姪から電話があった。
彼女は主人の長兄の長女で、他府県に住み仕事もしているので気軽に実家に帰れない。長兄は高齢で足が弱り出歩けないので元気なトシヨリには程遠く、老夫婦の二人暮らしもあり、そんな日常を彼女はいつも案じている。一生懸命働いて大学院まで出してくれた父親にとても感謝している親孝行な娘で羨ましいくらい。両親の近くに住んでいるうちの主人を何かと頼りにしていて、主人も頼まれたらすぐに車を走らせている。
電話を取った私が、おっちゃんに代わろか?、と言うと、おばちゃんでも良い、と言う
「お母ちゃん、最近ちょっとおかしいと思わへん?」
「、、、、そういえばなぁ、、、」と私。
「前からおかしかったけど、またちゃう意味でおかしいと思うねん。」
確かに兄嫁は人柄はとても良いのだけど、神経質と言うか視野が狭いというか、物事をピンポイント的に判断し固執するところがあり、私はいつも大人しく、大したことじゃないので、聞いているが、考え方があまりにも違うので苦手としている。そういうところが娘が言う、前からおかしかったけど、となるんだろうが、最近さらにヒステリック的になっているように感じていた。
おかしい、と言っても一つ一つはそうおかしくは無い。
早朝・深夜に電話してくる。
大した用も無いの職場へ電話がかかってくる、メールも多い、速達で手紙も来た。
遠くの親戚へも同じことをしているらしい。
安売りしていたものを必要以上に買う。
遠くに住んでいるのに「あれこれ買ってきて」とメールがくる。
「お父ちゃんがハワイへ行きたい言うてるから連れて行って」と言って来る。
聞けば聞くほど確かにちょっとおかしい、普段の人柄から考えたら常識的にはまずしないようなことをしている。
私が最近ちょっとおかしいな、と思ったのは、電話がよくかかるようになってる、ともう一つ、主人が長兄の家から牛乳のパックを2つも貰って帰ってきたこと。
「えー、どうしたんこれ?」と聞くと「姉さんが持って帰りって」、「こんなん買い置きしてたんやろか?」
買うにしても重い物だし、賞味期限があるし、夫婦二人暮らしなので余分に2パックあるとは考え難い。
姪が言うには認知症の初期に多いことらしい。
専門医に見せたいけど連れて行くのがなぁ、、、、
ほんとやなぁ。
医療の進歩で進行は抑えられるから初期のほうが良いに決まっている、でも本人はイヤだろう、ショックだろう。
頭の元気なうちから定期的に自分から認知症検査へ行くべきだ、と思った、ある日突然連れて行かれるよりはマシ。
キャンペーンして欲しい、頭の健康診断は毎年受けましょう!て。
