安倍晋三の大ボラ吹きが露わとなった交流サイト「リンクトイン」投稿文

2013-07-02 05:13:16 | 政治

 安倍晋三は先ずは日本の教育が抱える様々な問題点を解決していくことを先決課題としなければならないはずだが、解決する方策も見つけることができていないにも関わらず、「成長戦略スピーチ」等で「世界に勝てる大学改革」とか、「世界に勝てる若者の育成」、「世界に勝てる人材の育成」等々、教育が抱える問題点を飛び越えて「世界に勝つ」を基準とした勇ましいことを盛んに言っているが、あるいは満足な外交もできてもいないのに、「世界地図を俯瞰する視点による戦略的な安全保障外交の展開」とか、言葉だけ立派なことを言っているが、教育の実態、外交の実態からかけ離れたその言葉に大ボラ吹きの印象を兼々持っていた。

 それが今回、まさに大ボラ吹きだと証明するヘマを今回やらかした。

 《安倍首相、交流サイト投稿で勇み足 発送電分離めぐり》asahi.com/2013年7月1日20時49分)

 カリフォルニア州サンタモニカの企業が起こし、約2億2500万人登録のビジネスに特化した交流サイトだそうだが、オバマ米大統領も参加している「リンクトイン」に安倍晋三が今回初めて英語で投稿したという。

 安倍晋三「我々は2013年度に(電力)市場の自由化と発送電分離を前に進めることに成功した」

 実際には「発送電の分離」等を盛り込んだ「電気事業法改正案」は第183回国会の会期末6月26日に安倍晋三に対する問責決議が参議院本会議で可決されて国会が閉会したため廃案となったのだから、「前に進めることに成功した」は一国の首相が虚偽情報を流したことになる。

 但し、訂正したそうだ。

 安倍晋三「私たちは発電事業と送電事業を分離することにした」

 だが、正確に言うと、分離はまだ決まっていない。現時点では目標に過ぎない。にも関わらず、決定事項であるかのような言葉の遣い方をしている。

 要するに一度犯したヘマを可能な限りヘマと思わせない形で訂正するためには前の虚偽情報に近い表現を用いざるを得ず、決定事項であるかのような文言となってしまったのだろう。

 ゴマ化しとなってしまった事実を誤魔化すためにゴマ化しを用いたといった格好だ。

 記事は虚偽情報となった経緯を内閣官房国際広報室の話として解説している。

 〈官邸スタッフが法案成立を前提とした和文を業者に渡し、英訳を委託。先月26日の国会閉会で廃案になったため和文を修正し、28日に首相が決裁した。だが、英訳までは決裁しておらず、修正し忘れた〉云々。

 英文発表であるにも関わらず、和文は修正したが、英文までは修正しなかったとは、何という間の抜けた話だ。

 百歩譲って、「電気事業法改正案」成立を前提として投稿した早トチリに過ぎないとしても、何事もメリット・デメリットがある。すべてがメリットで成り立つわけではない。

 法律が例え成立したとしても、その法律が発送電分離を理想の形で進める保証までするわけではないということである。

 例えば送電は大きなコストがかかる上に利益を上げにくいということで公営がいいとされていると言うことだが、公営となると、そこに経産省その他からの天下り、利権、縦割りが生じない保証はない。

 そのような弊害が生じた場合、発電の自由化による競争原理が働いて電力料金が安くなったとしても、送電に支払う電力料金は高いままということも起こり、プラスマイナスが相殺されることも否定できない。

 また、再生可能エネルギーは電力会社が買い取り、その費用は電力料金に上乗せされるが、この上乗せ金額も発電の自由化による電力料金の低下を相殺する可能性も否定できない。

 いわばプラス・マイナス、あるいはメリット・デメリットが存在し、例え「電気事業法改正案」が成立して発送電分離という形式を整えることができたとして、電力部門の運営次第、送電部門の運営次第で、発送電分離の形式に相応しい内容にまで到達せず、発送電分離の形式と国民生活の利益に乖離が生じた場合、「(電力)市場の自由化と発送電分離を前に進めることに成功した」という言葉は結果の成功も含むはずだから、例え前に進めたとしても、「成功」という成果にまで踏み込んで結果を約束することはできないことになる。

 当然、「成功した」と結果を約束すること自体、既に大ボラ吹きとなっている。

 後になって、「前に進めることに成功した」が、結果は様々な欠点が生じることになったということは許されないはずだ。

 アベノミクスにしても、6月26日の第183通常国会閉会に際しての記者会見で、「私たちの政策は間違っていない。この道しかない、そう確信をしています」と全面的に成果を約束していることも同様で、アベノミクスがメリットのみで成り立つわけではなく、そこにデメリットも併せ持つことになる以上、デメリットの痛みを受ける層も生じることになって、全面的成果は大ボラを吹いたと言ってもいいはずだ。

 現在、一般的な生活者が円安による輸入食料品の値上げでデメリットを受けているが、そのデメリットがそのまま続く可能性も否定できない。

 安倍晋三が勇ましく言っていることのその殆どと言っていい程、大ボラだと断言しても過言ではない。

コメント (7)
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