《9月13日午後4時12分》発信――《平成25年 台風第18号に関する情報 第2号》(気象庁予報部発表)
《台風18号が発生》(NHK NEWS WEB/2013年9月13日 4時46分)
《9月13日(2013年)午前3時》――小笠原諸島の近海で台風18号が発生。
中心気圧――1000ヘクトパスカル
最大風速――18メートル
最大瞬間風速――25メートル
中心から半径280キロ以内――風速15メートル以上の強風
時速――15キロ/時
進路――小笠原諸島に近づき、その後、日本の南の海上に進むと予想。
記事添付の画像は「16日3時」の時点で中部から関東を暴風圏に入れ、そのままの進路を取れば東北・北海道を巻き込んでいくことを予想している。
(見出し)
台風第18号は15日にかけて日本の南を北上し、16日にかけて東日本太平洋側にかなり接近するおそれがあります。西日本から東北地方にかけての広い範囲で太平洋側を中心に、16日にかけて大雨のおそれがあります。近畿地方から東北地方にかけては暴風が吹き、海は大しけとなるところがあるでしょう。
(本文)
[台風の現況と予想]
台風第18号は、13日15時には小笠原近海にあって、1時間におよそ30キロの速さで西北西へ進んでいます。中心の気圧は994ヘクトパスカル、最大風速は18メートル、最大瞬間風速は25メートルで、中心から半径330キロ以内では風速15メートル以上の強い風が吹いています。
台風第18号は今後次第に勢力を強め、15日にかけて暴風域を伴いながら日本の南を北上し、16日にかけて東日本太平洋側にかなり接近するおそれがあります。
[防災事項]
近畿地方から東北地方にかけての太平洋側では、暖かく湿った空気が流れ込むため、台風接近に先行し15日には局地的に非常に激しい雨が降るでしょう。その後、16日にかけて雨は降り続き、西日本から東北地方の広い範囲で大雨となるおそれがあります。
近畿地方から東北地方では、台風の接近に伴い次第に風が強まり、16日は非常に強い風が吹き、暴風となるところがあるでしょう。太平洋側を中心に、海上では、15日はうねりを伴いしけとなり、16日にかけて大しけとなるところがあるでしょう。
[補足事項]
今後の台風情報や、地元気象台が発表する警報、注意報、気象情報に十分留意してください。次の「台風第18号に関する情報(総合情報)」は14日5時頃に発表する予定です。
「大雨のおそれ」、「暴風」、「勢力を強め」とその発達、局地的な激しい雨、広範囲な大雨等々を予報している。
近年異常気象続きである。当然、土砂災害や洪水、河川決壊・堤防決壊等の万が一を想定し、その備えをしなければならない。自衛隊は要請があればいつでも出動できる態勢に入り、各地の消防にしても、準備体制に入ったはずだ。
《9月13日午後8時43分》――安倍晋三、首相官邸発(時事ドットコム/「首相動静(9月13日)」より)
《9月13日 午後10時2分》発信――《台風18号 本州の太平洋側に接近か》(NHK NEWS WEB)
〈台風は15日から16日にかけて、次第に勢力を強めながら東海や関東など、本州の太平洋側に近づくおそれがあります。
また、15日は近畿から東北にかけての太平洋側を中心に暖かく湿った空気が流れ込んで大気の状態が不安定になる見込みで、局地的に非常に激しい雨が降るおそれがあります。
さらに、16日にかけては西日本と東日本、それに東北の広い範囲で雨量が多くなり、各地で大雨になるおそれがあります。
太平洋沿岸では15日にかけて波やうねりが高くなるほか、16日には近畿から東北の各地で非常に強い風が吹いてところによって大しけとなる見込みです。〉――
気象庁発表の台風情報を記事にしているのだから、内容は同じになるが、記事添付の画像は18号の進路が最初よりも少し西側に傾いて四国方面に向かう形を一旦取った上で、暴風域の左側を列島に差し掛けながら、列島に添うように北東に進んでいる。
安倍晋三は国民の生命・財産を預かる最終責任者として、被害の程度を予想しながら、台風18号の情報に接していたはずだ。接していなければならない。
《9月13日午後10時20分》――安倍晋三、山梨県鳴沢村の別荘着。(時事ドットコム/「首相動静(9月13日)」より)
