍、立ち向かった先人の清冽な魂が感じられる「書」と思います。
解説を読み、久しぶりに日本人の誇りを思うひと時でした。
緊急非常のとき、戦後失われてしまったと心配される国民の公徳心、責任感、誇りが試されるのではないでしょうか、少しでも早い災禍の終息を祈ります。
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