一平のペンとギター

僕らしい小説を書き、僕らしい歌をうたう、ぞ♪、ペンとギターの一平です。ギター弾き語りと小説書きの二刀流。

樹。

2011-01-03 20:35:25 | Weblog

    冬木立

枯れ木の梢林の中で。

 

梢くん、寒いかい。

 ―そりゃ、寒いさ。

君は、天に向かって、ピンと立ってたんだね。

 ―ええ?

君は、今、素っ裸だからさ。

 ―ああ、骨だけだもんね。

葉が茂ってた君は、ずんぐりむっくりだったよな。

 ―全部そぎ落ちて、今は骨川筋エ門さ。

君の骨川筋エ門さんも素敵だぜ。

 ―そうかい。

寒いかい。

 ―寒いさ。君は?

寒くないサ。

 ―なぜ?

君の、ピンと立ってる姿、見てたら、ネ。

 ―俺、365日ごとに、裸になるんだ。

そうだったのかい。

 ―そう、365日でね。

で、今、君は、骨川筋エ門、ってわけ。

 ―これから、新しい葉を着る。のさ。

ぴんと立ってる君は凛々しい。ありがと。

  

   ピュー、っと木枯らしが鳴った。

           ♪ 

 

        

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