冬木立
枯れ木の梢林の中で。
梢くん、寒いかい。
―そりゃ、寒いさ。
君は、天に向かって、ピンと立ってたんだね。
―ええ?
君は、今、素っ裸だからさ。
―ああ、骨だけだもんね。
葉が茂ってた君は、ずんぐりむっくりだったよな。
―全部そぎ落ちて、今は骨川筋エ門さ。
君の骨川筋エ門さんも素敵だぜ。
―そうかい。
寒いかい。
―寒いさ。君は?
寒くないサ。
―なぜ?
君の、ピンと立ってる姿、見てたら、ネ。
―俺、365日ごとに、裸になるんだ。
そうだったのかい。
―そう、365日でね。
で、今、君は、骨川筋エ門、ってわけ。
―これから、新しい葉を着る。のさ。
ぴんと立ってる君は凛々しい。ありがと。
ピュー、っと木枯らしが鳴った。
♪
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