本家ヤースケ伝

年取ってから困ること、考えること、興味を惹かれること・・の総集編だろうか。

UYOKUが行く♪

2007-10-08 10:25:49 | 社会



2007年10月6日(土)『沖縄タイムス』 朝刊 1・29面
文科相「元通り困難」軍強制 認めぬ見通し

検定撤回なお否定
 【東京】沖縄戦「集団自決(強制集団死)」への日本軍の強制を削除した教科書検定問題への対応で、渡海紀三朗文部科学相が県民大会決議に盛り込まれた「記述の回復」について、「完全に元通りにするのは難しい」との認識を周囲に伝えていたことが分かった。

 複数の政府、与党関係者が五日明らかにした。関係者によると、渡海文科相は「ニュアンスの問題はあるが、県民の意思がきちっと伝わる表現はできるのではないか」とも述べているという。

 政府、自民党は教科書会社からの訂正申請に柔軟に対応する方針を示しているが、検定前に使用されていた「軍による強制」の表現を弱めなければ承認されない見通しが強まり、記述の「原状回復」は困難な情勢だ。

 関係者によると、渡海文科相は、もう一つの大会決議の「検定意見の撤回」については、「検定への政治介入で制度を歪めることになる」として困難視。「(表現を弱めた形で)記述を回復することで、結果的に撤回になる」との判断を示しているという。

 また、民主党などが求めている検定制度の見直しは「そこに踏み込むと時間がかかり、問題が複雑化する」とし、否定的な見方を示した。

 渡海文科相は五日夕、首相官邸で町村信孝官房長官と会談し、検定問題について協議。「政治介入」とならない方法で、早急に対応する方針を確認した。

 渡海文科相は会談後、記者団に対し「原則を確認した。しっかり検定制度を守ることが一つのポイント」と述べた。

 今後の対応では「(来年度の教科書が印刷される)十二月まで引っ張っておくわけにもいかない。ゆっくりしてはいられない。『やれることは何か。こういうことはやれる』ということについて、できるだけ早く結論を出したい」との認識を示した。

     ◇     ◇     ◇     

軍強制記述「譲れず」

 「妥協はしない」。文部科学省が教科書検定で高校の日本史教科書から、沖縄戦の「集団自決(強制集団死)」に対する日本軍の強制を示す記述を削除した問題で五日、渡海紀三朗文科相が記述回復を「完全に元通りにするのは難しい」と困難視していることが分かり、「教科書検定意見撤回を求める県民大会」実行委員会関係者は決意を新たにした。一方で「言葉の選び方次第」と話す関係者もおり、反応に温度差が生じた。

 「検定意見撤回を求める気持ちで、あれだけの県民が一つになった。『気持ちを重く受け止める』のではないのか」。実行委副委員長の玉寄哲永県子ども会育成連絡協議会長は、驚きを交え語った。「記述は必ず元通りにしてほしい。国や政治家にいいかげんにあしらわれることは、絶対に許せない」と、強い怒りをにじませた。

 三日の文科相への要請で、思いの丈をぶつけた同副委員長の小渡ハル子県婦人連合会長。「あれだけ熱心に聞いてくれ、期待もしていたのに、どうしてそうなるのか。裏切られた気分だ」と憤慨する。「県民の思いが込められた大会決議は譲れない。今度は大勢で押しかけ、福田首相に会う」と決意を込めた。

 一方、実行委幹事の伊波常洋県議(自民)は「日本軍という主語さえはっきりさせれば、戦時下では関与も命令もほぼ同義ではないか。大会の第一段階としてはほぼ実を取った」と、一定の評価をした。「二度と同じことが起きないような検定制度づくりは次の闘い。国会などで論議されていく」との見通しを示した。

 「今は超党派で団結して政府にもの申すことが大事。県民の期待を裏切るような妥協は許されない」と、与党側の動きを懸念する実行委幹事の平良長政県議(護憲ネット)。文科相の認識について、「『記述回復はここまで』と口を出すこと自体が政治介入だ」と批判した。

 日本史教科書を執筆した石山久男歴史教育者協議会委員長は「検定意見を撤回させなければ、何も変わらないことがかえって明確になった」と指摘。「執筆者として、完全な記述の回復まで働き掛けを続けていく」と強調した。

 高嶋伸欣琉球大教授は、政府が一貫して「検定意見撤回は政治介入」としていることを、「自らの非を認めない、官僚や政治家の責任逃れだ」と批判した。「『県民の思いを重く受け止める』と、見せかけの言葉だけ。教科書会社任せで、政府や文科省が自ら改める姿勢は皆無だ」と手厳しい指摘を重ねた。

 「県や実行委関係者は『これで妥協すれば県民への背信行為』と腹をくくり、要請を続けてほしい」

反基地ネット文科省を批判

 あらゆる基地の建設・強化に反対するネットワーク(反基地ネット)の宮城清子共同代表らメンバー七人は五日、県庁で記者会見を開き、「『検定意見撤回』を拒絶した『政治的解決』は認められない」とする緊急声明を発表した。検定意見を維持しながら教科書会社から訂正申請があった場合は「丁重に真摯に対応したい」との渡海紀三朗文部科学相の発言を受けた声明で、あくまでも検定意見の撤回を求めている。

 声明では「検定意見がある限り、元通りの記述では申請できない」とする教科書会社の説明を紹介。その上で「政府・文科省側が検定意見を維持したままで、曖昧な決着を図ろうとしている」と批判した。

 宮城共同代表は、沖縄戦時中に軍の命令を受け、陸軍病院で戦傷者の手当てに当たっていたことに触れ、「当時はすべて軍の命令で動いた。毎日胸が裂けるほど怒りを覚えている」と、軍の「強制」を削除した教科書検定に抗議した。

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