安倍晋三の福島汚染水対策「責任を完全に果たしていく」が佐藤福島県知事に念を押されて炙り出された実行力

2013-09-10 04:33:25 | Weblog

 

 安倍晋三はアルゼンチン・ブエノスアイレスIOC総会日本時間9月7日夜東京招致最終プレゼンテーションで福島原発の汚染水について次のように発言している。

 安倍晋三「フクシマについて、お案じの向きには私から保証をいたします。状況は、統御されています。東京には、如何なる悪影響にしろ、これまで及ぼしたことはなく、今後とも、及ぼすことはありません」(NHK NEWS WEB)――

 東京は安全だ、悪影響は福島県内にとどまっていると言っている。東京にまで来ませんよと。

 そしてプレゼンテーション後の質疑。

 安倍晋三「(汚染水問題の)抜本解決に向けたプログラムを私が責任を持って決定し、既に着手している。責任を完全に果たしていく」(NHK NEWS WEB

 汚染水に関してはノープロブレムだ、心配するなと約束している。

 さらに現地時間9月7日夜(日本時間9月8日午前)の東京開催決定後の内外記者会見に於ける質疑。

 ビタール・アルゼンチン・クラリン紙記者「先ず最初にお祝い申し上げたい。質問だが、福島第一原発の汚染水問題を如何に解決するのか」

 安倍晋三「先ず、健康に対する問題は、今までも、現在も、これからも全くないということははっきりと申し上げておきたいと思う。

 さらに、完全に問題ないものとする抜本解決に向けたプログラムを既に政府は決定し、かつ、既に着手している。私が、責任をもって、実行していく」(首相官邸HP

 「抜本解決に向けたプログラム」によって「完全に問題ないものとする」と東電福島第1原発の汚染水に関わる放射能を完全にコントロールすることを約束しているが、最終プレゼンテーションで「東京には、如何なる悪影響にしろ、これまで及ぼしたことはなく、今後とも、及ぼすことはありません」と東京中心主義で断言していることから判断すると、ニュアンスとしては7年後のオリンピック開催までに東京という空間では放射能は「完全に問題ないものとする」――心配ないものとするという意思をより優先させた発言となるはずだ。

 安倍晋三のこれらの発言に対して佐藤雄平福島県知事は9月9日、県庁内で開かれた会議でオリンピック東京開催決定を歓迎しつつ、念を押している。

 《「国際公約果たして」=汚染水問題で福島県知事》時事ドットコム/2013/09/09-11:25)

 佐藤福島県知事、「国際公約になったのだから、約束を果たしていただきたい」――

 普段から実行力を伴う約束を見せられていたなら、いわば約束が信用できる状況になっていたなら、相手は首相である、「約束を果たしていただきたい」などと念を押すだろうか。

 福島の現場から見たなら、約束が信用できない性格のものと化しているからこそ、念を押すことになるはずだ。約束とその具体化の格差を見せつけられているということでもあるはずだ。

 要するに「約束を果たしていただきたい」との念押しは、前民主党政権に於いても同じことが言えるはずだが、自民党安倍政権が復興政策で打ち出した約束の実行力の程度を佐藤知事は意図しないままに炙り出したことになる。

 この炙り出しは汚染水問題で試験操業中断中の佐藤弘行相馬双葉漁業協同組合長(57)も意図しないままに行っている。

 佐藤弘行相馬双葉漁業協同組合長「発言は歓迎するが、本当に実行してくれるのか。発言の通りにやってくれれば、操業再開の追い風だ。早急に発言した通りの対策を実行してもらいたい」(YOMIURI ONLINE

 安倍晋三が原発問題に関しては約束が信用できる人という評価を現地の人間に与えることができていたなら、このような念押しはしないだろう。逆に約束が信用できない人となっているからこそ、強く念を押すことになる。

 安倍晋三は2020年オリンピック・パラリンピック東京開催決定後の記者会見で、自身の汚染水に関わる発言が理解されたと述べている。

 安倍晋三「福島の課題や問題に対する答えはできた。懸念は完全に払拭(ふっしょく)できたのではないかと思う。会場の皆さんからは私が質問に答えたあと、拍手をもらうことができた。私たちは福島と東北を復興させていくことで、世界からの支援に応えていきたい」(NHK NEWS WEB)――

 だが、福島の現場では安倍晋三の実行力は疑問符付きで迎えられている。

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