高火って聞いたことがあるでしょう?
昭和20年代、南紀の疎開地のお盆は、夕方になると、竹を立てます。
火を乗せる下の一回りだけ、笹を残して、竹柱のようにスクッ!と天に向かいます。
夕焼けの真っ赤な空が、皆の家にちぎれて、炎になって、高く立ち上げられた竹の上に止まり
高々と揺れながら燃え続ける「高火」となって、お盆には、この松明を目印に、亡くなった家族が
火に迎えられて、魂が帰ってくると信じられていました。
畑に実ったトウモロコシや、なすび、かぼちゃやトマト、まくわ瓜、桃、、、、
ありったけの収穫物を盛り付け、帰ってきた仏さんに差し上げます。
その日は、家族が一緒に集まって、大きなスイカを切って、
夏の猛暑の一日を、楽しく過ごしたものでした。