太宰治の生涯は、39年でした。昨日、36年と打ってしまいました。訂正します。太宰は30歳から35歳ぐらいまでの5年間、「聖書の知識」という雑誌を講読している。無教会派の内村鑑三の流れを汲む牧師さんが太宰宅に雑誌を届けてくれ、その時、牧師さんが「聖書の知識」について、太宰に熱心に説かれたようだ。太宰の作品に、聖書の引用が、よく出てくる。十字架の上のイエス、の姿、を太宰は仰いだであろう。太宰が心中した相手の山崎富栄は、僕は、もしかしたらクリスチャンだったのではないか、と思われる付しが、彼女の日記から伺える。
太宰は、かなり若い頃に聖書と出逢っていた、ようだ。
太宰が見つめたのは、人間の「弱さ」と「優しさ」だ、と、ゆりはじめ氏は言う。
僕は、自分の目で、太宰の作品を読みたくなった。できたら、全部。
昔、「走れメロス」と「人間失格」は読んだ記憶がある。が、まったく太宰の世界を僕は知らなかった。
「富士には月見草がよくにあう。」富士と桜、富士と梅、富士と朝日、富士と夕日、なら誰でも思い浮かべる。富士に月見草、は、やはり太宰の目だ。
「思い出」を読もう。
「青いブランコ」吉屋えい子さん作
もう一度、読みたい、そして、僕に直接、本を下さった吉屋さんに会いたい、話がしたい、と思った、のは10月の初め頃だった。
読んでみた。
作品の分析研究を試みた。構成、登場人物、背景、筋・・・。
無駄なく、きっちりしまっていて、コンパクトで、エマ先生(たぶん新人の先生)と子供たち(小学校1年生から3年生までの三年間)の交流が見事に描かれている。
半分以上は、エマ先生が一晩で見た夢。現実ー夢ー現実、という展開。
登場する子供の中で、わんぱく星(子供を吉屋さんは「星」と表現する)の存在が光る。「兎の眼」(灰谷健次郎)の、ハエ博士少年が浮かぶ。
教室の窓をたたく白鳥一家。
空を飛びたい、と夢見た少女の頃のエマ先生。水溜りに映ってる白い雲が好きだったエマ先生。
とぎれることなく降っているもろい結晶のレース。雪。寒い日の窓ガラスに結ぶ氷の華。あの神秘的な六角形の幾何学模様の氷の繊維でつむいだようなレースが、絶え間なく降っている。
少女の頃の夢ー空を飛ぶ夢ーが、夢の中で実現するが、悲しい結末。好きな子供たちが皆死んじゃった夢。先生を探しに雪の中を歩きつかれて・・。
「二十四の瞳」の、大石女先生に会いに、子供たちが岬の長い路をとぼとぼ泣きながら、歩いてゆく場面が、ダブる。
エマ先生が子供たちを愛していることが、子供たちがエマ先生を愛していることが、夢の中で子供が皆死んじゃうことで、強く伝わってくる。
エマ先生が、朝方、まだ暗い頃、目が覚めて、ライターを付けて、その炎をガスレンジに移す。
「カチッ」と火がつきました。
ー白鳥が夢の中でエマ先生を助けてくれたとき、「カチッ」と言う音がいつもし た。が、このライターの「カチッ」と言う音は、夢から覚めた現実の「カチッ」 だ。
夢だったことに気ずいたエマ先生。机にうつぶせになって、原稿用紙を広げたまま寝ていたのだった。子供たちと約束した秘密の贈り物の話は、これだ!
外が白けてきた。そろそろ出かけなきゃ。着替えて、ふと窓を開けると、
「うす暗がりに真っ白いものが、絶え間なく舞っていたのです。」
で終わる。
ステキだなあ。
●応募した「文学賞」の発表があった。
ひとつはインターネット上で。僕の名はなかった!
