銀座ジャズバーエムズのブログ

 生演奏のある小さなバー・・・「大人のくつろぎ空間」をお探しの方にご案内申し上げます。

Tulip Or Turnip

2015-10-29 16:08:43 | 

チューリップ それともカブ?

バラの蕾 それとも大黄の根っこ?

フィレステーキ? 並みのビーフ?

アナタにとって私はどっち? ねえ、言ってよ

 

ダイヤモンド?それともドアノブ?

サファイア?それともおがくず?(sawdust)

シャンパン それとも自家製どぶろく?

アナタにとって私はどっち?

とぼけた顔してないで答えてよ

 

私はビリでアナタは一番?

空に向かって羽ばたけるのか

それとも頭打ちなのか?

 

チューリップそれともカブ?

月光それとも泥団子?

ポヤンとした顔してないで、教えてよ

 

 最近思い出してちょっと気に入っている「知られざるエリントン楽団の小唄」

歌詞はまあ、荒唐無稽な語呂合わせ、頭文字に韻を踏む言葉を並べてありますね。

「月光と泥団子=moonbeam or mudpie など」

オリジナルは楽団付きの男性歌手が歌ったそうですが、

ドリス・デイのイメージで訳してみました。

「アタシはアナタにとって蝶々それとも蛾?はっきり言ってよ」なんてね

 

さて今夜は、深川コンサート仲間のステージ

深澤芳美(P)後藤雅広(Cl)

Duoでのご出演は初めてかな?

楽しくなりそうですよ

季節カクテル;スダチと青レモンなどさわやかに

 

 


敷居が高い

2015-10-28 13:57:25 | 言葉、言い回し

 不思議なことにこの言葉、本来の意味で使われるのを聞くことが

本当にまれになりました。 本来使われていたのは

「以前は親しく付き合っていたけれど(多くの場合相手が目上)不義理をして

(済まないと思うことや、長い間音信しなかった経緯があって)顔を

出しづらくなること」と言う意味です。

 ですから、まずは相手と古くから知り合いでないといけません。

ところがこの節はほとんどが

「初めて行く場所で、自分にはハードルが高いんじゃないかと恐る恐る」

と言う場合に使われます。

 元の意味をわかっている方でも、新しいほうの意味でも現実に使っています。 

 

   先日一人で「勇気をふるってジャズバー・デビュー」に来られた若い女性が

「敷居が高いんじゃないかととても緊張したんですけど、

居心地よくてアウェイを感じませんでした」と喜んでくださいましたが

なるほどなあ、と思いました。

 「言葉は変わってゆくもの」という現場をまさに見ているワケですね

 

 本日:10/28(水)高浜和英(P,Vo)酒井一郎(B)

息の合ったペアの小粋な演奏と歌と語りをどうぞ


心をつかむ歌詞

2015-10-27 14:38:12 | 

 と言ってもいわゆる商業的に「キャッチー」な、という意味ではありません。

演奏を聴いていて、あるフレーズや音の運びでグッとくるのと同じに、

歌詞を聴いたり読んだりした時に(スタンダードだから英語です)「来る」ものが

ある、ということで、日本語にどう訳すとその感じがでるかなあ、と悩みます。

 

I'll Be Seeing You

きっと君を忘れられない

一日中僕の心を占めている  懐かしい場所のすべてで

あの小さなカフェ 筋向いの公園
子供たちのメリーゴーラウンド 
くるみの木や 願掛けをした泉にも

きっと君の面影が浮かんで消えない
夏の日が巡ってくるたびに
すべてが明るく楽しい時間だった
あのころと同じように君のことを考えるだろう

朝の光の中に そしてまた夜になると 月を見上げては 

そこに君の面影を見ることだろう

 

 この題を「また会いましょう」とは訳せませんよねえ。

だってきっともう会えないんですから

でも、ちょうどピッタリの邦題を、何年たっても思いつけません

 最後のフレーズの「そしてまた夜になると」は

「when the night is new」 良く使われる言い方です。

余談:この間ある方が「the night is young ってどう訳す?

『まだ宵の口』いいと思わない?スタンダードの歌詞ってさ、ゼッタイ江戸の粋に通じると

オレは思うんだよね。」とおっしゃっていましたが、まさにその通りですね

 

本日:10/27(火)小林 洋(P)

そして【スタンダード愛好会】仲間の、クラリネットのあの方の

「通りすがり」が期待されております


にわか

2015-10-24 16:43:52 | 言葉、言い回し

 「にわかに」という言葉は「急に」とか「一時的に」の意で使われます。

そもそもは江戸時代の「素人狂言」から来ているのだそうですが、

これは路上でいきなり始まり、本職の役者ではなくて本芝居(歌舞伎)を

もじったものやら時事ネタなどを即興的に演じたことから、らしく、

そういう意味では「即興演奏」と呼ばれている(思われている)ジャズの演奏も

「にわか的」要素は高い芸になるのかも

 

 揶揄的使い方も良くされています。「にわかファンのくせに」

「こちとら○○については年季が入ってんだ。

にわかとはちがうんだよ、にわかとは」などのように

 

 これを思い出したのはハロウィーンの季節だから。

歴史にも現代の実生活にもなんら関係もなく、信仰もないのに

イベントとして大流行する、という風潮は、日本独特なのかな。

悪く言えば軽薄、無節操、良く言えば柔軟性があって進取の気風に富む、とか

 

 ジャズもお酒も考えたらそうですね。

張り切ってうんちくを披露してくださるような場合は

たいていトンチンカンです。 笑い話ネタは毎日満載

でもね、始まりはなんでもいいんです。

そこに本当の興味が深まったり、ご縁が生まれたりすることもある

思い込みのままであったとしても、ご本人が楽しいならいいしね。