福島原発事故メディア・ウォッチ

福島原発事故のメディアによる報道を検証します。

大手メディアと別れる50の方法:言ってやる、デモってやる、歌ってやる、書いてやる!

2011-04-12 12:26:22 | 新聞
===========================================================
世の中、がたがた騒いでやるさ、世の中、がたがた騒いでやるさ、
静かにご退場なんて、ケツッからありえないもんね。
世の中、がたがた騒いでやるさ。
“Makin' a noise in this world, makin' a noise in this world,
You can bet your ass that we won't go quietly,
Makin' a noise in this world.” (Robbie Robertson)
(ネイティブ・アメリカン系のRRはソルトレークシティ冬季オリンピックの開会式でこいつを歌った)
============================================================
4月10日に東京は高円寺で反原発のデモがあった。デモ、報道したのは共同通信だけ。11日午前9時現在共同通信アクセスランキングで堂々の3位だったにもかかわらず。情報へのニーズはある。記事は売れる。でも。大手新聞社さんたちは何かこれを特に報道したくない理由があるらしい。

大手メディアは反原発デモはあまりお好きではない。読売なんか、「反原発デモ」で検索すると、唯一出てくるのは「イランの反政府デモ」だけ。朝日・毎日は、ドイツの反原発デモなどは嬉々として伝えるのに、国内のデモのほうは、どう見てもあまり積極的ではない。デモ、ないこともないのです。それは、

『反原発デモに若者ら500人 震災被災者も参加 京都』
『反原発デモ:東京で行われる 市民ら1000人が参加』


で、これらのデモがどんなでものだったかというと、

主催者/京都:「ピースウォーク京都など」、 東京:「原水爆禁止日本国民会議など反原発の市民団体らでつくる「再処理とめたい!首都圏市民の集い」」
参加人数/京都:「被災者も加わり...若者ら約500人」、東京:「原発に反対する市民ら約1000人」
様子/京都:「河原町通など約2キロを歩いた。」、東京:「横断幕を掲げ、銀座から東京電力本社前を通って日比谷公園まで約3キロを歩いた」
ことば/京都:「子どもたちを原発から守れ」「子どもを被曝(ひばく)させたくない」「原発の怖さは知っていても、避難できない人がいる。各地の原発が止まるよう、今後も私にできることをしたい」、東京:「すべての原発を止めて」「エネルギー政策の転換を」「原発の危険性が改めてはっきりした。国には情報公開を徹底し、まずは東海地震による危険性の高い中部電力浜岡原発を早急に止めてほしい」


であり、政治勢力ともつながりのある伝統ある団体に率いられた小集団が、2-3キロ(時間にしてせいぜい1時間程度か)を、横断幕を掲げて整然と「歩いた」のである。この、冷戦時代から日本の良心的な小市民におなじみ抗議行動の風景は、これらの記事に付加された写真からも明らかである(とくに東京のデモでは、参加者の高齢化が見て取れる)。これに対して高円寺のほうはというと、

『リサイクルショップなどを営むグループ「素人の乱」が呼び掛け、ツイッターなどで情報が広がり、約1万5千人(主催者発表)が参加。思い思いのスタイルで「原発はもういらない」と訴えた。
デモ行進は高円寺中央公園からスタート、ロック、レゲエ、ちんどん屋などの生演奏とともに、駅前などを練り歩いた。防護服を着た人や「NO NUKES」と書いたスケートボードを掲げて歩く若者も。』


というわけで、なんだかけばけばしく、うるさそうである。ネット上でみつかる写真からも、半裸でおかしなメイクをするやつ、ペットボトルに放射能マークを描いてそこからドリンクしてるやつなどいて、ヒンコーホウセーな整然たる政治的抗議行動とは一線を画しているのである。現れたスローガンだって「利権を大切にね。ジャン。」だの「これ以上地球を汚すなよ」だの「子どもたちに安全な水を」など、「政治的にタダしい」ものとはほど遠い、「風評被害」などとお叱りを頂戴しそうな代物も登場した。デモは、午後2時ころ始まったらしいが、それが夕方7時になっても高円寺駅前は人ごみでごった返していたという。

そして、この主催者、リサイクルショップ「素人の乱」をやっているのは、「貧乏人の逆襲!」なんてあんまり健全な若者には読んでほしくない、有害図書の著者・松本哉氏である。この人は地元高円寺でときどき変なイベント(「事象」)を組織する。「高円寺一揆」という事象では、駅前のトラック上のラッパーに合わせて、「集まった数百人の大アホな若い奴らの群集からも「は、た、ら、か、ね、え、ぞ!」のとんでもないレスポンス」があったそうだ。

大メディアは、500人や1,000人のかわいらしい「政治的にダダしい」デモなら記事にもする。一方、得体の知れない変な奴らが「ツイッター」などを通して1万5000人(主催者発表)規模まで盛り上ると、「そんなの知らない!」とちょっとふてくされて横を向いてしまう。エジプトの政変のときでさえ、毎日新聞などは、勝手に盛り上がる無秩序な抗議行動に対して、「早く日常の秩序の回復」を願うという「市民」の声をわざわざ記事にしてたっけ。

こんなゲリラ的事象に参加することも、大メディアの世界では許されない。俳優山本太郎氏がツイッターで、

『反対。って言うと、芸能界で仕事干されるんです、御存知でした?でも言ってやります、反対!』

この人にとっては、明日からの生活にかかわるたいへんなことなのだろう...。
同様に、忌野清志郎のファンだったという斉藤和義氏が、原発反対ソングを歌ってそれがU-TUBEでパンクするほどアクセスがあるのだという。この人も業界での今後の困難を覚悟の上だろう。

こういうマスメディアの反抗的な不良たちを、業界の「兵糧攻め」(南相馬市長さん)のなかで見殺しにしてはいけない。清志郎だって、みんなの支持があったから死ぬまで歌い続けられたのだ。




最新の画像もっと見る