1991年に出版された中川保雄著『放射線被曝の歴史』は長らく絶版状態で、出版社も解散ということで、手に入りづらい本だった。しかし、この本こそ、福島後を生きざるを得ない私たちにとって絶対に欠くことのできない「核の秘密」を教えてくれる必読書だ。それがつい最近やっと復刊された。『ヒバクを強制する側』の策略と操作、その淵源と展開、そして彼らのあやつるあやしげな言説パターンや数値トリックをていねいに、かつ、わかりやすく追及したこの本は、今の日本の政府・メディアによるごまかしの隠された動機をみぬき、彼らに対抗する力を私たちにつけてくれる。
. . . 本文を読む
九電やらせメール事件は、九電幹部の居直りと、それを受けた第三者調査委員会・郷原委員長の恫喝めいた暴露が引き続いている。大方の論調は、九電幹部の盗っ人猛々しい図々しさと非合理にあきれかえり、枝野経産相のように九電の反応は『理解不能』などと言う一方で、郷原信郎委員長に対しては、汚職事件の時に検察への支持が集まるように、なんだか正義の味方・ウルトラセブンのような注目が集まっている。しかし、わたしにはこの検事上がりの企業のご意見番弁護士のパフォーマンスがどうもくさい・・・ . . . 本文を読む
遠くフランスはパリのホテルで、ほかほかのクロワッサンと薫り高いカフェオレの朝食を前にして、上杉隆氏はホテル備えつけの朝日新聞をみた。瞬間、『思わず気分が悪くなり』新聞を椅子に放り出してしまう。毎朝、朝日などの大新聞をみて気分が悪くなり、『せっかくの朝食をまずく』されてしまうのは日本でも同じで、そのために何もパリまで行く必要はない。しかし、上杉氏はとりわけ『フランスと日本では決定的に違うものがある。それはジャーナリズムが機能したかどうかの大きな違いだ。』というところで、余計に気分を悪くしたらしい。しかし、氏とは違って、私には『フランスのメディアは権力監視という最低限の役割を機能させることに成功した』なんてとても思えないのです。どうしてかというと・・・ . . . 本文を読む
9月にフランスの御用学者の第一人者のペルランが不起訴となりましたが、反原発の訴訟はそればかりではありません。9月30日には、福島に役に立たない機械を、火事場泥棒的に売り込んだフランスの大原子力マフィア企業・アレバが放射能による環境汚染で有罪判決を受けました。
. . . 本文を読む