悲しみは時間がいやしてくれる、と言うが、確かにその通りだ。
先週はほぼ毎日悲しみに暮れていたが、今週は先週ほどではないのだ。
先週はまだ生きていてああだったこうだったと思い出しては泣いていたが、
今週は、ああ先週にはもういなくなっていたのだ、そんなに時間が経ってしまった?
と、確実に時間は、別れの時から流れていくものなのだ、と知った。
時は別れを過去に押しやる。
それまでの時代と、それからの時代。
玄関の扉を開けると、カチャカチャと爪の音がしてあの子が顔を覗かせるのでは、と期待する。
だけど期待してもそれは叶わない。もう過ぎてしまった日々のことだから。
時は経ってしまったし、時は絶対に戻らない。
今ほどそれを思い知らされる時はないと感じている。