仕事の後、まわり道をして歩いて、父の住んでいる施設に寄った。
渡す書類があったのと、少し打ち合わせをしたかったのだ。
用事はすぐ終わり、折角なので二階に上がり、父の顔を見てきた。
ダイニングでいつも父の前に座っている女性が、今日も話しかけてきた。
「あなたのお父さんは本当にいい人よ」
「ちゃんと挨拶をしてくれるの」
「かわいいのよ」
「東京オリンピックの年には、100歳になるの」と言われる。顔を見つめてしまうが、本当かどうかはわからない。
そのうちにもう一人、車椅子で近寄ってきた女性があり、その人は103歳だと言う。本当かどうかはわからないが、やはり顔を見つめてしまう。
その女性があまり褒めてくれるので、父はとても照れていた。
どうしたら良いかわからない感じだが、でもなんだかとてもうれしそうだった。
父は毎日、窓の外の池を見ているだけかと思っていたが、今日の姿を見て、ここに入れていただいて良かったのだなと思った。
父もこの歳になり、百歳前後の二人の女性からべた褒めされる日が来るとは思わなかっただろうな。
歳を取るって、なんだか面白いものだ。
渡す書類があったのと、少し打ち合わせをしたかったのだ。
用事はすぐ終わり、折角なので二階に上がり、父の顔を見てきた。
ダイニングでいつも父の前に座っている女性が、今日も話しかけてきた。
「あなたのお父さんは本当にいい人よ」
「ちゃんと挨拶をしてくれるの」
「かわいいのよ」
「東京オリンピックの年には、100歳になるの」と言われる。顔を見つめてしまうが、本当かどうかはわからない。
そのうちにもう一人、車椅子で近寄ってきた女性があり、その人は103歳だと言う。本当かどうかはわからないが、やはり顔を見つめてしまう。
その女性があまり褒めてくれるので、父はとても照れていた。
どうしたら良いかわからない感じだが、でもなんだかとてもうれしそうだった。
父は毎日、窓の外の池を見ているだけかと思っていたが、今日の姿を見て、ここに入れていただいて良かったのだなと思った。
父もこの歳になり、百歳前後の二人の女性からべた褒めされる日が来るとは思わなかっただろうな。
歳を取るって、なんだか面白いものだ。