本家ヤースケ伝

年取ってから困ること、考えること、興味を惹かれること・・の総集編だろうか。

円安インフレ下のスタグフレイション?!

2014-09-18 20:31:30 | 世界
 独立支持層が急伸(頭が痛いキャメロン英首相)/(C)AP
スコットランド独立なら超円安 スタグフレーション突入へ
日刊ゲンダイ:2014年9月18日

 スコットランド独立の是非を問う住民投票が18日に行われる。結果が出るのは日本時間19日の午後だ。

 直前に行われた英メディアの世論調査では、どこも独立賛成と反対が拮抗。英国のキャメロン首相は当地を訪れ、独立を思いとどまるよう、演説でこう懇願した。
「皆さんが、私を嫌いなことはわかってます。でも、現政権が永遠に続くわけではない。どうか、一時の好き嫌いで独立を選択しないでください」

 どこぞのAKBみたいなセリフには笑ってしまうが、それだけ切羽詰まった状況なのだ。それも遠い海の向こうの出来事だと、ノンビリ構えてはいられない。スコットランド独立となれば、日本経済は壊滅的な打撃を受けるからだ。金融関係者は固唾をのんで投票結果を見守っている。

「英国の政情不安でポンドが売られ、ドル買いが進んだ影響で円安に振れているのが現状です。スコットランド独立が決まれば、英国からの資金流出が加速する。米国の金利が上がっていることもあり、ますますドルの独歩高が進みます。その結果の超円安で、日本はスタグフレーションに突入してしまいます」(RFSマネジメント・チーフエコノミストの田代秀敏氏)

 今の107円水準でもコスト高で悲鳴なのに、これ以上の円安に中小企業は耐えられない。実質賃金も加速度的に目減りし、庶民生活は破綻に向かって一直線だ。

■独立運動は沖縄にも波及

「独立が成功すれば、スペインのカタルーニャやバスク地方、イタリア北部、ベルギーのフランドル地方など、各地の分離独立運動が勢いづく。あちこちで独立騒動が起これば、欧州は大混乱です。歴史的に、資本主義はおよそ10年に一度、大きな金融危機が起きていますが、リーマン・ショックからすでに6年。スコットランド独立を契機に、欧州危機、さらには世界金融危機に発展してもおかしくない。それに、欧州の独立運動は沖縄にも波及する。現に、『琉球独立』を唱えるグループは今週スコットランドを訪れて、現地の独立派と意見交換しています。スコットランド発の金融危機と独立運動の波が、瞬く間に世界中をのみ込んでしまうかもしれません」(田代秀敏氏)

 作家の佐藤優氏も、東京新聞のコラム(12日付)で「スコットランド情勢が今後、沖縄に無視できない影響を与える」と書いていた。こうした独立運動は、グローバリズムに対するアンチテーゼでもある。1%の富者がますます富んで、99%が不幸になるグローバリズム=新自由主義を推し進めてきたのが英国だ。それに対して、地方自治の充実を訴えたのが、スコットランド独立の動きで、これが現実になれば、資本主義を含め、世界は大きく変わっていくことになる。

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 以上引用終わり。
 
 >日本はスタグフレーションに突入してしまいます・・のスタグフレーションとは何かと言えば、「スタッグネイション(停滞)+インフレーション」を繋ぎ合わせた一種経済用語で、「景気が悪いにも関わらずインフレ物価高が進む」という最低最悪、踏んだり蹴ったりの経済状況を指して言うのが定番だが、こんな情況はそうそう簡単に惹起されるものではなく、戦争やら内戦やらで「政治」が極度の変調を来たしたときなどに起こりがちな過度の不況なのである。戦争も内戦もしていない我が国がそういう苦境にもし追い込まれ得る状態にあるとしたなら、これは相当国情が悪化しているのだということを我々は前もって熟知しておかなければならないということであって、言ってしまえば今の我が国は戦争状態同様なのである。そして財閥・大資本は(これは古典的過ぎる見解かも知れないが)通例、最後の破滅に到達するまで肥え太り続けるものなのである。

