本家ヤースケ伝

年取ってから困ること、考えること、興味を惹かれること・・の総集編だろうか。

飛田東映上映中。

2009-04-25 07:03:21 | 
1.『男はつらいよ(第5作)望郷篇(1970年松竹)』

 この映画の前半の主役は当時北海道ではまだ現役だった蒸気機関車『D51 27』いわゆるデコイチだったと言ってよく、寅は物語の狂言廻しの役を務めているに過ぎない。
 デコイチの釜炊き青年の「油に塗れ額に汗して働く」姿に感化された寅が一念発起して「地道に真面目に働く」ことを決意し、柴又で俄然求職活動に励むが案の定悉く失敗し、失意の彼が江戸川の小船で転寝をしている間にロープが外れて流れ着く先が対岸の浦安。そこで母一人娘一人の豆腐屋に拾われて、束の間「額に汗して働く」が結局は・・・というのが後半のストーリーである。

男はつらいよ 望郷篇(1970) - goo 映画男はつらいよ 望郷篇(1970) - goo 映画

2.『紅姉妹(前編)』(新東宝)は、@nifty映画によると : ↓

 スタッフ・キャスト
[監督][原作][脚本]団鬼六
[製作]寺西正己
[脚本]亀井亨
[出演]小川美那子/沢木まゆみ/愛染恭子/港雄一 

 上映時間 105分 R-18

団鬼六が監督&脚本を兼ねて 自らのSM小説を映画化
SM文学の巨匠、団鬼六が自らメガホンを執ったVシネマの前後編を劇場用に再編集。悪徳高利貸しの罠にはまった美人姉妹の凄まじい運命を描く。原作は団鬼六の小説『肉体の賭け』。

ストーリー
SMクラブを経営する高利貸し、川村が逮捕された。彼は老舗料亭の婿養子に借金を負わせ、その妻、絹代と妹、久美子を我が物にしようとしたのだ。やがて警察の取り調べで巧妙に仕掛けられた事件の全貌が明らかになり……。

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 私はこの作家の小説は殆ど読んだことはない。彼は部類の将棋好きとしても知られているので、『団鬼六』の名前は『血涙十番勝負』とか、将棋関連でしばしば目にしていた。

 飛田で彼が原作のSM映画は以前一度見た記憶があるが、タイトルも監督の名も内容も覚えていない。
 今回は自らが脚本・監督までやったということで相当力を入れた作品ということだろうが、私としては別段いいも悪いもない「普通の(?)」SM作品だった。というか、日本には「映倫」という「自主検閲」の機関があってあれこれ事前にチェックを入れるので、異常さも怪異さも局部描写も、最初から全て毒が抜かれた状態でしか劇場には回って来ないとしたものである。
 で、今回(前編)は美人姉妹のうちお上品で和風美人のお姉さんの方が悪徳高利貸しらによって嬲り者にされるわけだが、後編では今度は空手を嗜むという武闘派の妹が毒牙にかかるわけだろうから、おじさんこっちも見てみたい気がして、今から涎を垂らしているのである。あへっ。

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3.『日本女侠伝』血斗乱れ花(1971年東映)。

 これは『日本女侠伝』というシリーズものの第四作目ということである。
 高倉健と藤純子の組み合わせというと全て悲恋に終わる。当代きっての美男美女が結ばれるハッピーエンドでは東映ヤクザ映画にならないってか、相思相愛の淡い恋心だけで終わるケースもあったんだろうか、今回は終盤健さんが未亡人の藤純子に告白しちゃったりするのである。(役名で書けってか、あちゃ。)
 明治中期、大阪船場の商家の二代目(津川雅彦)が「石炭」で一山当てる夢に憑りつかれ、おりょうはん(藤純子)が大晦日に工面した店の運営資金で九州筑豊に山を買うが、「炭」を掘り当てた直後落盤で命を落とす。山のイロハもわからぬ船場の女将が亡夫の意思を受け継ぎ、大阪の店を処分して山に入り、それを何かと手助けし地域ボスと闘うのが船頭の健さんというわけである。
 監督が山下耕作ということで、この人は海や川の「水」の描写が素晴らしいことで知られている。

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