むろん、良い意味で使われることはあまりないと思いますが、
「数字的に頭打ちになった」という場合には、それまでグングン右肩上がりで
良くなっていたのに、という前提があっての言い方だったわけですね。
音楽の現場で「頭打ちだ」と思ったり、こっそりささやきあったりするのは
多くは手拍子をいただいた場合です。ジャズなどの洋楽の演奏の中で
演奏者が客先に向かって手拍子を促すのは、だいたい乗りの良いスウィンギーな曲の時で
1,2,3,4と勘定できる2と4で手拍子を打ちます。 人間のリズム感は4の倍数で音楽の
刻みを捉えているので、そのどこにアクセントを置くか、ということで
「ノリ」が変わってくるのです。 例えば日本の民謡に手拍子を打つ場合
盆踊りのフリの中での手拍子も、だいたい1,3に乗っています。=「オン・ビート」
それを「アフター・ビート」に乗ることで、スウィング感が際立ってくる、というか
そうでなければならないのですが、ここでオーディエンスに不思議な現象が起こります。
過去何度も聴いてくださっていて、それまでの演奏にノリノリで、
音楽が相当お好きだと思うのに、手拍子をすると「1,3」になってしまう方が、
実はかなりたくさんいらっしゃる、ということです。
やはり大和民族のDNAでしょうか
それ自体、別に罪はありませんし、必死で直すようなことでもありませんが、
一緒にダンスをしたこともある方が(それもかなりの腕前)、歌に手拍子をくださると
頭打ちだったりすると、心臓が止まりそうな驚きがあります
ずっと以前にジャズダンスのレッスンに通っていて、物凄く熱心で
近所で子供たちにバレエも教えている初老のご婦人が、私の隣で
一所懸命カウントを取りながら踊っているのですが、基礎練習のパターンで
8つ数えるまで右足から出て、次の8つは左足から折り返すということを
やっているのに、「1,2,3,4,5,6,7,8,9・・・」と言って遠ざかって行ったときにも
一瞬心臓がおかしくなりました
・・・ん~~~どこが「アタマ」だったんだろう・・・