明治29年の三陸地震で岩手県、宮城県を中心に死者が約2万2千人近く、岩手県だけで1万2千人弱、田老地区のみで1859人の被害を出したことからだろう、岩手県宮古市田老町は湾の入り口を左右から囲む形で海の中に築いた堤防とは別に、〈「日本一の防潮堤」、「万里の長城」と言われる高さ10メートル、上辺の幅約3メートル、総延長約2・4キロ〉(asahi.com)の頑強にして重厚長大な防潮提を津波の脅威から街自体を囲んで護る形で築造したが、今回の地震・津波によって決壊、甚大な被害を蒙ったことは既存の重厚長大なだけの堤防が巨大地震・巨大津波に対して決して万能ではないことを否応もなしに教えた。 |