ひとつは、通知が来た。恐る恐る封を開けたらたら、「残念ながら落選しまし た。次回も是非、再挑戦していただけますよう・・・・」
前者は、「日本ラブストーリー大賞」
後者は、「坊ちゃん文学賞」
まだまだ、だめかあ!!!!
●♪ 一平のギター ♪
ついこの間、12月26日に、ギターを人様の前で弾いた。
僕が住んでいる町の駅近くに、僕が越してくるずっと前からやっている「うどん屋」さんがある。よく女房と食べに行く店。そこの主人が70歳だが、元気な人で、多彩な人である。老人ホームや小学校に呼ばれて、手品やマジックシヨー をしている。TVK(神奈川テレビ)や神奈川新聞にも紹介された人。
その人が、駅前にできた、スーパー浴場の寄席でマジックショーをやった。
そのマジックショーのバックミュージックを僕がギターで弾いた。
うどんを店で食ってたら、張り紙があった。
《ミスター○×斎、マジックショー △△の湯 12月26日》
主人に聞いたら、「私が、○×斎、デス、」という。
「いやー、僕も、ギターの弾き歌いをやってます。」
「いや先生、わしも若い頃、ギターの音色が好きで、わしの【珍弦斎】の【弦】はギターのゲン、ですねん」
「あー、そうですか・・・・」
「そうだ、先生、私のショーのとき、ギター弾いてくれますか?」
「もちろん」
ということになり、ギターを一度持ってきて弾いてくれや、それで決めるわ。後日ギターを持って行って、弾き歌ったら、OK。
「先生、一平さん、先生のわしの一座の名前考えたわ。【一弦斎】いちげんさい
は、どうや」
「その名、頂きます」
キンキラキンの派手な背広に、蝶ネクタイ。髯を付けて、中国人が被る真っ赤な帽子を被って、ギターを背負って、しぇしぇ・・と言って登場しました。
ショーでの一弦斎の曲は
♪「北の国から」のイントロ♪禁じられた遊び♪エデンの東♪グリンsリーブス
♪「空も飛べるはず」のイントロ♪母さんの歌♪月の砂漠♪ムーンリバー
でした。
出演料を頂きました。
出演が決まったとき、
「悪いけど、ノーギャラだよ先生、」
「いいです。よもちろん。ギャラ、だなんて」
だったのですが、出演料を頂いちゃって恐縮。
これで本が3冊は買える。
太宰は、かなり若い頃に聖書と出逢っていた、ようだ。
太宰が見つめたのは、人間の「弱さ」と「優しさ」だ、と、ゆりはじめ氏は言う。
僕は、自分の目で、太宰の作品を読みたくなった。できたら、全部。
昔、「走れメロス」と「人間失格」は読んだ記憶がある。が、まったく太宰の世界を僕は知らなかった。
「富士には月見草がよくにあう。」富士と桜、富士と梅、富士と朝日、富士と夕日、なら誰でも思い浮かべる。富士に月見草、は、やはり太宰の目だ。
「思い出」を読もう。
「青いブランコ」吉屋えい子さん作
もう一度、読みたい、そして、僕に直接、本を下さった吉屋さんに会いたい、話がしたい、と思った、のは10月の初め頃だった。
読んでみた。
作品の分析研究を試みた。構成、登場人物、背景、筋・・・。
無駄なく、きっちりしまっていて、コンパクトで、エマ先生(たぶん新人の先生)と子供たち(小学校1年生から3年生までの三年間)の交流が見事に描かれている。
半分以上は、エマ先生が一晩で見た夢。現実ー夢ー現実、という展開。
登場する子供の中で、わんぱく星(子供を吉屋さんは「星」と表現する)の存在が光る。「兎の眼」(灰谷健次郎)の、ハエ博士少年が浮かぶ。
教室の窓をたたく白鳥一家。
空を飛びたい、と夢見た少女の頃のエマ先生。水溜りに映ってる白い雲が好きだったエマ先生。
