昔のブログにO.ヘンリー短編集の中の「最後の一葉」について
書いたことがありました。 そのお話の中では売れない老絵描きが
いつも「ジンの匂いをぷんぷんさせている」設定になっています。
どんな匂いなのかなあ、と思ったものです。
もう一編、印象に残っているのが「ハーグリーブスの一人二役」
というお話で、退役した厳格な元大佐が孫娘と一緒に暮らしているところに
新参の人当たりの良い青年がやって来てご老体も彼をとても気に入り、
自慢の「ミント・ジュレップ」を振る舞う。 ところがこの青年、実は
役者で、後日、二人が招待されて彼の出演する芝居を観に行ってみると、
なんと、古めかしいフロックコートから髭の具合まですっかり大佐と
瓜二つに決めたハーグリーブスが、舞台で大佐の手つきから細かい説明まで
完全に「パクって」演じ切り、その退役軍人の演技が絶賛され、本物の大佐は
激昂してしまう。 後日「参考にさせていただいたお礼を」と
やってきた彼を「ニ度と来るな!」と追い返しますが、そこは役者さん、
また別の解決方法でひそかなハッピーエンドを演出・・・
ラストの場面は機嫌の良い大佐が孫娘に呼びかける
「ミント・ジュレップの用意をしておくれ」
というセリフでおしまい、というものでした。
これまた子供には縁のない、というか、アメリカン・ウィスキーを知らない限り
縁のない飲み物ですが、「細かく砕いた氷を詰めて、チリチリと音がするまで
グラスを冷やして」とか「ミントを潰すときには気を付けてやらないと・・・
この植物の持っている香りの代わりに苦みが出てくる」だの、何十年たっても
思い出せるフレーズがあるのは、どうしたわけでしょうね
本日:5/29(月)久々のご登場
高浜和英さんの軽快な弾き語りで景気の良い週明けとまいりたいものです