「あわてない、あわてない」ｂｙアニメ一休さん

大学時代に「月刊アフタヌーン」という漫画雑誌を購入していまして、そこには「あっかんべェ一休」という作品が連載されていました。
一休宗純が仏門に入り、破戒僧（物を壊す「破壊」ではなく、戒律をやぶる「破戒」です）になるまでを描いた作品だったのですが、当時の僧侶が政治と結びついて腐敗していく様子や、応仁の乱で民衆が疲弊していた時代背景も並行して描かれていて、興味深く読んでいた漫画でした。
織田信長が比叡山を焼き討ちしてしまった理由も、わかるような気がします。

子供の頃に見ていた「アニメ一休さん」では、とんちのきく、かわいらしいお坊さんだった一休さんですが、あのとんちは実は禅問答の一種だったのですね。

作者の坂口尚さんは、この作品をかいたあと、４９歳の若さで他界してしまったのですが、他にも第二次世界大戦時の旧ユーゴスラビアの独立を描いた「石の花」という秀品もあります。
書店ではなかなか見かけませんが、ネット通販では手に入るようなので、興味のある方は、ぜひ御一読どうぞ。（山坊主）