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マンガ感想-『Q.E.D 証明終了 23』加藤元浩

2010年10月16日 | マンガ
「ライアー」★★☆ 5
~あらすじ~
両親に会うため偶然想の友人・ライアンのクルーザーに乗船した燈馬兄妹と可奈。だが海上でライアンが殺害される事件が発生。
しかも乗船した全員にはアリバイがあり、皆ライアンに恨みを抱いていた。

~感想~
あらすじからして思い出すのはかの古典的名作。となれば、もちろんそれを逆手にとったトリックを仕掛けてくれるのはお約束。
……などとそんな大掛かりな所業を、お約束などと気楽に言ってしまえる、ミステリ書きとしての信頼感を持っているのだから、この作者は本当に恐ろしい。
しかしそれだけ大掛かりなだけに、筋が複雑に過ぎてややこしくなってしまったのも欠点。
ここまでのロジックを操れる作家はそうはいないのだから、贅沢な注文なのだが。

「アナザー・ワールド」★★★☆ 7
~あらすじ~
想にリーマン予想を説くと宣言した数学者が学会に現れずに失踪してしまった。
彼は自宅に四行詩を、4人の関係者には四行詩と関連する絵を残していた。4枚の絵に隠された真実とは。

~感想~
とりあえずスキューズ数に燃える。なにそれ熱すぎ。
熱いといえば、暗号に熱が入っていて、読者にはほとんど解きようもないものと、ミステリではおなじみのネタに数学を絡めたものの二つがあり、どちらも面白い。
物語としても、タイトル通り「アナザー・ワールド」に惹かれる燈馬と、彼を現実につなぎとめる可奈との関係が興味深い。
まあこの先も進展はしないんだけども。


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