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とはサーチ」というところにはこうあった。 ↓

☆スタグフレーションとは、不況であるにも関わらず物価が上がり続ける状態のこと。

スタグフレーション(stagflation)とは、スタグネーション(stagnation:停滞)とインフレーション(inflation:物価上昇)を合成させた言葉で、景気後退局面にありながらもモノ不足によりインフレの状態となることを意味する。

過去の例で言えば、1970年代のオイルショックの際に原油価格が4倍に跳ね上がり、日本を含む多くの国がスタグフレーションに陥った。一般的に不景気の中ではデフレ圧力がかかりやすいが、賃金の上昇が見込めないにも関わらず物価が上昇することから、最悪の経済状態と言われている。別名、スランプフレーションとも。

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 スコットランドの分離独立問題に関して言うならば、私は「小国寡民」という『老子』に出て来る言葉から、古代中国の桃源郷的ユートピアを連想してしまう。

漢文塾というところにはこうあった。 ↓

老子 「小国寡民」 現代語訳

訳:蓬田(よもぎた)修一

<漢文>

小国寡民。
使有什伯之器而不用。
使民重死而不遠徙、雖有舟輿、無所乗之、雖有甲兵、無所陳之。
使民復結縄而用之、甘其食、美其服、安其居、楽其俗、隣国相望、鶏犬之声相聞、民至老死、不相往来。
(独立第八十)

<書き下し>

小国寡民。
什伯(じふはく)の器有れども用ゐざらしむ。
民をして死を重じんて遠く徙(うつ)らざらしめば、舟輿(しうよ)有りと雖(いへど)も、之に乗る所無く、甲兵有りと雖も、之を陳(つら)ぬる所無し。
民をして復た縄を結びて之を用ゐ、其の食を甘しとし、其の服を美とし、其の居に安んじ、其の俗を楽しましめば、隣国相望み、鶏犬の声相聞こゆるも、民老死に至るまで、相往来せず。

<現代語訳>

小国寡民

小さい国で、国民も少ない(のが理想的である)。
いろいろな器具があっても、使わせない。
国民たちに命の大切さを考えさせ、遠くへ移り住みたいと思わせないなら、車と小舟があっても、乗っていくことなく、鎧と武器があっても、並べ(て戦争す)ることがない。
国民に、再び縄を結んで約束の印とするようにさせ(そのような古代の生活に立ち返らせ)、食事をおいしく、服を美しいと思い、住まいに満足し、風俗を楽しませれば、隣国同士お互いに見渡せ(る近さで)、鶏や犬の声がお互いに聞こえる近さでも、人々は年老いて死ぬまで、お互いに行き来しようとしない。

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 世界には「小国寡民」的かどうか、「分離独立」しての「自治」を求める少数民族は今も数多いが、彼らは皆言わば「時代の流れ」に(不本意ながら)逆行している人たちである。人類の歴史はこれとは真逆に「連合~併合」の「大国化」の道をひたすら歩み続けて今に至っている。「多数」が優位・有利の位置を独占し、力の強い者が勝つ。勝って弱者を打ち倒し屈服させる道である。そこには道理も不条理もへったくれもあったものではない。

 スコットランド人は「大英帝国」に所属するよりは分離独立して北海油田を自分たちの専用にした方が遥かに経済効率は勝っていると考えているのだろうが、イングランド人たちが「はい、そうですか♪」と笑って「金蔓」を手放す筈もない。「見返り」が無ければ「独立」など遠い夢物語に終わるだろう。スコットランド人たちがとことん「独立」を希求するならイングランド側は「お前らの思うようにはさせない」とばかりにとことん「強圧的」な態度でこれを圧殺しようと臨むかも知れない。キャメロンがどうだとかいう問題ではないように私には思われるのだが・・。


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