いつも仏教関係の話が多いので、今回は聖書について。
大学生の頃、一般教養で「宗教学(旧約聖書)」の授業をとっていました。
当時はまさか、この仕事に就くとは思ってもいなかったので、「もっと真面目に授業を聞いていれば良かった」と反省しきりなのですが、唯一、記憶に残っている話を記載したいと思います。
イスラエルという国名を日本語に訳すと「エル、万歳」「エルは永遠」という意味があるそうです。また、首都エルサレムはユダヤ教・キリスト教・イスラム教の聖地となっていますが、エルサレムは「エルがいる場所」「エルに約束された土地」というニュアンスらしいのです。
両方とも「エル」という言葉が出てきますが、古代、この地域に伝わる農業の神様だそうです。
しかし、聖書の中には「エル」という神様は全く出てきません。日本語訳の聖書では、神は「主」であり、名前がありません(神聖な存在には名前を付けない・名前を呼ばないという考えは日本にもあります。天皇陛下が姓をお持ちではないことも、「社長・先生」など目上の人を役職名で呼んだりするのも、これが理由です)。また、聖書に出てくる神は「唯一神」であるはずなのに、何故か「エルは農業神」と限定されています。
これは、ユダヤ民族が統一されたとき、集落ごとに崇拝されていた神様も一つにまとめられたのですが、「エル」という呼び方だけが残ってしまったらしいのです。
旧約聖書にもこの名残があります。
冒頭で「神は7日でこの世を作った」という有名な行が出てきますが、次の章でまた同じ話が出てくるのです。もともと別の本だったものが聖書として一冊の本にまとめられとき、同じ話が重複したようです。
私が大学で学んでから20年以上たっていますし、キリスト教が成立したころに書かれたらしい「死海文書」が発見されたり、裏切り者であったはずのユダの「福音書」が存在するらしいという話もあります。聖書に対する研究も、もっと進んでいるかもしれません。
最近はわかりやすい聖書の解説書も数多く出版されていますので、興味のある方はご一読なさってみては。(山坊主)
大学生の頃、一般教養で「宗教学(旧約聖書)」の授業をとっていました。
当時はまさか、この仕事に就くとは思ってもいなかったので、「もっと真面目に授業を聞いていれば良かった」と反省しきりなのですが、唯一、記憶に残っている話を記載したいと思います。
イスラエルという国名を日本語に訳すと「エル、万歳」「エルは永遠」という意味があるそうです。また、首都エルサレムはユダヤ教・キリスト教・イスラム教の聖地となっていますが、エルサレムは「エルがいる場所」「エルに約束された土地」というニュアンスらしいのです。
両方とも「エル」という言葉が出てきますが、古代、この地域に伝わる農業の神様だそうです。
しかし、聖書の中には「エル」という神様は全く出てきません。日本語訳の聖書では、神は「主」であり、名前がありません(神聖な存在には名前を付けない・名前を呼ばないという考えは日本にもあります。天皇陛下が姓をお持ちではないことも、「社長・先生」など目上の人を役職名で呼んだりするのも、これが理由です)。また、聖書に出てくる神は「唯一神」であるはずなのに、何故か「エルは農業神」と限定されています。
これは、ユダヤ民族が統一されたとき、集落ごとに崇拝されていた神様も一つにまとめられたのですが、「エル」という呼び方だけが残ってしまったらしいのです。
旧約聖書にもこの名残があります。
冒頭で「神は7日でこの世を作った」という有名な行が出てきますが、次の章でまた同じ話が出てくるのです。もともと別の本だったものが聖書として一冊の本にまとめられとき、同じ話が重複したようです。
私が大学で学んでから20年以上たっていますし、キリスト教が成立したころに書かれたらしい「死海文書」が発見されたり、裏切り者であったはずのユダの「福音書」が存在するらしいという話もあります。聖書に対する研究も、もっと進んでいるかもしれません。
最近はわかりやすい聖書の解説書も数多く出版されていますので、興味のある方はご一読なさってみては。(山坊主)