《9月14日午前8時5分》――安倍晋三、別荘発。
《9月14日午前8時11分》――安倍晋三、同村の鳴沢ゴルフ倶楽部着。
《9月14日午後4時43分》――安倍晋三、同所発。
9月14日午前8時11分から9月14日午後4時43分まで、途中で昼食に1時間取ったと仮定して、約7時間30分近くゴルフを愉しんだことになる。
《「ちょっと右だねえ」首相がゴルフでリラックス》(MSN産経/2013.9.14 22:51)
〈この日は小雨模様で肌寒かったが、紺のシャツ、白いズボン姿の首相は、ショットした後に「ちょっと右だねぇ」と言って周囲の笑いを誘うなど、終始リラックスした様子だった。〉――
《2013年9月14日 18:13》発信――《台風18号、日本の南を北上 東海や近畿を中心に猛烈な雨の予想》(FNN)
9月14日午後の気象庁記者会見。
徳田留美日本気象協会気象予報士「この台風18号なんですが、ここ最近では、2012年9月に発生した台風17号に進路が似ています。共通する特徴として、台風の接近前から、広い範囲で、大雨になるおそれが考えられます。今近づいている18号の進路図と比べてみますと、進路が似ていることがわかります。
2012年の17号では、山梨や静岡、鹿児島などで記録的な大雨となりました。鹿児島では、降り始めからの雨量が400mmを超えて、沖縄や三重では、川に流されるなどして、2人の死者が出ました。関東を通過した際には、交通機関に大きな影響が出ました。
今回もこのコースを通れば、台風の接近前の15日から四国から東北にかけての広い範囲で、大雨に警戒が必要で、局地的に強まるおそれがあります。風も、15日から次第に強まります。関東でも影響がありそうです。台風の最も接近する16日には、立っていられないくらいの暴風が吹き荒れて、交通機関が大きく乱れる可能性があります。3連休のお出かけを予定されている方は、十分にご注意ください」――
「ここ最近では、2012年9月に発生した台風17号に進路が似ています」と言うことなら、2012年9月発生台風17号の情報を把握しておかなければならない。「Wikipedia」から見てみる。
〈9月17日にグアムの東側で形成が始まり、21日3時にフィリピン東方の北緯13度30分、東経131度40分のフィリピン海で熱帯低気圧から台風になった。当初は南西に進んだのちに停滞する動きを見せたが、台風となってからは急速に発達。その後、北に向かって進路を変えた。
24日21時には中心気圧が910hPaまで低下、中心付近の最大風速は55メートル、最大瞬間風速75メートルの大型で猛烈な台風となってフィリピンの東をゆっくりと北上、25日6時には中心気圧905hPa、中心付近の最大風速55メートル、最大瞬間風速80メートルまで成長した。
台風は28日に中心気圧920hPa、中心付近の最大風速50メートル、最大瞬間風速70メートルの勢力を保ったまま先島諸島に接近し、石垣島では午後4時49分に最大瞬間風速50.6メートルを観測した。台風は進路を北東寄りに変えて29日には沖縄本島を通過、那覇市で午後1時23分に最大瞬間風速61.2メートルを観測するなど猛威を奮い、30日には速度を早めながら本州の南の太平洋上を北東に進んで紀伊半島の潮岬をかすめた後、午後7時頃に愛知県豊橋市へ上陸した。上陸時の勢力は中心の気圧975hPa、中心付近の最大風速35メートル、最大瞬間風速は50メートルで、時速50km。
その後、さらに速度を早めた台風は午後9時に山梨県甲府市近郊、10月1日午前0時には福島県会津若松市に達し、午前5時頃には青森県八戸市の東の海上へ抜けた。〉――
今回の18号も愛知県豊橋市付近に上陸となっている。9月16日の午前8時前だそうだ。
台風17号愛知県豊橋市上陸時の勢力。
中心気圧975hPa
中心付近最大風速35メートル
最大瞬間風速は50メートル
時速50km
台風18号愛知県豊橋市付近上陸時の勢力。(「NHK NEWS WEB」から)
中心気圧は965ヘクトパスカル
中心付近最大風速30メートル
最大瞬間風速45メートル
中心南東側110キロ以内と北西側70キロ以内風速25メートル以上の暴風
時間45キロ
