3年かかって、やっと書けた小説。
僕の「人生の分かれ道」になった、と今思える、あの出逢い。
あの出逢いを、僕は何故、あのように優柔不断に生きたのか。今だに、自分で説明がつかない。何故。それを、もう一度、真摯に、見つめたい。そう思って、書き出したのだった。
とにかく、がむしゃらに、小説の書き方もわからず、吐き出した。
書いては、かけなくなり、時間を置いて、また続けた。
書き溜めたものを、くっつけて、やっと、出来上がった。
3年かかった。原稿用紙、445枚。
昨年、400枚分を、とにかく、ある賞に応募した。
1等賞は1000万。
一次選考にも引っかからなかった。
もう一度、書き足して、推敲して、
僕の師匠に読んで頂いた。昔、芥川賞を受賞した老作家だ。
僕の作は、「小説以前」だ、と言われた。
自分史だ、と。しかし、作者にとって、大切で貴重な人生の証だ。
それは、大切にして、しまっておけばいい。
その証の中から、その材料の中から、素材を絞り、それを料理して、一品作る。
それが、「小説」です、と。
やっと、小説、がどんなものか、ということが、見えてきた。
本気で、志して、5年目。
今、僕は、一山、登った、という感じだ。そしたら、新しい山が現れた。
小説、を書こう。習作だ。
しかし、書きなぐる作業は、続けよう、と思う。
あの出逢いに始まった、僕の蹉跌の歩みの続き、を吐き出したい。
あと、500枚。さらに、500枚。
数年かかる。
作者と読者の間には、深くて渡れぬ「深い河」がある。
作者と主人公、登場人物の関係。
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自分史を書きなぐり、一品料理、の小説作品を作る、新たな旅に出ようと思う。