山本幸三の「何であんな黒いのが好きなのか」はどう弁解しようと、アフリカとアフリカ人に対する明快な差別

2017-11-26 10:45:02 | Weblog
 
 2017年11月25日付「The Huffington Post」記事が同日付「朝日新聞デジタル」記事をネタ元に前地方創生相、自民党衆院議員(福岡10区)の山本幸三のアフリカに関する問題発言を伝えていた。山本幸三は周知のように安倍晋三の加計学園獣医学部新設認可への政治関与に一枚噛んでいると疑われていて、疑惑隠蔽側の主要人物の一人として大活躍した人物。   

 11月23日に北九州市で開催の福岡9区自民衆院議員三原朝彦の「政経セミナー」での挨拶。三原朝彦の国内視察に同行したことを話した後で次のように発言したという。

 山本幸三「三原氏はアフリカが好きで、何であんな黒いのが好きなのか、と思っていた」

 山本幸三の同じ発言を伝えている他の記事によると、三原朝彦はアフリカ各国との交流や支援活動を行っていると触れているから、このことに関係した発言ということになる。

 取材に対して。
 
 山本幸三「『黒いところのとこ(場所)が好きなのか』と。三原氏とは、ほかの色々なところに一緒に行ったが、アフリカ大陸だけはついていけない。遠いところだし」

 11月25日に福岡市での自民党福岡県連のセミナーに出席した際、取材に対して釈明。

 山本幸三「アフリカ大陸のことを表現した。差別的なことを意図しているわけではない。表現が誤解を招くということであれば撤回する」 

 山本幸三の事務所「アフリカが『黒い大陸』『暗黒大陸』と表現されたことが念頭にあっての発言で、黒人を指して言ったわけではない」

 要するに山本幸三の頭にあった「何であんな黒いのが」と言っている認識対象は「黒い大陸」、あるいは「暗黒大陸」のことであって、「黒人を指して言ったわけではない」ということになる。

 では、釈明時の認識対象を用いて山本幸三の発言を翻訳してみる。

 山本幸三「三原氏はアフリカが好きで、何であんな黒い大陸(あるいは暗黒大陸)が好きなのか、と思っていた」

 事実その通りとしよう。

 ネットで「暗黒大陸」の言葉の意味を一応確認してみた。

 【ピクシブ百科事典】

 1.アフリカ大陸の俗称。内陸の地理が不明だった事に起因する。

 「goo辞書」

 《文明から取り残され、世界に知られていなかったところから》かつてのアフリカ大陸のこと。

 「Weblio辞書」

 かつてのアフリカ大陸の俗称。内陸の地理が不明だったことによる。

 「コトバンク」

 《文明から取り残され、世界に知られていなかったところから》かつてのアフリカ大陸のこと。

 「地理不明」という意味と、「未開」という二つの意味を併せ持った言葉となっている。但し「未開」とは欧米と比較した文化・文明の初期的な段階にあった状態――“未だ開かれていない状態”のことであって、知能の優劣を指す言葉ではない。

 このことは、全てのアフリカ諸国がそうなっているわけではないが、多くの国での発展著しい現状が証明している。

 と言うことは、山本幸三は「黒い大陸」、あるいは「暗黒大陸」と呼称されていた頃のかつてのアフリカ、“未だ開かれていない状態”のアフリカを持ち出して、交流や支援活動に取り組む対象に値しないと三原朝彦に疑問を投げかけたことになる。

 この思考様式にアフリカに対する差別意識の存在を否定することはできない。かつてのアフリカを現在の評価とすること自体が“未だ開かれていない状態”に置いたままの思考停止ということになって、そのこと自体が自ずと差別意識を介在させていることになり、単なる認識不足で済ますことはできない。

 そしてアフリカに対する差別意識はアフリカ人に対する差別意識を対応させる。

 要するに「何であんな黒いのが」の「黒いの」が「黒い大陸」、あるいは「暗黒大陸」を認識対象としていたのだとどう釈明しようが、アフリカやアフリカ人に対する差別意識が言わせた言葉であることに変わりはない。

 山本幸三はアフリカを差別的に見ることによって、そのようなアフリカに対して交流や支援活動に取り組んでいる三原朝彦を侮ったのである。

 アフリカに対する差別意識がなく、それぞれが国の発展に務めている姿に対してそれ相応の敬意を払っていたなら、三原朝彦の努力をも敬意を払ったはずで、「好きなのか」といった言葉は出てこない。

 山本幸三は自身が言ったとおりに「黒いのが」は「アフリカ大陸のことを表現した」言葉であって、事務所が説明した「黒い大陸」、あるいは「暗黒大陸」を意味させた言葉ではないと言い繕うかもしれないが、東京大学理科一類から経済学部を経て卒業した教養があって然るべき69歳にもなる大の大人がアフリカ大陸を「黒いのが」と表現すること自体、差別用語に当たり、差別用語であることは「黒い」と表現したアフリカを「何であんな」と侮蔑的な否定語で強調していることが補強することになる。

 山本幸三はアフリカを差別した自身の問題発言を巧妙に言い逃れたと思っているだろうが、この言い逃れの巧妙さは安倍晋三の政治関与が限りなくクロに近い状態で疑われている加計学園獣医学部新設認可での安倍晋三擁護発言、あるいは行政を歪めていないとしている発言にも利用されている可能性を推量させることになる。

 簡単に言うと、山本幸三の発言は信用できないということである。

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