水曜日のテーマは『フリー』です。
書くもののテーマが決まってないって恐ろしく思えてきた今日このごろ、みなさんいかがお過ごしでしょうか?
困ったときは季節の話題ということで、今回は怪談っぽいお話をお送りします。
もう12年も前になるでしょうか、僕が以前住んでいた家で、母が体験したお話です。
母は霊感というわけではないですが、なかなか勘の鋭い人で「今日、車に乗ったら事故に遭いそうな予感がする」という理由で里帰りを中止したこともある、少々イッちゃ・・・エキセントリックな方です。
そんな母が、家事をしているあいだ中、ずっと背後に男が立っている気配がするなどとおっしゃるのです。洗濯をしているとき、料理をしているとき、掃除をしているとき・・・。
もう何年ものあいだ、背後に男が立っているのだと。
それも、いやに具体的に「年は25才くらいで身長170センチ前後、髪は短くトレーナーのような物を着ている」と殺人現場の第一目撃者のように、見えてもいない男の外見を詳しく語ってくれるのです。気配だけでそこまで解るなんて母は武術の達人ですか?
そしてある日のことです。
母は家事に疲れてうたた寝をしていました。すると、玄関のドアが開く音が聞こえました。
父が帰ってきたのだろうと思い、いたずら心に火がついただけど信じてる信じてるな母はそのまま寝たふりをしました。
足音が近づいてきます。母の前で立ち止まります。
しかし、帰ってきた誰かはなにも言いません。
無言のまま、畳に横たわった母を見下ろしています。
母はとまどい、目を開こうとしました。ところがまぶたが動きません。いや、まぶたどころか体も全く動きません。金縛りです。超常現象です。世にも奇妙な物語です。
母は必死になってお経を唱えました。「消えろ!」と心の中で叫びながら、クワッと気合を入れて目を開きました。
目が開き、体の自由が戻ります。見回すと、もちろん周りには誰もいません。
そしてそれ以来、気配だけのうしろに立つ男は、ぴたりと出なくなったそうです。
書くもののテーマが決まってないって恐ろしく思えてきた今日このごろ、みなさんいかがお過ごしでしょうか?
困ったときは季節の話題ということで、今回は怪談っぽいお話をお送りします。
もう12年も前になるでしょうか、僕が以前住んでいた家で、母が体験したお話です。
母は霊感というわけではないですが、なかなか勘の鋭い人で「今日、車に乗ったら事故に遭いそうな予感がする」という理由で里帰りを中止したこともある、少々イッちゃ・・・エキセントリックな方です。
そんな母が、家事をしているあいだ中、ずっと背後に男が立っている気配がするなどとおっしゃるのです。洗濯をしているとき、料理をしているとき、掃除をしているとき・・・。
もう何年ものあいだ、背後に男が立っているのだと。
それも、いやに具体的に「年は25才くらいで身長170センチ前後、髪は短くトレーナーのような物を着ている」と殺人現場の第一目撃者のように、見えてもいない男の外見を詳しく語ってくれるのです。気配だけでそこまで解るなんて母は武術の達人ですか?
そしてある日のことです。
母は家事に疲れてうたた寝をしていました。すると、玄関のドアが開く音が聞こえました。
父が帰ってきたのだろうと思い、いたずら心に火がついただけど信じてる信じてるな母はそのまま寝たふりをしました。
足音が近づいてきます。母の前で立ち止まります。
しかし、帰ってきた誰かはなにも言いません。
無言のまま、畳に横たわった母を見下ろしています。
母はとまどい、目を開こうとしました。ところがまぶたが動きません。いや、まぶたどころか体も全く動きません。金縛りです。超常現象です。世にも奇妙な物語です。
母は必死になってお経を唱えました。「消えろ!」と心の中で叫びながら、クワッと気合を入れて目を開きました。
目が開き、体の自由が戻ります。見回すと、もちろん周りには誰もいません。
そしてそれ以来、気配だけのうしろに立つ男は、ぴたりと出なくなったそうです。