本家ヤースケ伝

年取ってから困ること、考えること、興味を惹かれること・・の総集編だろうか。

脳の話題他。

2007-04-27 11:47:16 | 
  <脳>物の質感とらえる仕組み、NTT研などが解明
4月19日3時8分配信 毎日新聞

 人間が物の質感をとらえる仕組みを、NTTコミュニケーション科学基礎研究所(神奈川県厚木市)と米マサチューセッツ工科大の共同研究チームが明らかにした。脳や網膜は、画像の中で明るい部分と暗い部分がどう分布しているかによって、表面の光沢や明るさ、透明感といった質感を感じているという。この発見を応用すれば、簡単な画像処理で、質感をリアルに表現したり、自在に操ることができるという。18日付の英科学誌ネイチャーで発表した。
 同研究所の本吉勇・研究主任らは、物の表面に凹凸があり、明るさや光沢が異なるさまざまな画像で明暗の分布を調べた。すると、光沢が強く全体に暗い画像では、明暗の分布を示すグラフが明るい側に広がっていることが分かった。逆に分布の広がりが小さい場合には、光沢を感じにくくなる。網膜や脳内の視覚神経組織には、それぞれ明るい点や暗い点に反応する2種類の神経細胞(ニューロン)がある。研究チームは、これらの反応の強さのバランスによって、質感を知覚できるとみている。
 本吉さんは「物の質感は複雑な光学現象から生じるが、人間が質感を感じ取る仕組みは、意外に簡単だと分かった。この仕組みを応用すれば、低コストかつ高速で画像や映像の質感を変えられるようになる」と話している。【須田桃子】

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 このニュースは「物の質感」を捉える脳の働きに関する研究についてのものだが、一頃「脳の話題」と言えば「キレル」若者についての考証をモチーフとするものが大勢を占めていた。若者に限らず、現代人の「病める心」の問題を「脳の働き」に置き換えて探求して行くと、あまりにも当然ながら「我々自身の生活習慣がこの病的状態を惹起しているのではないか」という疑問に直面せざるを得ないということのようである。

 結論として、日光も浴びず、家族を含む他人と語らいもせず、ひたすら自室に篭ってテレビ・ゲーム・パソコンetcに入り浸る日々が「脳内物質のバランス」に変調をもたらし、それが「欝病」や「キレル若者」を導く主要因になっていると指摘されるわけであるが、これはこれで立派に科学的かつ合理的な説明になっていると思う。

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 *以下はAll About 健康・医療からの引用である。↓

 A ドーパミン
「快」に関わる脳内物質。この分泌が多いと、食欲や性欲がわき、やる気がみなぎる。

B ノルアドレナリン
ネガティブな気持ちを引き起こす脳内物質。この分泌が多いと、不安やストレスが増す。

C セロトニン
平常心をもたらす脳内物質。この分泌が多いと、ストレスに対して動じない心をもたらし、頭のさえた、冷静な状態を保つ。

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 *今度は『「心を癒す脳内物質」を増やす砂糖の大切な役割』からの引用。↓

  脳の神経伝達物質であるセロトニンには気持ちを落ち着かせ、心をリラックスさせる働きがあります。このセロトニンが不足すると、うつ病の原因にもなってしまいます。
 セロトニンは、タンパク質に含まれるトリプトファンというアミノ酸から作られます。そして、トリプトファンを脳に優先的に運ぶためには、ブドウ糖の働きが必要です。
 しかし、トリプトファンは体内ではつくれないため、必ず肉、魚、卵、牛乳などのタンパク質を含む食品から摂取しなければなりません。一方、炭水化物であるブドウ糖をすばやく摂取するには、消化吸収の速い砂糖が効果的です。ですから、食事で肉や魚などのおかずを食べた後に、砂糖入りの甘いデザートを楽しむと、トリプトファンとブドウ糖を同時に摂取することができます。その結果、効率的に脳内物質セロトニンが作られ、心が癒されるのです。
 このように砂糖を上手に摂ることで、気持ちがリラックスし、うつ病にもよい影響を与え、心を安定させる素晴らしい効果が得られるのです。

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cf.佐賀大学脳神経外科オフィシャルサイト

 cf.気持ちよかったりキレたりするのは脳内物質のバランスひとつ。

 *脳内物質と心の変化←ここではパチンコする人の心理の変化を追った実験結果等、なかなか面白く興味深いことが語られている。

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 *『脳内物質セロトニン』は脳内で作られる。食物から摂取することは出来ないのだが、この材料となるトリプトファンはとなると今度はビタミンC同様ヒトの体内では合成出来ない。つまり肉・牛乳・魚・卵等を食べ取り込まないとセロトニンは作れないのである。植物系では唯一(かどうか)バナナからも摂取可能らしいが、みんながみんなバナナを常時食べ続けているわけではないので、セロトニンの合成は基本的には肉食前提である。この事実は私には意外だった。

 *系統樹を見ると我が人類と最後に袂を別ったのはチンパンジーだが、彼らは雑食性である。野生のチンパンジーが他のエイプを捕食することは、我々もビデオ等を見てよく知悉している。他のオスが生ませたチンパンジーの子供を捕食することもあるようだが、これは殺して「血統を断つ」のが主眼で「食べる」ことがメインではないだろうと、私は勝手に人道主義的(?)解釈をしている。

 かつてニューギニア原住民の中には「人肉嗜好」の文化・風習を持つ種族もいたが、彼らは死去した勇者の魂を体内に取り込むための一種宗教的儀式の一環として、喜んで勇者の脳髄を吸い込んだりしたらしい。
 そう言えば日本でも「三ケ日原人」の頭蓋骨の化石に異常な陥没があって、これも古代に「人肉嗜好」があったことの証左ではないかと昔騒がれたことがあったが、あれはその後何か結論のようなものは出たのだろうか。

 *『アンデスの聖餐』や『天明の飢饉』のような絶対的な飢餓に直面しての食人もカニバリズム(人肉嗜好)に分類される。
 『アンデスの聖餐』は1972年10月に起きた事件を映画化したものだが、当時のローマ法王は「人の死骸を食べた者も破門しない」と追認したので『聖餐』と呼ばれたのである。

 *武田泰淳『ひかりごけ』も食人をテーマにした小説だが、これに関しては松岡正剛が面白い。

 ひかりごけ(1992) - goo 映画ひかりごけ(1992) - goo 映画

 脳の話の筈がカニバリズムにまで行ってしまったが、多分この話は以前このblogでも取り上げていたと思う。同工異曲てか、ぁそ♪あちゃ。


 


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