福島原発事故メディア・ウォッチ

福島原発事故のメディアによる報道を検証します。

原発利権屋・渡辺恒三をヨイショする朝日新聞の政治プロパガンダ:こんな新聞は今日限り購読中止!

2011-08-15 09:43:42 | 新聞
8月12日、東京の日比谷野外音楽堂に福島の農林漁業者2500名余りが集まって「福島県農林漁業者総決起大会」が開かれた。そこには、『自民党時代に原発を福島に担ぎこんだ張本人』(明石昇二郎氏)である民主党最高顧問・渡辺恒三も現れた。この集会を報道した朝日新聞によれば、福島の農林漁業者は、福島の原発利権屋のもとじめであるこの男を『来賓として』お迎えし、そのご『あいさつ』『会場から大きな拍手が起きる場面』もあったのだそうだ。そんなバカな、ほんとうだろうか、福島の農林漁業者はなにをかんがえているのだ?!、と疑問がわくが、どうやらそうではないらしい。朝日がほんとうのことを伝えていないというのが、ほんとうのとこらしい…

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同じ集会を伝える、主催者側のJAグループ福島側の新聞JA comによれば、話はだいぶ違う。

『県選出の国会議員もあいさつしたが会場からは厳しい声が飛んだ。 民主党の渡部恒三衆院議員が「責任は政府にある」と述べると「当たり前だ」と怒りの野次。また、「われわれは新しい内閣をつくります」と述べた際には、会場に嘲笑が広がった。』

同様の報道は、『福島民報』にもあり、

『「国は責任を取れ」「緑豊かな本当の福島を返せ」などと記したむしろ旗を掲げ、各団体代表者の決意表明に拍手を送った。国会議員らにやじを飛ばし、やり場のない怒りをぶつける場面もあった。』

福島の人たちの反応は当然だろう、なにしろこの渡辺恒三という男、

『原子力発電所の事故で死んだ人は地球にいないのです。ところが自動車事故でどのくらい死んでいますか。人の命に危険なものは絶対やっちゃいかんという原則になれば自動車も飛行機も直ちに生産を中止しろということになる』だの、
『福島県には日本の原発の30%近くがあるが、そこで育って暮らしている私がこの通り元気一杯なのだから、原子力発電所をつくればつくるほど国民の健康は増進、長生きし、厚生行政は成功してゆくのではないかと思う』(広瀬隆・明石昇二郎『原発の闇を暴く』198-199ページ)

などと、狂気の発言を繰り返し、福島事故後も『地下原発推進』団体の顧問もしているやつなのだから。

それなのに、朝日は『会場から大きな拍手が起きる場面』と記述した。さらに、朝日の記事からは、むしろ旗や大漁旗やプラカードを掲げ、炎天下を行進して、『東電本店前では灼熱(しゃくねつ)の太陽に照らされながら』抗議の叫びをあげた人々の、

『「県民の怒りは限界に達している。被害をもたらした東電にこん身の力を込めて抗議する」』

という怒りの声が伝わってこない。朝日はまた、この福島の人々を、

『出荷制限や風評被害に苦しむ福島県の農林漁業者』

と描写する。これに対して、JAcom、福島民報、福島民友は、この同じ農林漁業者のこんな声を伝えている。

『農産物への放射能汚染問題が拡大し、事態はむしろ深刻さを増した。』
『安全安心な農林水産物を自信を持って食べていただけるよう、福島の豊穣な大地と澄んだ海を一刻も早く取り戻すこと」と強調』
『効果的な除染対策、米など農林水産物のモニタリング検査と牛の全頭検査を国が責任を持って取り組むことも求め』
『食の安全に対する不安払拭(ふっしょく)のための検査態勢の強化、効果的な除染事業などを国と東電に求めた』


と、問題がまったく『風評被害』どころでないことをはっきりと主張し、より具体的で効果的な対策を求めている。この件で検索できたすべての新聞記事の中で、『風評被害』という原発推進・被ばく強制側のおなじみの呪文を再生産していたのは、おお、ニッポンを代表するわれらがリベラル新聞、大朝日新聞様だけに限られた。『出荷制限』ということばを使っていたのも、唯一、朝日だけ。そしてその一方、朝日の記事からはまた、『放射能汚染』というキーワードが入念に排除されている。

朝日新聞の記事からは、『生産者も消費者も被害者です。』赤旗)という主催者のあいさつからもよくわかる、消費者と交流し、連帯して放射能汚染食品の問題を乗り切ろうという、福島の農林漁業者の人々の決意が伝わってこない。むしろ『出荷制限や風評被害に苦しむ福島県の農林漁業者』が、原発誘致張本人の渡辺恒三や佐藤雄平知事と結託して、食品基準値をせり上げたり、不透明な流通にヤバイ産物をまぎれこませたり、おそれる消費者を『風評被害』と迫害したりする被ばく強制・拡散のための利益集団に堕してしまったような印象を受ける。

そう、そのとおり、朝日新聞のやりたいことは、『我慢も限界』にたっした農林漁業者と、今後本格化する恐れのある食品からの被ばくを恐れる消費者とを分断することなのだ。そのために、『生まれ育った故郷に帰り青空のもとで農業にいそしみ、安全安心な農林水産物』を生産したいというあたりまえの『望み』にかける人々を、渡辺恒三のような政治ゴロのレベルにまで押し下げる必要があったのだ。

朝日新聞購読者のみなさん、こんな新聞にお金をだすのは今日限りやめよう!


8月16日付記:
読売新聞にもしっかり『出荷停止や風評被害など・・・心配』と出ていた。こちらは、デモ参加者の談話という形を使って、こっそり挿入したのものだ。大新聞はやっぱりたちが悪い。


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