とぎれることなく降っているもろい結晶のレース。雪。寒い日の窓ガラスに結ぶ氷の華。あの神秘的な六角形の幾何学模様の氷の繊維でつむいだようなレースが、絶え間なく降っている。
少女の頃の夢ー空を飛ぶ夢ーが、夢の中で実現するが、悲しい結末。好きな子供たちが皆死んじゃった夢。先生を探しに雪の中を歩きつかれて・・。
「二十四の瞳」の、大石女先生に会いに、子供たちが岬の長い路をとぼとぼ泣きながら、歩いてゆく場面が、ダブる。
エマ先生が子供たちを愛していることが、子供たちがエマ先生を愛していることが、夢の中で子供が皆死んじゃうことで、強く伝わってくる。
エマ先生が、朝方、まだ暗い頃、目が覚めて、ライターを付けて、その炎をガスレンジに移す。
「カチッ」と火がつきました。
ー白鳥が夢の中でエマ先生を助けてくれたとき、「カチッ」と言う音がいつもし た。が、このライターの「カチッ」と言う音は、夢から覚めた現実の「カチッ」 だ。
夢だったことに気ずいたエマ先生。机にうつぶせになって、原稿用紙を広げたまま寝ていたのだった。子供たちと約束した秘密の贈り物の話は、これだ!
外が白けてきた。そろそろ出かけなきゃ。着替えて、ふと窓を開けると、
「うす暗がりに真っ白いものが、絶え間なく舞っていたのです。」
で終わる。
ステキだなあ。
●応募した「文学賞」の発表があった。
ひとつはインターネット上で。僕の名はなかった!
ひとつは、通知が来た。恐る恐る封を開けたらたら、「残念ながら落選しまし た。次回も是非、再挑戦していただけますよう・・・・」
前者は、「日本ラブストーリー大賞」
後者は、「坊ちゃん文学賞」
まだまだ、だめかあ!!!!
●♪ 一平のギター ♪
ついこの間、12月26日に、ギターを人様の前で弾いた。
僕が住んでいる町の駅近くに、僕が越してくるずっと前からやっている「うどん屋」さんがある。よく女房と食べに行く店。そこの主人が70歳だが、元気な人で、多彩な人である。老人ホームや小学校に呼ばれて、手品やマジックシヨー をしている。TVK(神奈川テレビ)や神奈川新聞にも紹介された人。
その人が、駅前にできた、スーパー浴場の寄席でマジックショーをやった。
そのマジックショーのバックミュージックを僕がギターで弾いた。
うどんを店で食ってたら、張り紙があった。
《ミスター○×斎、マジックショー △△の湯 12月26日》
主人に聞いたら、「私が、○×斎、デス、」という。
「いやー、僕も、ギターの弾き歌いをやってます。」
「いや先生、わしも若い頃、ギターの音色が好きで、わしの【珍弦斎】の【弦】はギターのゲン、ですねん」
「あー、そうですか・・・・」
「そうだ、先生、私のショーのとき、ギター弾いてくれますか?」
「もちろん」
ということになり、ギターを一度持ってきて弾いてくれや、それで決めるわ。後日ギターを持って行って、弾き歌ったら、OK。
「先生、一平さん、先生のわしの一座の名前考えたわ。【一弦斎】いちげんさい
は、どうや」
「その名、頂きます」
キンキラキンの派手な背広に、蝶ネクタイ。髯を付けて、中国人が被る真っ赤な帽子を被って、ギターを背負って、しぇしぇ・・と言って登場しました。
ショーでの一弦斎の曲は
♪「北の国から」のイントロ♪禁じられた遊び♪エデンの東♪グリンsリーブス
♪「空も飛べるはず」のイントロ♪母さんの歌♪月の砂漠♪ムーンリバー
でした。
出演料を頂きました。
出演が決まったとき、
「悪いけど、ノーギャラだよ先生、」
「いいです。よもちろん。ギャラ、だなんて」
だったのですが、出演料を頂いちゃって恐縮。
これで本が3冊は買える。