前回に書いたミイラ(即身仏)の話が、意外なことにかなり好評でしたので、今回もそれにまつわる話を書いてみたいと思います。
ミイラは基本的に乾燥させて遺体を腐敗させないようにしたものです。
エジプトのミイラは、遺体の内臓や脳は完全に取り出し、極力腐敗の原因になるものを取り除いていました。
出羽三山の即身仏になった人々は、生前から断食などを繰り返し、体脂肪をそぎ落としていました。
前回ご紹介した鉄門海上人は病死で、遺体に体脂肪が付きすぎていたため、数百本のろうそくを点けた部屋の中に遺体を閉じ込めて乾燥させたという話が残っているそうです。
また、ろうそくの煙で燻すことで、殺菌して腐敗を防ぐという意味合いもあったそうです。
さて、遺体が湿っている状態では通常は腐敗が進んでしまいますが、それが外気と触れず、細菌などが繁殖しない密閉空間に置かれていた場合、体脂肪が変化して、石鹸や蝋(ろう)のように固まる場合があります。
これが「死蝋(しろう)」という現象です。
死蝋は条件が揃わないと滅多に起こらない現象ですが、福沢諭吉の遺体は墓中で死蝋になっていたと言われています。
昔は、動物の死体から取り出した脂肪を固めて石鹸を作っていたそうですから、動物の死蝋は身近なものだったんですね。
もちろん、今の石鹸は、薬品の合成で作っていますので、ご安心を。
(山坊主)
ミイラは基本的に乾燥させて遺体を腐敗させないようにしたものです。
エジプトのミイラは、遺体の内臓や脳は完全に取り出し、極力腐敗の原因になるものを取り除いていました。
出羽三山の即身仏になった人々は、生前から断食などを繰り返し、体脂肪をそぎ落としていました。
前回ご紹介した鉄門海上人は病死で、遺体に体脂肪が付きすぎていたため、数百本のろうそくを点けた部屋の中に遺体を閉じ込めて乾燥させたという話が残っているそうです。
また、ろうそくの煙で燻すことで、殺菌して腐敗を防ぐという意味合いもあったそうです。
さて、遺体が湿っている状態では通常は腐敗が進んでしまいますが、それが外気と触れず、細菌などが繁殖しない密閉空間に置かれていた場合、体脂肪が変化して、石鹸や蝋(ろう)のように固まる場合があります。
これが「死蝋(しろう)」という現象です。
死蝋は条件が揃わないと滅多に起こらない現象ですが、福沢諭吉の遺体は墓中で死蝋になっていたと言われています。
昔は、動物の死体から取り出した脂肪を固めて石鹸を作っていたそうですから、動物の死蝋は身近なものだったんですね。
もちろん、今の石鹸は、薬品の合成で作っていますので、ご安心を。
(山坊主)