17号よりもやや弱めだが、それでも最大限の警戒で備えなければならない大型の台風であることに変わりはないはずだ。
上記「FNN」記事は気象庁記者会見が9月14日午後となっていて、正確な時間は分からないが、記事の発信は午後6時13分。午後5時前後であったとしても、安倍晋三がゴルフ場を離れたのは午後4時43分で、それ程の差はない。
しかし、こういった情報は首相官邸危機管理センターが気象庁の記者会見前に2012年9月発生台風17号の情報と共に気象庁から報告を受けているはずで、もし気象庁の方で17号分は用意していなかったなら、危機管理センターの方から要求して出させて、双方の情報を併せて首相に報告していなければならないはずだ。
首相官邸危機管理センターとは、〈政府の危機管理活動の中枢となる施設。首相官邸の地下1階にあり、平時から24時間体制で情報を収集。緊急事態発生時には、内閣危機管理監・内閣官房副長官補(安全保障・危機管理担当)の指揮下、官邸連絡室・官邸対策室が設置される。災害が極めて激甚な場合は、内閣総理大臣によって緊急災害対策本部が設置される。〉とインターネットで紹介している。
緊急事態の種類は、〈地震災害、風水害、火山災害等の大規模な自然災害、航空・鉄道・原子力事故等の重大事故、ハイジャック、NBC・爆弾テロ、重要施設テロ、サイバーテロ、武装不審船や弾道ミサイル等の重大事件、新型インフルエンザの発生等、国民生活を脅かす様々な事態〉まで含んでいると「内閣官房」のHPに記してある。
もし首相は別荘に休養に行ったのだからとか、ゴルフを愉しんでいるのだからと、あるいは被害が出るにしても出るのは15日午後から16日の1日だと予想して情報伝達を遠慮したとしたら、国民の生命・財産を守る最終責任の機能を周囲の方から一時的に停止させたことになり、重大問題となる。
《9月15日午後1時48分》――安倍晋三、東京・富ケ谷の私邸着。(時事ドットコム/「首相動静(9月15日)」より)
確かに台風が日本列島上で勢力を振るう時間帯には東京にいたことになる。だが、ギリギリまでゴルフを愉しむ、あるいは別荘で休養を取り、被害が出る頃には東京に戻っていれば問題はないという姿勢は許されるだろうか。
この姿勢は危機管理の姿勢だけではなく、国民に対する姿勢ともなるからだ。
このことは次のことについても言うことができる。
《9月16日午前11時》――安倍晋三、文書で指示。
《安倍首相、台風被害対応を関係省庁に指示》(時事ドットコム/2013年9月16日14時44分)
安倍晋三が〈台風18号の接近による被害状況を把握し、関係省庁が一体となって対応するよう米村敏朗内閣危機管理監に文書で指示〉、〈あわせて被災者の救命・救助や住民の避難に万全を期し、国民への情報提供に努めるよう求めた。〉
《9月16日午後1時過ぎ》――安倍晋三、米村氏を首相公邸に呼び、被害状況や対応について説明を受ける。(同記事)――
事後対応の指示を出し、説明を受けることで首相としての役割は滞りなくこなしていくことができるだろう。だが、被害状況の把握、事後対応の指示内容、被災者の救命・救助、住民の避難、国民への情報提供は各司々(つかさつかさ・各省庁)が刻々と万全を尽くしていく当たり前のことであって、首相が指示を出して把握を開始することでもなく、関係省庁が一体となって対応を開始することでもない。
それを安倍晋三が指示を出して、そのリーダーシップのもと、関係部署が動くかのように装う。
ここにも国民に対する姿勢がどのようなものか、誠実なものか、不誠実なものか窺うことができる。
2013年8月14日の当ブログ記事――《安倍晋三の8月4日豪雨被害山口・島根視察は8月10日夏休みゴルフのための通過儀礼だったのか - 『ニッポン情報解読』by手代木恕之》に書いたが、安倍晋三は8月9日(2013年)、秋田、青森、山形、福島が豪雨に見舞われて、大きな被害を出した翌日の8月10日から夏休みを取り、その8月10日の初日早々に東北地方の被害を他処に同じ山梨県鳴沢村の別荘近くのゴルフ場でゴルフに打ち興じて、民主党幹部から批判を受けている。
これも、至って誠実な国民に対する姿勢として問われなければならない問題であるはずだ。